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カテゴリ:映画・ビデオ・DVD
しばらく見ないでいるうちに番組のタイトルがかわってしまっていた。 久しぶりにこの番組を見た。 以前から確かに何かに似ているなと思ったが、よく考えると(考えなくても判りそうなもんだが)ビートたけしの「TVタックル」や「朝まで生テレビ」そっくりなのだ。 もっというと、ひと昔前(十七・八年前 番組開始直後)の「朝生」そっくりなのだな。 そういえば以前テレビ評論家のA氏がこの番組を評して「古い価値観同士のぶつかりあいだけで進行していて全然つまらない」とか書いていたが。 そして「太田総理」の提案するマニフェスト(この言葉も食傷気味だが)も昔の日本社会党の言っていたことそのままのような気がしてならない。 以前「憲法九条の日を作って国民の祝日にしよう」とか言っていたし。 今日の番組で太田総理が提出した法案は「北朝鮮だけでなく世界中の核兵器を日本が金で買い取る」というもの。 こうすれば世界中の皆が核兵器に怯えることのない平和な世界がやって来る。日本は日本なりの手段で世界平和に貢献するべき。日本は(軍事力も発言権もたいしたことのない)単なる金をもっているだけの国なんだからそれ(経済力)をフルに使って世界平和を目指したほうがいいというアイロニーである。 それこそ、風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな途中抜け穴だらけの三段論法で、それを必死な顔で対立する反対派に向かって説きまくる太田の姿は笑えた。化けの皮がはがれてきて必死に取り繕う勉強不足の詐欺師みたいなのだ。 怪しげな商品を持ってきたセールスマンに向かってその商品の欠点を指摘すると、そういうセールスマンはだいたいああやってムキになって反論してきます。「そう言いきれるのか!」とか「そんなのわかんないじゃん、やってみなければ!」とか言って来るところなんか昔自分のところにきた「節電器」のセールスマンそっくり。 見終わった後、「その昔の日本社会党は同じようなことを言ったりしてたんだよな~」と変な感慨に浸ってしまった。 「飢えた北朝鮮の人たちにカップラーメンを送ろう。こうすれば途中搾取されないで安全確実に北朝鮮の人々に食料が届きます。」なんてことを言ったら今ではそれこそお笑いの世界だが、実はこれは当時の日本社会党が本当にやったことだったりするのだ。 別に笑いを取るためにやっていたわけではない。彼らは真剣だったのだ。真剣に考えた末に出て来た結論が「カップヌードル」だったのが笑えるとこだが。 中には「太田総理」のメッセージを真剣なものとして捉えている視聴者がいるのかもしれないが、この番組で爆笑太田はお笑いのネタとしてやっているだけだ。彼等が長年やっている深夜ラジオを聞いた人ならばわかると思うが。 太田はいわゆる左翼の人ではない。「左翼」の中にあるお笑い的な部分がおもしろくてしかたがないだけなんだろうと思う。調度チャップリンが映画で「独裁者」を演じたのと対偶の関係にあるようなものだ。 日本社会党そのものが発展解消し「社民党」みたいななんだかよく判らない政党になってしまった。長年支持母体だった労組に軒並み愛想をつかされて、残ったのがテレビに出て喋る文化人みたいな人たちだけになってしまった。 この番組を見ていると「社民党」そのものがもう要らないな、「太田総理」というバーチャルな存在にテレビで喋らせておけば充分!という気分になってくるからそら恐ろしい。 そこまで考えて爆笑太田が「太田総理」を演じているとしたならばものすごい極悪人だし、そんなこと考えないでただ単におもしろがっているのならある種の天才だろう。 最後、自分の法案が否決されたあと「最初から否決されると思ってました」というセリフを聞くと(その顔を見ると)ごく普通の人間っぽいんだが。 ※「これもまた人生の一日」投稿記事と重複 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年11月11日 04時23分26秒
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