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テーマ:心にのこる出来事(94)
カテゴリ:冒険少年の憂鬱
PAの仕事でかなりの量をこなしたものとして、ファッションショーがある。それは大手のブランドの仕事ではなく、大小様々なブティックや百貨店主催のファッションショーが殆どだった。
まずはショーのイメージ仕様書のようなものをもらい、そこに記入されている使用曲をチェックしレコードを用意する作業から始まる。ショーの雰囲気や使う曲の長さなどを打ち合わせし、こちらのプランも織りまぜて進行表を作るのだ。 そのためのレコード(曲)探しも重要な仕事だった。 大抵は輸入レコード店に物色にいくのだが、日頃から通っている強みで、ほとんど苦労することなく必要なレコードを見つけることが出来た。 テープ作りは、徹夜で作業することもしばしばだったが、ボクにとっては楽しい作業のひとつだった。 どの部分をどれだけの長さを使ってとか、使いやすいように頭出しのところにリーダーテープを噛ましていく作業だ。当時のテープはオープンリールタイプだったので、テープカッターで切ってはつぎはぎするのだ。この作業自体は楽しくないのだけれど、仕事仕事した作業もまた楽しく感じていた。 最初のうちは、ショーの本番が始まるとドキドキが止まらなかった。それはボクに限った事ではなく、誰でもそうだと思うのだが。モデルさんは当然身長も高く、容姿もスタイルも良いわけだ。そのモデルさんが目の前で着替えながら裸同然の恰好でうろうろしているのを想像してみて頂くと、すんなり理解できると思う。 ボクはまだ下っぱだったので、バックステージで曲のキューだしをするのが主な仕事だったのだ。インカムをつけてモデルさんがスタンバイできたら連絡を入れ、ステージに飛び出していくタイミングを曲だしをしているミキサーの人につたえる仕事だった。 当然バックステージは戦争のごとく、色んなものが飛び交い、想像を絶するほどの慌ただしさだった。 じろじろ見るわけにも行かず。かといって仕事上全然見ないと言うことも出来ないのだ。まぁ、役得といえば役得なのだけれど。 しかし、ドキドキしたのは最初の時だけだった。 と言うよりはむしろ、ドキドキしている暇はなかったと言った方が正しいと思う。ショーの進行は秒刻みのスケジュールで組まれていて、タイミングを合わせるだけでも神経を張りつめていなければならないからだ。 ファッションショーのBGMは単なるBGMではなく、ショーの大事な一要素として、その役割の担うところは大きい。当時から海外ブランドのショーで使われた曲がヒットチャートをにぎわすことも多かった。参考のために欠かさず見るようになった海外のファッションショーだが、見ているとそれなりに面白い。仕事とは別のレベルで楽しんで見ていた気がする。 新しいもん好きのボクの心を刺激してくれたのだ。いやいや、正直に言います、奇麗なお姉さんを見て喜んでいただけかも、、、。 (^^ゞ(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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