カテゴリ:アレルギーに配慮した商品
No.1からの続き
<乳以外の成分> ここでは乳成分以外の原材料について書きたいと思います。お子さんによっては、低抗原化した乳成分にはまったく反応はしないのに、それ以外の成分に反応する可能性もあるからです。 ◇油脂類 耳切れや黄色い脂漏性湿疹が多い赤ちゃんは、豆類もしくは油脂類に反応している可能性が高いそうです。油脂類に反応している赤ちゃんの場合、ミルクに添加されている油脂類にまで症状を示す場合があります。例えば、ニューMA-1やミルフィーHPには、5種類の油脂類が入っていますが、それを2種類にまで減らした低脂肪MA-1が、油脂類に敏感な赤ちゃんの代用ミルクとなります。このミルクは特殊で、需要が少ないため、一般市場には流通しておりませんので、森永さんから各自で直接購入をすることになります。 ◇乳糖 これまでに市場に流通している治療用ミルクは、いずれも無乳糖でした。しかし、先月販売されたMA-miには、微量の乳糖が含まれています。そのため、乳糖不耐症児および乳糖そのものにより抗原性が増強される体質がまれにあるそうで、そういうお子さんの場合、このMA-miは利用できません。 特に、重篤(アナフィラキシー)体質のお子さんで、MA-1もしくはミルフィーHPを利用されている方は、自己判断で、安易にMA-miに変更をするのはやめて、主治医に必ず相談してからにして下さい。また、試す場合は、体調が良い日に、必ず1さじからはじめた方が良いと思います。さらに言うならば、牛乳・乳製品の除去解除のための段階的な負荷試験で用いるくらいの気持ちでいることをおすすめします。というのは、乳成分の微量混入により、アナフィラキシーを起こす体質のお子さんが、親の判断により、普段飲んでいるミルフィーからMA-miに変更したら、アナフィラキシーを起こされたからです。 ◇タピオカデンプン 最近、デンプン類で発症するお子さんが増えているそうです。ジャガイモやトウモロコシなどのデンプン類は症状が出やすいものとして有名ですが(お薬などの賦形剤によく使われています)、アレルギー代替食材の1つであるタピオカデンプンやサクサクデンプンにまで症状を示すお子さんもいるようです。低脂肪MA-1・ペプディエットには、そのタピオカデンプンが含まれていますが、やはり、このタピオカデンプンに反応するお子さんもいるようなので、そのお子さんの場合には、タピオカデンプンが使用されていないMA-miがおすすめになります。ちなみに、ミルフィーにはコーン由来のデンプンが入っています。ニューMA-1ミルクにもタピオカデンプンが使用されていましたが、風味や溶けにくさの改善などの理由から不使用になったそうです(2008.3追記) ◇大豆成分 大豆成分が問題になるのは、大豆アレルギーのある方です。ペプディエットには大豆レシチンが含まれるので利用ができませんし、予防用ミルク2種類も同様です。もちろん、乳成分をまったく使っていない大豆乳のボンラクトiは論外です。 ここで、大豆乳の話題になりますが、数年前までは、乳アレルギーがあるときの代替ミルクに、大豆乳がよく使われていました。しかし、ミルクは毎日多量に飲むものであるため(多いときは、1日1Lは飲みますよね?)、新たに大豆アレルギーに感作されるお子さんが多いこともわかってきました。私の知る限りでは、3ヶ月の連用で、血液検査の結果がクラス0もしくは1→3~4になるケースが多かったように思います。医師の指示で、このミルクに変更したにもかかわらず、新たに、少し強めの大豆アレルギーが発覚して、悔やまれて、自分を責める保護者の方もいました。大豆アレルギーは調味料まで変更を強いられるので、料理作りに嘆く方も多いのです。 そのためか、ここ2年以内に発刊された食物アレルギーの専門書には、大豆乳による大豆アレルギーの感作の危険性が明記されるようになりました。だから、大豆乳はどのアレルギー治療用ミルクがあわない時に試す最終手段か、例えば、何かの事情で、ごく短期間で使うのは良いのかもしれませんが、アレルギー体質が強いと考えられる場合には、できるだけ避けるようにと書かれていました。そして、大豆乳の最近の印象では、ミルクアレルギーの赤ちゃんに利用をすすめるよりは、普通のお子さんで、何らかの原因で、一時的に、乳糖不耐症による下痢になったときの代替ミルクとしての流れになってきていると思います。あとは、大豆アレルギーのない赤ちゃんの離乳食の食材として回転で用いるには良いのかもしれません。つまり、ミルクとしての考え方よりも、食材としての考え方です。 大豆乳の大豆アレルギーの感作の可能性を明記してある専門書の紹介♪ ◇食物アレルギーの手びき改訂第2版 ◇最新食物アレルギー ◇食物アレルギーの治療と管理 以上、大まかなことをまとめてみました! 上記7種類のミルクのうち、最もよく利用されているのが、MA-1・ミルフィーHPであり、今後、MA-miに、どの程度、市場が流れるかですが、将来的には、この3種類がよく用いられるようになると思います。