ポロン　ポロン♪
♪月が昇るよ～雄叫び山に　我に従え　精霊達よ～








「フナスキンさん！」

「やあ　モーミン　久しぶりだね」

「フナスキンさんは　また　旅に出てたの？」

「ああ　ちょっと　東のほうへね・・・
　ところで　モーミン　今日はどうして　呼び捨てにしないんだい？」

「年上に対して　呼び捨ては　失礼かなと思って・・・」

「ふ～ん　しばらく会わないうちに　
　大人になったね　モーミン
　そうやって　常識ってヤツの奴隷となり　
　純粋さを失って　大人になってゆくんだね」

「ええっ　サン付けしちゃ　いけないの？」

「確かに　ボクは君より年上だけど
　それよりも　キミは　ボクのことを　親友だと思って　
　あのように　呼び捨てにしていたんだと思ってたんだけどね」

「ごめん　フナスキン　じゃあ　
　いつものように呼ぶよ　フナスキン！！」

「ところで　カバ　『親しき仲にも礼儀あり』って言葉知ってるかい？」

「フナスキン・・やっぱり怒ってるの？　
　それに　何度もいうけど　ぼく　カバじゃないよ・・」

「ああ　うっかりだったね
　訂正するよ　カバ似ている生き物だったね
　ボクは　怒ってなんかないさ
　怒ってるように聞こえるのは　キミの心が　濁っているからさ」


「・・・・・・」





「ところで　モーミン・トロール！」
　
「フルネームは止めてよ！」

「ふふっ・・・・
　フローランとは　仲良くやってるのかい？」

「彼女とは　うん　うまくいってるよ
　彼女ね　明るくて　やさしくて　純情でね　
　ぼくの中では　天使みたいなイメージなんだあ」

「そうかい　それは　よっかたね　モーミン
　じゃあ　久しぶりだから　歌を歌ってあげるよ」







ポロン　ポロン♪

♪スモークは　お金を　借りた　
　ほんの少しだけ　ほんの少しだけ　
　
　子犬が　クリクリ黒い瞳で見つめてる
　かわいい　女の子が　微笑　かける

　とっても　感じがよかったので
　スモークは　お金を　借りた～

　神は　いつも　しかめっ面で
　僕になにも　してくれない

　悪魔は　やさしく　微笑ながら
　僕に　握手を求めるよ～

　あ～あ　イメージの歌～　イメージの歌～


♪スモークは　お金を　借りた　
　ほんの少しだけ　ほんの少しだけ　　

　電話が　リンリン激しく鳴り響く
　怖い　男が　ドアを　叩く

　とっても　怖くて怖かったので
　スモークは　姿を　消した～

　神は　いつも　しかめっ面で
　僕になにも　してくれない

　悪魔は　やさしく　微笑ながら
　僕に　握手を求めるよ～

　あ～あ　イメージの歌～　イメージの歌～





「フナスキン！！！」

「どうしたんだい？　モーミン」

「なんか　その歌　嫌なんだけど…」

「そうかい　心を研ぎ澄ませば　すばらしい歌だけど？
　すばらしく聴こえないのは　キミの心が　濁っているからさ」

「…　…　
　フナスキン　そろそろ　ぼく　帰るよ」

「ああ　そうだ　モーミン　
　キミに旅のお土産を渡さないと　はい　お土産のＴシャツ」

「？？？　ねえ　これ　【鮒皮】って　プリントされてるけど　なに？」

「それは　東の国の言葉で　フナスキン　って読むらしいんだ」

「へぇー　変なの　でも　ありがとう　じゃあ　帰るね　フナスキン」




「カバの醜い体形じゃあ　似合わないだろうけどね・・・」

「何か言った　フナスキン？」

「いや…」





ポロン　ポロン♪
♪月が昇るよ～雄叫び山に　我に従え　精霊達よ～






おわり

旅人フナスキン２へ





【ムーミン】ガーデンライト・ニョロニョロ


【ムーミン】ガーデンライト・ムーミン＆フローレン（送料無料）