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これもついでという感じだがやはり「重力ピエロ」ロケ地関連の話題
映画「重力ピエロ」でイズミ(加瀬亮)は、葛城(渡部篤郎)という男に会って、母(鈴木京香)を死に追いやった葛城に対する憎悪の感情を押し殺そうとしたが耐え切れずに橋の上で慟哭する。主人公イズミがついに計画に手を染める決意を固めるという非常に重要なシーンである。 加瀬亮もこのシーンには相当な入れ込みがあったのではないだろうか。実際この映画、見る側とすれば(映画の中では東北大大学院[註]に通う超エリートという設定の)この加瀬亮が演じるイズミを通してでなければ肩入れが出来ないところが大きい。難しい役どころではある。このシーンに対しては加瀬亮の役者としての力量と努力というものを自分は感じた。 はなしは変わる。10月の半ばを過ぎたころ、実家の冷凍ストッカーの整理をしていたところ、下のほうからステーキ用牛ロース肉の固まりが出てきた。 しかも一枚15オンス(ほとんど500グラム)とかなり大きなブロックのが4つも。 思い出したのは、この肉、今から4年以上も前に当時のハケン先のアルバイトの女子たちと一緒に買いだしに出かけたときに買ったものだったことだ。 仙台空港近くにある某倉庫会社で精密機械のオペレーションの不具合を検査するような仕事で4日ほどそこのOAルーム(といっても倉庫の一部をパーテーションで仕切っただけのところだが)に通っていたころだった。 昼休みの時間に積み出しや整理の仕事をしているアルバイトの女の子に「卸町のほうは詳しい?」と突然に聞かれた。 なんでも卸町近くに食料品類が滅茶苦茶安く買えるところがあるのでみんなで行きたいんだけど(あの界隈はあまり土地勘がないのでということか)付き合って欲しいとのこと。また「人数はひとりで多いほうがいい」とも言われたのだ。 それで帰りはそのまま彼女たちのひとりが運転するワンボックスカーに乗せられてその店に同行した。 まあ店といっていいのかどうか微妙な感じのところで、閉所した営業所のような事務所を仮店舗にしたようなそんな場所である。 しかしとにかく安かった記憶がある。ただし販売の最低単位がコンビーフの缶詰ならダンボール箱に30個入りで2000円とかそういうスケールなのだ。 そこで買ったのがこの冷凍ステーキ肉で、確か30ブロック単位のを5人で6枚づつ分けたのだったか。それでもひとり500円程度(つまり一枚85円以下)だった。一枚15オンスだから確実に450グラム以上もあるのがだよ。とにかくケタはずれの安さなんである。 ほかにもチョコレート・クッキー・キャンディのような菓子類とであるとか、インスタントコーヒーや小麦粉といったものを5人で大量に買い付けた。 一週間後ぐらいだったか、その中のひとりから提案を申し出られた。 その子の申し出とは、結局ステーキの肉が食べきれないので、チョコかパイナップルの缶詰かなにかと交換してくれないかというものだった。 それで次の休みの日に待ち合わせの場所である苦竹のインターチェンジ付近で待っていると、赤い小型乗用車に乗った彼女が現れた。そして自分を見ると目を丸くし驚いた様子で「えっ、チャリで来たの?」と言った。 そうなのだ。当時自分は苦竹のインターチェンジまでならば自転車で10分程度のところに住んでいたので、缶詰とチョコレートと保冷剤のパックを詰めたデイバッグを背負ってペダルを漕いできたのだ。 苦竹から少し離れたところで(どこかの駐車場だったかな?)物々交換を済ませると彼女は去っていった。 自分は冷凍肉と保冷剤のひんやりとした感触を背中に感じながら帰路についた。 途中歩道橋の上からとった写真がこの二枚。 「重力ピエロ」のそのシーンのロケがこの橋の上で行われている。 映画のシーンそのもののアングルである。 ちなみに、現在同じアングルで写真を撮ると最近新しく建てられたビルが写り込むらしい。[註2] 結局自分も食べ切れずにその冷凍ステーキ肉の大きな固まり(それでも6枚は食ったということだが)を実家に持ち込んではや3年以上がたってしまったということになる。 その間にこの「重力ピエロ」という映画が撮影されたということを考えると、ちと不思議な感慨がある。 たまたまだが、金曜の夜に誰も居ない実家でただひとりこのステーキ肉を焼いて食べながらテレビドラマ「SPEC」を見ていた。 頭を坊主にして瀬文という役を演じる加瀬亮を見たときにはなんか不思議な気分であった。 ちなみに肉のトレードをしたその子、矢沢心を少し丸顔にした感じの見た目はとてもキレイな子だった。自分が彼女に対して「親しくなりたい」とかこれといった強い感情を抱けなかったのは、おそらくはそれまで何度も彼女の発言に「ギョエー」という感じにさせられていたからだろう。 たとえば、向こうは気がつかなかったからなのだろうが、パーテーション一枚隔てた向こう側で彼女らのするおしゃべりの中に「あのジジィがさー」とか、どう考えても自分らを指しての悪口が彼女の声で耳に入ってきたりしてましてねぇ。 見た目がとてもキレイなだけに…というと問題があるかもしれないが「非常に残念な子」であった。 [註]指摘があった。映画では大学院生ではなくて「大学生」という設定であった。同じ研究室の仲間に岡田義徳がいた。「なんだこの見覚えのある組み合わせ」と思ったら岡田義徳は「SPEC」にも出てましたなぁ、そういえば。 [註2]こんなブログがあることを教えていただいた。映画「重力ピエロ」ロケ地探訪「あをべにブログ」さん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年11月15日 13時57分18秒
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