例えば、軽度の症状もしくはアレルゲンを食べても、ほとんど症状が出ないのであれば、風味の良さとお腹へのやさしさを求めるので、ミルフィーHPやMA-miを用いるケースが増えてくると思います。 ただし、症状がはっきりと出ている場合、マルチアレルゲンもしくは重篤な症状が出る場合には、これまでどおり、ニューMA-1を基本として、体質によっては合わない場合もあるので、ミルフィーHPもしくはエレメンタルフォーミュラになるのかもしれません。その場合の牛乳・乳製品の除去解除としては、いきなりヨーグルトや牛乳を負荷するのではなく、まずは予防用ミルクまで段階的に解除をしていく、以下のケースが考えられると思います。 ◇ニューMA-1→ミルフィーHP→MA-mi→予防用ミルク(重篤な場合で、タンパクはもちろんのこと、乳糖も症状に関与するかもしれない場合) ◇ニューMA-1→ミルフィーHP→予防用ミルク(乳糖のことを考えて、少し慎重派) ◇ニューMA-1→MA-mi→予防用ミルク(乳糖が関与しないと思われる場合もしくは同じメーカーの製品で統一したい場合 最後に、くどいですが、重篤な症状が出る方の場合の注意点は、MA-mi→ニューMA-1への変更は、ある程度、気軽にできても、ニューMA-1→MA-miと変更する時は、体調などを考えて、1さじからはじめ、徐々に量を増やしていく、慎重派であって欲しいということです。もちろん、それには、必ず医師の判断を伺って欲しいと思います。 昨年、ミルフィーHPが新発売されたときには、従来から用いられてきた2種類の製品の製造・販売が中止となりましたので、今回もMA-miの新発売と同時に、ニューMA-1と低脂肪MA-1の販売がなくなるのでは?と噂されましたが、今のところ、そういう事実はないそうです。上記でも書きましたように、MA-miと低脂肪MA-1では、商品の製造目的が異なりますし、ニューMA-1とも分子量の違いなどがありますので、あくまで、ニューMA-1から予防用ミルクへの切り替えの途中段階のミルクだそうです。 ただ、上記でも書いたように、社会の風潮が、治療重視の考えで作られたミルクよりも、おいしいミルクで、かつ安心して飲めるミルクを求める声も高まっているので、その要望に応えた形での新商品だと思いますので、まだ発売から1ヵ月半なので、実情はわかりませんが、今後、徐々に需要が増えていくものだと思われます。 ここからは余談です。 MA-miの試供品が手に入ったら、ちびに試そうと思っていましたが、さすがに発売日当日には、数が少なく諦めました。それで、ミルフィーHPをもらったので、先月、早速試してみたのですが、ティースプーン1さじで玉砕しました。やはり、MA-miにしたかった… 考えられる理由は、タンパクの分解度でも、微量の乳糖でもなく、乳以外の原材料。ミルフィーHPに含まれるデンプンが、ワキシーコーンなのです。普通のコーンとは異なる品種らしいですが、トウモロコシの糯品種だそうです。 うちのちびは、雑穀のキビに最も強い反応が出て、ヒエや粟などでも反応自体は弱いですが、調味料レベルで反応します。キビとコーンは相同性が高いため、コーンも除去中です。約1年除去しているし、品種が異なってはいたので、少し期待をしたのですが、体質には合わず、口にした1時間後から下痢がはじまり、私のポンミスや風邪気味なども重なり、3週間ほどお腹の調子が悪かったです。本当はもう1度、再確認をしたいところですが、季節的にも怖くて、トライしたくない状態です。 もちろん、2歳をすぎているので、除去品目が多くても、これらのミルクを無理に飲ませる必要性はないと言われていますし、同じような除去をしている友人のお子さんも飲んでいません。もちろん、今は授乳中なので、なおさら必要ないのですが、断乳を考えた時に、いろいろと不安が横切ったのです。ご飯をしっかりと食べていれば、これらのミルクは無理に与える必要はないけれど、食材の1つとして使えると、レシピの幅が広がるということもメリットかなと思っていたのです。例えば、シチューやグラタン、ケーキやクッキー・パンの生地など… ということで、秋に予定していた断乳も、このミルフィーHPすら使えないということで、どん底に落とされたものの、這い上がってきたところで、もうすぐ11月に入ることから、このまま来春まで授乳続行かなという状況になりそうです。上の子(軽度のはず…)の時のように、スパッと決められないので、下の子には必要なのかもしれません。ちびも求めているし… ◇低脂肪MA-1以外のアレルギー対応ミルク♪ ◇アレルギー治療用ミルクのまとめ♪ ◇アレルギー予防用ミルクのまとめは♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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