PCR検査
長崎に到着した翌日の11日は旅の疲れを取ろうとのんびりの予定でした。それが午前11時ごろの電話で一転・・・。長崎市保険所からの電話でした。アメリカ・カナダ・メキシコからの帰国者全員に帰国してから10日間程毎日健康状態をチェックする電話がかかってくるのです。この日がはじめて電話があった日でした。実は東京を発つ頃からさくらの元気がなく、のどが痛いと言い出したのです。咳もちょっとあって、元気がない。長崎に着いた夜から熱を出してしまいました。そして、ももちゃんも熱が・・・。普段、さくらは熱を出すなんてほとんどないのに、すごいタイミング悪い! 二人とも(そのとき)38度台だったけどそれで保険所から連絡をもらったときにもちろん正直に話すと、熱がちょっと高いので指定の発熱外来に行くように言われました。もちろんインフルエンザのテストのため。家の実家は車がないんですが、そのことを伝えると、タクシーに乗るわけにはいかないからということでなんと救急車を出動してもらいました^^;。救急車に乗るなんて生まれて初めてです。田舎なので近所の人たちの目を気にしてサイレンは消してもらいました。家族4人、救急車に乗り込んだんですが、もちろん長崎で初めてのケース。おかしいのはもう私と相方、ずっと子供たちと一緒に居るのに、今更「マスクをしてください」と言われてマスクをさせられたこと。もう遅いって・・・。私たちが到着した発熱外来はいかにももう今は使われていない診療室。ちゃんと今も経営されてる病院内ではあるんですけど。そこにマスクをした看護婦や医者が待ち構えていて早速診断。驚いたのは保険所の方を含め、皆さんとっても優しくて「せっかく里帰りで帰って来たのにこんなところに連れてこられてかわいそうに・・・」という感じだったこと。先生が早速二人を診断。そこでの検温はさくらは37度台で、ももちゃんは丁度38度。二人とも全然元気でどこでも「熱があるのに元気だね~」と驚かれました。疲れが絶対大きいんです。さくらは一晩ですごく元気になりました。二人とも噂に聞いてた細長い綿棒を鼻にぐっと差し込まれてA型インフルエンザの簡易検査。結果は二人とも陰性、だけどももちゃんはちょっとだけ陽性反応。しかし、元気だし、風邪の症状はあってもインフルに見られる悪寒やら嘔吐・下痢などもなし。しかも元気はつらつ。先生も早く私たちを帰してあげたいって思ってくださってたようで「帰って良いですよ~」と言うので、さぁ帰ろう、としたところで「ちょっと待ってください」と、看護婦さんの声・・・。どうやら保険所の方から陰性でも念のためPCR検査(DNA検査)が必要だというのです。熱が38度以上だと、100%新型インフルエンザではないと言い切れないので念には念を、で検査が必要だとのお達しが出たのでした・・・。運悪く、ももちゃんの体温が引っかかったわけです。PCR検査は結果が出るまで6時間、搬送時間を含めて7,8時間かかると言われました。もちろん、結果が出るまで隔離です。帰れる!と思ったのに、がっかり・・・。しかも相方は怒ってました^^;。まぁ事前にもしもの場合は・・・と聞いていたので一応隔離されたときのためにこどもの着替えやらオムツやらスナックやら、とりあえず持ってたんでよかったんだけど。PCR検査はまた同じような綿棒を今度はのどに入れてました。その後しばらく待たされて部屋が用意できたとのことでそちらへ移動。この時点で午後3時頃、10時ごろには帰れるのかな?と思ってました。隔離の間は入院扱いということで、病棟でお部屋を用意するとの事。せめて部屋は綺麗だといいなー・・・しか頭にありませんでした。だって、陰性であることは自信ありましたから。ただ、彼らが納得するために検査に付き合わないといけません。やっと部屋が出来たと通されたところは下の診療室とは全く違うちゃんとしたお部屋でした。希望を聞いてくださり、一部屋にベッドを2台くっつけていただきました。テレビも見て良いよーと言われたんだけど、見てみると「30時間1,000円」・・・。指摘するとお金無しで見れるように手配してくださいました。夕食も病院食が出るとの事。だけど、「あのー、飲み物は・・・?」「そうよね! 飲み物が要るわよね。何がいい?」との質問に、相方は「ビール」(←本気でした)。無言の看護婦さんたち。おーい、そりゃ無理だろ。でも、さくらの「オレンジジュース!」との言葉に、「オレンジジュースね。他には??」・・・どうやら好きな飲み物がもらえるらしい? 結局大きいボトルの水、お茶、そしてオレンジジュース(普通サイズ)を3本、紙コップを大量に持ってきてくれました。しかもコンビニで買ったらしい。 オムツは足りてるか、と聞かれて「お尻拭きが足りないかも・・・」と言うとそれも買ってきてくださいましたー。割と待遇は良かったです。でももちろん隔離。通路には出ていいし、トイレもそこにあるけどトイレの先に赤いテープが貼ってあって、そのラインを超さないように、と言われました。ベッドがあるのとないのとは随分違う! とりあえずテレビ見たりスナック食べたり昼寝したりしながらひたすら検査結果を待ちました。結局検査結果が出たのは夜11時。保険所の方が3人も見えて、「陰性だったよ!」と報告に来ました。子供たちはすっかり寝てたけど、泊まる用意はなかったし、帰宅しましたよ。そんなわけで丸一日検査につぶれてしまったのでした。でも良い方に考えると、新型インフルエンザ陰性ということがはっきり分かったので正々堂々としていられるようになったかな。でも、陰性だったにも関わらず、それから毎日電話がかかってきます。朝晩2回皆検温をして、夕方かかってくる電話で報告です。もう調べたんだからいいんじゃないのー!?って思うけど。とりあえず娘たちは快方に向かっています。検査結果は陰性だったので入院費用も発生せず。治療費は最初負担と言われたけど、納得できないと言うとそれも払ってもらえることになりましたー。私と相方の病院での夕食だけ負担になるらしいです。まぁそれは分かるかな。やれやれ。覚悟はしてたけど、疲れた~。でも成田で周りに熱のある人が居て10日間隔離とか、はたまた成田までの機内で熱を出して周りの人に迷惑をかけることにならずに本当に良かったな~と思ってます。不幸中の幸い? これから日本へ来られる方、本当に何があるか分かりませんので覚悟の上、お越しくださいね!