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2006年01月24日
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戦争映画である。
ビデオ屋の店長時代、企画に困って反戦映画コーナーというものを作ってしまったことがあった。

「ディア・ハンター」「プラトーン」のような定番洋画とともに「ひめゆりの塔」「黒い雨」「海と毒草」などの邦画なども並べて置いたのだが人気はいまいちであった。どうも、「反戦」という言葉の響きがイデオロギーチックでよくなかったのかもしれない。「厭戦映画」のほうが良かったかもしれないがそれだと客からすれば「ハァ?厭戦って何?」みたいな感じになっただろうし難しいところである。

その「厭戦」という言葉が一番似合う映画を一本選べといわれたなら挙げたいのがこの映画「シン・レッド・ライン」でございます。「ディア・ハンター」と「プラトーン」を足して二倍に濃縮したよりもさらに鬱にさせることを請け合う。全然褒め言葉になってないが。

この映画のDVDを買ってから随分と経った。その間二度見たか見ないかだったが、最近東京からこのDVD持ち帰ってきたので久しぶりに見たのだが、知り合いの家での新年会で、100インチ相当のプロジェクター、dtsサラウンドで10人以上で見ちゃったのだ。

せっかくなんでプロジェクターがあるなら映画館の気分でテレンス・マリックの映画を見たいという奴がいたからだ。初めて見たという人も多く、その感想を一言でまとめると「新年早々に見るような映画じゃないな」となる。このDVDを持ってきた自分まで戦犯扱いである。ひどい話である。

太平洋戦争の陸の分岐点となったガダルカナル島での連合国軍と日本軍の局地戦を描いたこの映画は、日本人にとっても、それ以上にアメリカ人やイギリス人にとっても鬱な映画に違いない。

明日をも知れぬ戦闘のつかの間、妻から届いた別れの手紙を読み終わり手紙を握り締め空を見上げケタケタと笑い出す兵士、顔を上げれば狙い撃ちされる恐怖から地べたに顔をつけてはいずりまわりながら、目と鼻の先で起きている虫たちの活動に目と心を奪われる兵士など、戦争の悲劇というよりも戦場で起きても不思議ではない日常の悲劇や喜劇やその他もろもろが冷徹な口調で語られそして終わるのだ。救いもなければ落としどころも用意されていない。

自分が鬱を通り越して感動すら覚えたのは、局地戦に勝利し米兵に捕虜にされた日本軍の上官のひとりが立ち上がり自分を捕まえた米兵達を睥睨し悪態をつくシーンであった。通訳もいない状態でその日本人上官(中尉くらいか?)はただひたすら自分を捕虜にした敵兵らに向かって悪態をつきつづけるのである。最初のうちはニヤニヤしながら取り巻きにしていた米兵たちの顔から笑いが消えてゆき皆一様におし黙りうつむいてしまう。意味もわからぬ異国人の放つ言葉に圧倒されてしまうのだ。

戦争は所詮当事国同士のものだ。国と国の勝ち負けは決めれるが、人間と人間の勝ち負けを決められるわけではない。彼らは死んだ敵味方の遺体を見下ろし、それが自分であったかもしれなかったことを悟りやっと気がつくのである。日本に負けたわけでも、この日本兵の言葉に負けたのでもなく自分等がそれまでよりどころにしていた「勝利」が自分に何もあたえてはくれないことにやっと気がつくのである。

原題そのままの「シン・レッド・ライン THE THIN RED LINE」とは、そのまま「細い頼りなげな赤い線」のことで、まるっきり別のかけ離れた場所にあると思われている「生と死」、「日常と非日常」、「戦争と平和」、「正気と狂気」、「勝ちと負け」このふたつが実はほんの一本の線引きで隣り合い、誰もそのどちらに踏み入っているかさえ気がつかないものである、との説明があった。

テレンス・マリックというと、どうしても自然光だけで映画を撮るとか、審美的なスタティック(静的)な脚本・ストーリーばかりが持ち上げられ評価されている映画監督ではあるが、自分に求められているものをよく知っているなという意味で一流のエンタティナーともいえる。

この米兵達に醜く悪態をつく日本兵役演じたのは光石研。丁度このころテレビドラマ「ケイゾク」や青山真治の映画「ユリイカ」の撮影などでで八面六臂の忙しさだったはずだ。そのせいなのかかなりやせこけた印象があるが、それが鬼気迫る立ち姿となり、ショーン・ペン、ジョン・トラボルタ、リチャード・ギアなど名のあるハリウッドの俳優達をも圧倒した。それだけでも見る価値はある。
(★★★★ 800円)











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Last updated  2006年01月26日 01時07分54秒
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