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テーマ:心にのこる出来事(94)
カテゴリ:今日の日は贈り物
京都で毎晩のように飲み歩いていた頃の店で、今日25周年を迎える店がある。「ファルーカ」と言う名の飲み屋だ。名前から分かる人もいるかも知れないが、マスターがフラメンコ好きなので、この名前になった。
簡単にこの店の出来るまでの話を、お話ししたいと思う。 マスターの加藤さんは、もともとタクシーの運転手をしていたらしいが、この店を開店させる前に、河原町のファッションビル「BAL」の横の路地を入ったところにある「ガウチョ」という店で働いていた。そのずっと前にボクもそこでバイトしていた事がある。高校生のころから出入りしていて、卒業してからバイトさせてもらっていた。 「ガウチョ」は昼間が喫茶店で夜7時を過ぎるとスナックになる。東映の映画関係の人や大学の先生や大学生や色んな人が集っていた。この店で働いていた人たちが、後に店をだし、「ろくでなし」「あるまじろ」「ファルーカ」など同じようだが毛色の変わった店を生み出した元祖的な店だった。 「ろくでなし」の横ちゃんと言うマスターはその道ではかなり有名な人で、ネットで検索しても出てくる人だ。この店については、改めて書いてみたいと思っている。 その中でも、一番多く通ったのが「ファルーカ」だった。 フラメンコのダンサーやギタリストも良く集まってきていた。 個性的なメンバーが沢山集まる面白い店だった。 ボクもその頃付き合っていた女の子とよくこの店に通った。 その店に、今夜は飲みに行ってきた。25年もたつのに、店は殆ど変わっていない。客の顔ぶれも殆ど変わっていなかった。 と言うことは、店も客も老齢化が進んでいると言うことなのだが、次々と世代交代していく店々のなかで、続いていてくれるのが嬉しい。ただただ昔と同じように馬鹿話をして、酒を飲むだけなのだけれど、そのひと時は、ある種の存在感を感じることが出来るのだ。 そして次に「ガウチョ」にも寄ってみた。マスターは昔のままの姿でカウンターでひょうひょうと相槌をうち、ここも何も変わっていない。周りの店は殆ど入れ替わっているのだけれど、この店だけは、まるでタイムスリップしたかのように、そのままの姿でちゃんとそこに存在していた。 30年前に初めてこの店に行って、バイトもした。その店で30年の月日がどう流れたのか、それは分からないが、このままで行けば100歳までも生きられるんじゃないかと思えるほど、時の流れがゆっくりと感じられた夜だった。 当時はタクシーの運転手と知り合いになるぐらい通っていた。 今日乗ったタクシーの中で、運転手さんと当時の話をしていて、やっと時の流れを感じた不思議な夜だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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