国境なき　うずら団

　定期的に、スイーツとか難事件とかラーメン特集とか健康不安を煽るような素材と同列に地震の特集があるわけだ。それがただただ怖いねと煽るだけで被災時の対策とか具体に下りていないものや、そもそも報道の不自然な誘導のあるものに疑問を覚えている。主な購買層であるF1層（20～34歳の女性）に最適化した民放に多い。コメンテーターはタレントで、視聴者の代わりにリアクションをしてくれるあの手の。


　例えば、ここ関東では東海よりむしろ関東地震が取り上げられる。
　しかし信頼性も高い内閣府の中央防災会議などを閲覧すれば分かるように、関東では向こう100年は関東大震災クラスの巨大地震は起こりにくいとみている。反対に東海地震の方が懸念されている。

　また被災し倒壊した家屋や建物をみて日本の建築は被災に耐える技術があるといいながらあてにならないという方向に誘導している。建築基準法の新基準以前のものも、それ以降でも監理施工をきちんとしていなかったものと、新基準できっちり作ったものとを全部一からげにして「日本の建築は」と訳知り顔でコメントしている。この程度の事はきちんと調べ上げて耐震をしっかりしましょうとアピールするならまだしも、不信を煽って落とすのが頂けない。情報の非対称を解消することをメディアは放棄しているからね。


　ターゲット視聴者層の利益の最大化にと単なる時間潰しの話題に加工している現状としては、弾き出された層は文句を言えた筋じゃないんだろうな。事実よりは共感を伝える事に重きを置くために仕方の無いことなんだろうが。