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カテゴリ:最近の気に入りの本
まだ革命の起こらなかった頃の王政ロシアで 下働きの女が夫もないのに女の赤ん坊を産みました その赤ん坊は丈夫で可愛らしかったので 女主人は、この子を小間使いにしようと 育てました カチューシャと名付けられた女の子は 年頃になると男の目を引くようになり この家の女主人の甥の大学生と恋をしました 彼は、それから、軍隊に入って去りました カチューシャの手100ルーブルの札を与えて それから、彼女は妊娠をして出産をし 次から次へと奉公先を変えながら過ごし 遂には、女郎屋へと流されて行きました そして、罪を犯し裁判に引き出されました 乙女の頃、カチューシャを自由にしたあの 大学生のネフリユードフ侯爵が その日の裁判官の席に居たのでした 彼は、変わり果ててはいるものの被告席に あの、愛らしかったカチューシャの面影を認めました 彼は徒刑に処せられる彼女の為に 有名な弁護士を雇いました ネフリゥードフ侯爵は、徒刑囚のカチューシャに 若い日の行いを詫びて結婚を申し出ますが カチューシャは、笑って拒絶します 淫売婦となった彼女は、今は、元の乙女に戻る術もなく 今の自分から、昔の汚れない自分に戻る事など 恐ろしいのです この作品には、当時のロシアの囚人に対する 監獄の様子が、恐ろしい程、詳しく描かれています 当時の帝政ロシアの役人の腐敗ぶり ひと握りの富裕な貴族と 惨めな暮らしの多くの農奴達 ネフリュードフは領地を百姓たちに分けることを 考えます ネフリユードフは、カチューシャの減刑を願って色々 運動をしましたが、上手くいかず、カチューシャは とうとうシベリア送りになります もう、モスクワや自分の領地に帰ることは無いかもと 覚悟を決めて、ネフリュードフは、カチューシャの後について行きます 日射病で死人の出たほどの暑い日々から 外套のいる寒さまで掛かる長い旅路でした そうして、ネフリュウドフなど貴族の人々とは違う貧しい人々と 旅の連れ合いになり、その人間らしく 懸命に働いて、家族を愛し、やっと暮ら人達を 知ります 役人の腐敗と、貧乏人の善意を見ます 一握りの豊かな人々の意識せずに行う行為が その他大勢の普通の人々に残酷極まることを 行っている カチューシャに付いて徒刑囚と共に旅をして 見た真実が、丁寧な描かれています このような中から、 ロシア革命の芽が育って行ったのでしょう トルストイの心は、ネフリュードフ侯爵そのもの と察します 読み通すには、時間と努力が要りましたけど やはり、偉大な作家の魂を込めた作品に 心打たれて、考えました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.05 00:00:20
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