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テーマ:トリノ オリンピック(361)
カテゴリ:スポーツ
トリノ・オリンピック、日本選手の結果が良くないようです。これを「予想通り」とみるのか「意外」と見るのかは意見のわかれるところのようですが、ひとつ感じている疑問のようなものを述べさせてもらいます。
日本のマスコミは果たして本当に女子モーグルの上村やSBハーフの成田がメダルを取れると予想していたのかどうかです。 「その国のスポーツの強さ、先進度といったものは、その国のマスコミを見ればよくわかる」と言ったのはフローラン・ダバディ氏ですが、私もそれには深く同意です。 日本のスポーツマスコミに慣れた我々の目からすればなんでもないことでも外国人の目からすれば奇異に映るのが「スポーツ新聞」と呼ばれている新聞です。 4年前の6月、私はドイツ人の観光客に「スポーツの記事はほんの少し、大半を芸能やポルノ記事で埋め尽くされた新聞のことを何故日本ではスポーツ新聞と呼ぶのだね?」と質問を受けたことがあります。答えに詰りましたね。 実際ヨーロッパの一般的なスポーツ新聞を見れば一目瞭然なのですが、日本のスポーツ新聞の倍以上の厚みがあって隅から隅まですべてが正真正銘のスポーツの記事で埋め尽くされています。それこそマイナーなスポーツのことまで丹念に細かく取り上げてあってスポーツマスコミの歴史と文化の差を歴然と感じさせます。 ですから、日本なら4年に一度のオリンピックでしか陽の目をみないようなマイナーなスポーツに関してもその取材量は天と地ほどの差があるわけです。 その海外の(特にヨーロッパの)マスコミが今回の日本選手の活躍をどう予想していたかと言えば、(悲しいことに)今のところ実際大体合っているわけです。自分の感じでもたぶんこのまま大方彼らの予想通りにゆくと思われます。 たとえばSBハーフの国母和宏や成田童夢を優勝候補と挙げていた外国のマスコミはほとんどありませんでした。上村愛子も入賞候補ではありましたが決してメダル候補ではなかったと記憶しています。おそらく日本(のマスコミ)だけでしょう。 ここにひとつ嫌な傾向を見ることが出来ます。たとえば成田童夢の場合、日本のマスコミがメダル候補としていた根拠は「1080(テン・エイティ)」と呼ばれる大技が決まれば高得点を得られるから、というものでした。また、上村愛子の場合は女子でただひとり、解禁になった3D(縦方向の回転を含む複合回転)「コーク・スクリュー」があるから、というものでした。 結果は見てのとおりです。日本のマスコミがこぞって持ち上げた「大技、必殺技」なんて薄弱極まりない希望的予測はあっさりと打ち砕かれてしまいました。 日本のスポーツマスコミは昔からこういう必殺技とかが大好きなようです。というか技の名前が好きなんでしょうね。 早い話、ただ単に記事にするのが楽だからでしょう。「〇〇〇〇炸裂!!」とつければ見出しのひとつやふたつすぐ出来そうです。〇〇〇〇の中身は「1080」でも「コーク・スクリュー」とかなんでも良い訳ですから。 同じ事が女子フィギアの安藤美姫にも言えるでしょう。普通に考えれば、国内で3番目に選ばれた安藤にメダルを望むのは残酷な話です。それでも日本のマスコミが安藤をメダル候補として挙げている根拠は「骨折が完治すれば」と「4回転ジャンプが決まれば」のふたつです。たとえこのふたつがかなったとしても現在のフィギアの採点方法だとさほど得点はあがらないということは素人の自分でも知ってるんですがね。というかこういう的はずれな期待くらい選手にとって迷惑なものはないはずなんですが。 日本人が日本人選手の活躍を願って期待するのは当たり前の話ですが、メダルを取ることまで期待するのはどうかと思います、もしその根拠がスポーツ新聞とかテレビのワイドショーでメダルが期待できると言っていたから、というものであるならば。 必殺技のひとつやふたつでメダルがとれるほど今日の世界のスポーツ界は甘くはない。ウルトラマンのスペシウム光線じゃないんだから。(ああ、年がバレる・・・) 参考記事 専門家の意見、でも最後にはやっぱり四回転ジャンプを期待するのは何故なんだろう?記者に言わされたのかなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年02月13日 17時14分24秒
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