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January 11, 2006
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カテゴリ:冒険少年の憂鬱
再び神戸へと向かう。バイトの男の子と2人、僕たちは先行部隊だ。
商品の整理をして、2tトラックに積みやすくするのが仕事だ。
神戸の街に、何台もトラックを乗り入れるのは無理があったからだ。

焼けこげた匂いが染みついた長田の街を抜け、ボクたちは、殆ど言葉を交わさず板宿まで歩いた。現場に着いた。店の経営者は約束の時間を過ぎても現れなかった。しばらく店の外で待つことにした。

街は相変わらずホコリっぽく、息苦しい何かが漂っていた。
経営者がパジェロで到着し、説明を受け、段取りを決めた。
経営者の自宅に回避させてある商品を店に運び、店で作業をする事になった。

膨大な量の商品の箱と中身を照合して、パッケージに入れ、箱詰めしていくのだ。気が遠くなるような作業を始めた。次の日の朝までにある程度作業して、トラックが来たら積み込みを任せて、僕たちは先に帰るという段取りだった。

何日も暖房を入れていない店内は、冷え切っていた。
壊れかけた建物なので、割れた窓が板を張って対処してあっても、隙間風が入ってくるのだ。殆ど外にいるのと変わらない。

夜中まで作業をして、少し仮眠を取ることにしたが、そんな寒さでは眠ることもできない。しかたなく、暖かい飲み物でも買ってこようと外へ出た。初めての土地で、その上ココは被災地だ。自販機を探すのにも苦労した。大体自販機が動いているかも不安だった。

道は、崩れた建物で封鎖されている所が多く、壊れた家を越えて行かなければならない場所もあった。崩れないか気にしながら崩れた家を越えた。そこはみんなが通ったせいで道のようなっていた。

しばらく歩き回ってやっと見つけた。殆ど売り切れになっていたが、缶コーヒーが少しだけ残っていた。おそらく停電中は停止していた自動販売機が、停電が復旧した為、販売可能になった所だったんだと思う。温かい缶コーヒーがこれほどありがたいと思ったことはなかった。

ところが、いざ帰ろうとすると、帰る道が分からなくなった。
壊れた家を何軒か越えたり、角を何度もまがったりしたためだ。
記憶をたどりながら、ランドマーク代わりの傾いた電柱をさがして歩き回った。やっとの思いで店に戻ることができた。

2人で、暖かい缶コーヒーを両手で持って飲んだ。少し冷めていたけれど、それでも冷え切った身体にはありがたかった。
動いていないと、寒くて仕方なかった。壊れた街がその寒さをよりひどく感じさせていた。寒さを防ぐため必死に動いたおかげで、作業自体ははかどった。寒さのおかげで眠気もなく、黙々と働いた。

いや、違った。何だか寂しくなって、2人で歌を歌ったんだった。
しゃがんでする仕事が長く続き、カラダが冷えて腰が固まってきたので、2人で外に出て少し歩いた。以前来たときは、街灯も点いていなかったので、街が不気味だった。数はまだまだ少なかったけれど、街に街灯がともっている事の大事さを改めて感じながら歩いた。

電気はほぼ一週間で復旧していた。電気復旧の事は後に仕事で携わって知ったことだが、その時は、そんな大変な事だと感じていたワケでもなく、ただただ電気のありがたさを痛感していた。

夜明けと同時ぐらいに、第2部隊がトラックと車でで到着した。
みんなで積み込み用のダンボール箱をおろし、仕分けした商品の積み込みの段取りを説明し、朝食を取ることにした。
駅の方に歩いていくと、喫茶店と言うよりは、元はスナックだったと思われる店があった。
「めし」と手書きで書かれた看板があり、元気のいい奥さんが出迎えてくれた。

中にいる客たちもなんだか、朝から元気がいい。
ーそうだよな、頑張るしかないよね。
そう心のなかで呟いた。
「何か温かいのあります?」
「あるよあるよ、和食、洋食、どっちがいい?」
「和食!」
みんな、同時にそう答えた。

しばらく一緒に作業をしてから、残りの作業はみんなに任せて、僕たち2人は、帰ることになった。
おじさんの家が直ぐ近くなので、寄ってみようと思い、バイトくんに親戚の家に寄ってもイイかと確認をとって、おじさん宅に向かった。
長田の街を見下ろせるところを通ると、土まで焦げているかのような街並みが、痛々しく心に突き刺さった。

こんなに遠いと感じたことは、今までなかった。

つづく、、、

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Last updated  February 12, 2015 05:49:06 PM
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