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カテゴリ:カバードワラント他
江部 康二
・糖尿病のための「糖質オフ」ごちそうごはん 糖尿病の食事療法について日本の研究に触れているのが大変に興味深かった。 九州大学の久山町研究のことである。 P.135より引用 「1998年の検診で、男性の15%、女性の9.9%が糖尿病とわかり、運動療法と食事療法を徹底的に指導しました。この食事療法とは、日本糖尿病学会推奨の高糖質カロリー制限食(エネルギーの約6割を糖質から摂取するというもの)です」 「その結果、4年後の2002年の調査で、男性の23.6%、女性の13.4%が糖尿病になってしまいました。予備軍も併せると男性の59.9%、女性の41.3%に激増していました」 成程、たった4年で。 先日セカンドオピニオンの糖質制限を取り入れている糖尿病のクリニックに話を聞いたところ、現場の多くの糖尿病治療従事者の認識が変わり「糖質制限」を受け入れるのには「あと10年」は掛るだろうとのことでした。 厚生労働省がメタボリックシンドローム検診義務化を始めたのが2008年。 ここから、これまで該当者のみが訪れていた糖尿外来が義務化に伴い確実にやって来るようになったのです。そして診察の現場では半ば圧力的な低カロリーという名の高糖質が食事制限として出されることがまだまだ一般的です。すでに薬の投与がされているわけでも、腎臓の疾患がない人でもまず「糖質制限」を口に出すことすら許されません。 こうした食事制限は家族ぐるみで始める家庭も多いでしょうから確実に高糖質食は広まります。これから期待される患者の裾野も広がるわけです。 患者が増えるというのは需要が増える、ということです。 つまりここには優良な「糖尿病市場が育成される」というわけです。 将来的には10人に1人になるという懸念は軽くクリアするでしょうし、花粉症以上の通年ヒットする国民病となることは予想できます。 つまりは糖尿病は儲かるわけです。 ここまで考えると気分が悪くなりますが、現状は「久山町研究」が日本全国に広がるとしか思えない状況です。著書には少しずつ「糖質制限」も手法として認められつつあるということですが、それが本当にこの東京の地域の拠点病院ですら認められるようになるのはいつの日のことなんでしょうか。待合室の日本糖尿病学会のリーフレットや、患者さんを見る度に絶望的な気持ちになるのです。 併せて以下購入。 ・糖質制限食春のレシピ ・糖質制限食夏のレシピ ・糖質制限食秋のレシピ ・糖質制限食冬のレシピ 食品成分データベースで調べる手間も省けて楽になります。 追記 今は一部の人間の必要であるが、もしも10年後に爆発的に糖尿人口を増やしてから「糖質制限」を公認するということは、農業にもインパクトのあることだなと気がついた。ジャガイモやカボチャ、トウモロコシ、干し柿といった糖質の多い食品を作る農家及び関連加工業者もその時になって需要が激減する、と。つまりは薄利多売のビジネスモデルの変更も余儀なくされると。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年01月19日 18時13分52秒
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