国境なき　うずら団

　「家人」に聞いたところ、シフォン＠うずらは冷蔵庫の開閉が聞こえると扉の近くに佇んでいるらしい。

　少ない湯で粉餌を溶き黄色い練り餌を作る。
　その時に使う電子レンジの音で、タルト＠うずらは喜ぶ。

　同じ様にシフォンもまた冷蔵庫が開くと大好きな緑の葉っぱを出してもらえると心待ちにしているらしい。一目散に扉に向かって走っていくのだそうだ。それでじっと待っている。

　そういえば、かつて戸建てを所有していた時、うずこのみんなは台所と向かい合わせの居間に暮らしていたのだ。音と作業は一致して覚えたに違いない。

　成程！
　だから好物に通じる音に敏感なんだね。

　シフォン、君をちょっと巣箱の外に出すと葉っぱの催促をするじゃないか。だから大急ぎで台所にすっ飛んで小松菜やサラダ菜を調達して来るわけだけど、君がそんな風に過ごしていたなんて知らなかったよ。

　戸口にいたのはただ「足音に気がついて」やって来た訳ではなかったんだね。
　もうずっと前から待っていたんだ、あんな寒いところに。