夜の八時すぎだったが、年明けのスケジュールの確認とかあって結局事務所に戻り、そのまま仙石線で帰ろうという算段だったので「そのあたりで夕飯でも」というと、半ば強引に連れて行かれたのがＢｉＶｉの中にある「めん家竹治郎」。

自分は東口のＢｉＶｉは頻繁に利用しているほうだし、同じフロアの半田屋と丸亀うどんはもうレギュラーである。

ともに週に一度はたべているだろう。しかし「らぁめん花月嵐」とここ「竹治郎」は実は一度も入ったことがないのだ。（あとで述べるが理由がある→下に追加あり）

「聞いたことのない店の名前だ」と思われるかもしれない。自分も昨夏ここが開店したときにはたしかそんな感じだった。

夜も更け、冷えが本格的だったので「温つけ麺」と、そしてカウンターで先客が食べていたシャーシューが実に美味しそうだったので釣られるように追加で注文。

店内は（おんのじと比べるとということだが）どちらかというと照明も控えめだし店員の声も煩くはない。そういう意味で向こうが若年層向けならば、こちらは少し上の年齢層向けという言い方も出来るかもしれない。また注文が食券による前払いでなくて「後払い方式」なのも自分には助かる。

で、出された「温つけ麺」だがこれがこちらが期待した以上の味だった。

この店では今やつけ麺スープの王道ともいえる「豚＋節」を基本に醤油と塩のふたつの醤がある。「温つけ麺」はその中間ぐらいの色と味といえばわかりやすいか。

同行の男はこの店に初めてきたときは深く考えずにつけ麺の塩にしたというのだが、もし自分がその塩の方を（ファーストコンタクトとして）選んでいたら「正解」だったかどうかはわからない。

そこいらのラーメン屋で出されるつけ麺の「塩味」に比べるとコクというか、味わいが深いというからだ。（色も濁り気味ですが）

これでは普通に「塩味のつけ麺」を期待した一見さんだと不安になるかもしれない（もし自分がひとりだったらそう感じたはずだ）

自分の頼んだ温つけ麺だが、普通「温かいつけ麺」となると、どうしても同じ条件よりも味が濃く感じるものだが、ここの温つけ麺はそんなこともなく、ほどよい加減。これも不思議。

もしかして「温」ははじめから味を薄めにしているとかそういうことなのかもしれないが。

不思議というのならばもっと不思議なのが、店内に（メニューにはない）ジンギスカン料理の「幟（のぼり）」があって、どうやら前に入っていたテナントのものをそのまま目隠しとして流用しているようなのだ。そんなこと普通やるか？

急いで三口目くらい掻きこんだだけでじんわりと汗ばんでくるのがわかった。とにかくものすごい熱量だ。

セーターを脱ごうかとも思ったのだが、カウンター隣りの先客に対して失礼かと遠慮していたのだが、その隣の客が席を離れたときにセーターを脱ぐ。久しぶりのラーメン（しかもつけ麺だ）を食べて背中に汗が滲んでくる感覚があった。

なんとなくだが「俺、騙されていないか？」みたいな感じもある。が旨いものはやっぱり旨い。

んー、処々の条件はさっ引かなければならんだろうが、この日の自分の判定では「竹治郎」の勝ち。

ポイントはとにかく出されたものをそのまま美味しく頂いたこと。この一点に尽きる。

店を出たあとで同行の人間に聞いて初めて知ったこと。

この「めん家竹治郎」は「らーめん山頭火」の姉妹店なのだという。
それだけではない。前に入ってたテナントのジンギスカン料理店もまたやはり「山頭火」の姉妹店なんだと。なるほどね。それでなんとなくすべてが納得がいった。

というか「山頭火」の系列だったらもっと採点は厳しくしないといけないのかもしれない。

片や「熊本系列（おんのじ）」もう一方が「旭川（山頭火）」このつけ麺対決を制した決定的な要因はというもの、それはもしかすると「冬の寒さ」という気象条件だったのかもしれないが。

つづく

【註】BiVi東口ビルも最近はテナントの入れ替わりが激しい。ついこのあいだまであった入り口正面「キープの杜」（アイスクリーム・ヨーグルト）もSUBWAYになった。

【追加】
メニュー名だが正確には「温釜つけ麺（おんかまつけめん）」が正しいとのこと。
また、「丸亀うどん」と書いてしまったがチェーン名としてはもちろん「丸亀製麺」が正しい。
【追加２】
今までBiVi（一階）では半田屋と丸亀製麺にしかはいったことがないその理由であるが、ここで昼とか夕の食を取るのは、仙石線の時刻表とにらめっこ状態だからで、オーダーしてからどれだけ待たされるのかが読めないところはどうしても敬遠してしまうことになる。で、セルフ方式の半田屋と丸亀製麺しか残らないと、そういうこと。
（新記事まで開きすぎたのでここで書いた）

めん家竹治郎の塩つけ麺についてはこちらのブログ記事を（写真つき）
仙台「めん家　竹治郎」のつけ麺／コストと手間のかかった本筋の味
杜のオフミさんの楽天ブログ記事