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カテゴリ:冒険少年の憂鬱
アクセル全開で、ウィリー寸前状態で発車!
「誰か!助けてくれ~!」 叫びながら走り続けた。 あの時、プールの色っぽいお姉さんの見ていなかったら。 あの時、チャント地図を見ていたら、二つ目の信号を無視しても左右どちらかに曲がって逃げおおせたかもしれない。 あの時、サザンの曲さえ流れていなかったら・・・ あの時、あの食堂に入っていなかったら・・・ そんなことを考えながら走った。頭の中は時をさかのぼるタイムマシーンになっていた。しかし、いくら時をさかのぼっても、今の状況は変わらないわけだ。そう思った瞬間、今度は未来への旅が始まった。 この後、追いつかれてぼこぼこにされる。 この後、命からがら逃げ出して、バイクに乗ったまま川にはまって、しばらくは潜って逃げる。 この後。誰もいない岸辺にたどり着き、民家を目指して匍匐前進している。 どうなるかわからないことでさえ、まるで過去のことを思い出しているように、次から次へとストーリー展開されていく。 そして、まるで終わりのない一本道を走っているような感覚に囚われたのでした。 人ってこう言うとき、結構バカみたいな事を考えるものですが、それは、ホントにバカバカしすぎて記憶にさえ残っていないのです。(>_<) そんなことを考えながらも、がんばって走っていたのですね。オームとの距離はかなり広がっていました。 しかし、前方には信号もないし、信号が無いと言うことは、交差点もないわけで、何処かでまくわけにもいかず、やっぱり地図を見ておけば良かったと後悔するばかりです。そうすれば打開策も講じれるモノを・・・・。 夜道はどれだけ走ったかとか、スピード感が掴めないために、なんだか現実感すら薄く感じていた。これは夢じゃないか、もうすぐ目が覚めるんじゃないかとさえ思えてくる。 どれぐらい走ったか定かでは無いが、遙か向こうに信号機が見えた。 「よしこれで、何とかまくことが出来るかも知れない」 そう思ったらドキドキしてきた。信号機はドンドン近づいてくる。 そ、その時、右側の方に別のオームの塊が目に入った。 後ろから追いかけてくるオームより数が多い! 「どうしたらいいんだ!」 こうなったら、こいつらに紛れるしかない。咄嗟にそう思った。 信号は青だったので、交差点を右に曲がり、バイク集団の方に向かっていった。普通に巨大なバイクの行列をやり過ごし、減速してUターンした。最初は後ろに付いたが、一番後ろは目立つと思い、交差点を通り過ぎる当たりで、グループの右側に入り、目立たなくなるような位置を確保した。 グループと同じように蛇行運転をしながら、無事に交差点を通り過ぎた。追いかけてきたバイク軍団は、その交差点の少し手前で、止まっているように見えた。 これで、何とか切り抜けることが出来たと安堵した。 きっとこっちのグループの方が暴走族としては、格が上だったのかもしれない。そして目立たないように脇道にそれ、バイクと停めてエンジンを切った。 悪夢のような、湘南ツーリングは、これで終わった。 それにしても、あの時の交番のお巡りさん。あれは完全に逃げたな。最近お巡りさんが弱腰だと、批判される事が多いが、ボクにとってはこの時からずっとそうだった。(^^ゞ(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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