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2007年05月24日
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カテゴリ:四角いものから
 ペット用のミニチュアアヒルなら、池などがなくても飼うことができるからいつかは飼いたいと思っています。そんな訳で今日は本屋に寄ってアヒルの本を買いました。

みにくいあひるのこ」です。

 大人になって読み返してみると、これは壁に本を叩きつけたくなるような話ですね。子供の頃は無邪気に胸のすくようなサクセスストーリーと信じられましたけど、今読むととてもとても。大体、醜い鳥自体、いるはずがないじゃないから間違っています。ハシビロコウやフクロウだってあれはあれで愛嬌があって可愛いものなんですからね。


 ところで、この話の一番いやなところは、鶏やウズラなどのキジ目がイジメの一段として描かれている事なのです。みにくいあひるのこは、同じ屋根の下に暮すアヒルをはじめとする家禽に嫌がらせをされてお母さんアヒルの元を離れる事になります。

 アヒルは家から出るとすっかりダークサイドに落ちてしまいます。通りでアヒルと同じカモ目と出くわせば笑われると思います。猟犬が命まで奪おうとしなかったからと、嫌われているんだと脳内変換していきり立ちます。人間のおばあさんがかいがいしく世話をしてくれても、自分は卵も生めない駄目なやつなんですと逃げ出します。同じ人間でも行き倒れのところを助けたお百姓さんは酷い一家だったので、マイナス思考のみにくいあひるのこの考えに拍車を掛けてしまいました。

 最後には、憧れだった白鳥に受け入れられることでようやく自信を取り戻すのです。
 それだけが救いのお話です。

 冷静に考えれば、みにくいあひるのこはおそらく人間が白鳥の卵を飼育していたアヒルに忍ばせたことから始まった物語ですが、事情を知らないアヒルのお母さんは今でも里でいなくなった子供を待っているのでしょうか。


 世の中は悪い事からだけ見ていては半分しか見えません。善いも悪いも全てを内包するのが世界だからです。みにくいあひるが将来そのことに気がついてくれればいいのに、と思いました。


 でも、このお話は多分、白鳥の子をアヒルの卵に混ぜた人間が思いついたような気もしています。いなくなった白鳥の子を思って想像して描いているのかもしれません。それならば、その人の肩を叩いて「うん、きっと白鳥は群れに戻って仲良くやっているよ」と、作者に声を掛けてあげよう。





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最終更新日  2007年05月24日 12時28分18秒
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