国境なき　うずら団

　山吹色のお菓子を購入してからというもの、自分の中の悪代官が芽生えて来たようです。
　今日はわがやのかわいいうずこと悪代官ごっこで遊びました。



　いつものようにうずらちゃん達の側で新聞を読んでいると長男クレアが「出して」と巣箱の餌入れの上に乗ってアピールします。ちょっと待ってね、ここ最近の参院選を睨んだ自民民主のマニフェストの記事が面白いから。

　農業政策だけチェックさせてもらうとどちらもアレです。自民の「ふるさと納税」は結局地方交付税で、民主の挙げる「戸別所得保障」は今日本がアメリカに対して農業補助金を減らせと主張している事と矛盾しないんでしょうか。地方の農業・経済活動を活性化させるためにはむしろ農業の企業化を奨励して農地の集約を勧めた方がいい気がします。少なくとも農業構造問題と離農について見聞する限りでは。

　そんな風に眉間に皺を寄せて考え込んでいると、とうとうクレアは巣箱の縁を突き始めました。
　注意を引いているのです。

　辛抱堪らんのだな？

　それでは、と外に出してあげると、びゅーんと専用の遊びエリアの隅に座り込んでしまいました。じーっとこちらを上目遣いで見つめます。気が立っているのでしょう。しばらく刺激しないようにしようと、再び紙面に注意をもどしました。

　すると今度は走ってきて新聞の下をガサガサ音を立てて走り抜けたり、ズボンの裾を引っ張り始めました。ではと、右手に乗せてみたり撫ぜたりするとぶっぶぶーと少し離れたところで立ち止まってしまいます。理由も分からないので、残りの新聞を読み始めたらとうとう「もう、捲らせない！」と新聞の上に乗ってあちこち突いたり足で引っかき始めてしまいました。

　WTO交渉を巡る農業の社説がーーー！　がーーー！
　食料主権の相互承認とFTAの社説は？　あったあった。


　一通り騒いで落ち着くと、ここに来てようやく気が回りました。

　そうです。
　クレアは遊んで欲しかったのです。


　そうとなれば、腰をすえてじっくり遊ぼうじゃないか。

　今日のテーマは悪代官だ。気分が悪代官って感じだからそれできまりだよ？　この間の山吹色のお菓子の小判セットと千両箱はまだあります。お女中にいかがわしいことをする続きの間の布団には使わなくなったクッションとタオルケットをあしらい舞台は準備完了です。

　クレアをスカーフにくるんと包み込んむと回転する帯のように取り出します。すばやくふすまを開け、即席の床を見せ付けてあげると、驚いてこちらを見返します。いい反応です。見せるだけでまたふすまを閉じると、今度は小判に小松菜を乗せて食べさせました。するとフフフフフフフフと喉の奥で鳴いて企みごとに夢中の代官のように喜びます。最後に掌に乗せて抱っすると、十分楽しんだのか目を瞑って眠り込みました。

　クレアは時代劇のノリが分かる可愛い奴です。

　今日はベタなシチュエーション過ぎたので、その内シリアスに仕切り人ごっこか遠山の金さんごっこをしようと約束しました。次が楽しみだ、な？　クレア。



　↓奥の布団をみて驚愕するクレア