国境なき　うずら団

　ローエングリンを聞いています。


　このところタルトがスカーフを引っ張って遊ぶのが大好きだからです。ローエングリンを導く白鳥のようにスカーフの端を嘴で掴んで私を部屋中を連れ回してくれます。さっきまでみんなの巣箱の周りをぐるぐる案内してくれました。

　引っかかって取り出せないスカーフにタルトが悪戦苦闘しているので、持ち上げて手伝ってあげたのがそういえばはじまりでしたっけ。でもタルトは男の子並みに体が小さいのに頑張っているんですからね。

　それで急に軽くなったスカーフに大喜びたのかそのままあちこち走り回ってしまったという訳です。終いにはスカーフの端を嘴で引っ張ったまま、ジャンプしたり飛んだりと大いにノリノリです。私はタルトのじゃまにならないようスカーフを操るのに大忙しでした。

　と。

　タルトの他に淡い茶の嘴が脇から掻っ攫って来ました。



　マロンです。
　お母さんのマロンが立て付けの悪い巣箱の戸を開けて出てきたのでした。その後は、ええ、タルトは瞼に力を入れて固まってしまうしでちょっとした波乱がありました。

　それで今は葛饅頭を食し、ジャスミン茶をすすりながら、ワーグナーをかけ流してちょっと気を落ち着けているという訳です。




　ド、ドドド動揺したぞ！！　まーろーんんんんんーーーー！


　↓スカーフで遊ぶたると