テーマ:離乳食は順調ですか?(677)
カテゴリ:食物アレルギー情報
アレルギー・アトピー予防を考えた離乳食の進め方は、これまでに数回に分けて書いてきました。今回は離乳開始・新しい素材を与えるときのポイントを少し付け加えたいと思います♪
◇体調が親子で万全な日を選ぶこと 「○ヶ月になったから、すぐにはじめないといけない、この日でないといけない」という固定観念を捨てることが重要です。開始の日の体調が万全であることは言うまでもありません。痒みなどの症状が普段よりひどくないこと、下痢をしていないこと、病み上がりでないことは、基本中の基本となります。体調が万全でないと、大丈夫なものでも症状が出やすくなりますし、万が一、アレルゲンのものだと、強い症状が出る可能性が高くなります。 また、ママの体調が悪い日の開始は避けて下さい。○ヶ月になった日を開始と決め込んでしまうと、自分の体調が悪くても、無理やり、離乳を進めようとする方もいますが、万が一、離乳最初の1さじで、何かあったときの対応ができません。湿疹が1~2個できるくらいなら対応ができても、重湯1さじでぐずりがとても激しくなったり、米アレルギーが増えている現状、たとえ、稀であっても、米でアナフィラキシーに近い症状が出る可能性も否定できません(実際にいますので、皆無ではありません)。もちろん、これは野菜スープであっても同様です。スープ1さじで唇が腫れて、アナフィラキシーに近い状態と診断された方もいます。これらにきちんと対応ができるのは、ママの体調が良いときであると思います。これは離乳が進み、特に新しい蛋白源を与えるときは、野菜と比較できないほど強い症状が出る可能性が高いので、なおさらです。離乳期、少なくとも1歳頃まではママが体調が悪く辛いと思ったら、母乳やミルクのみで対応し、離乳を休むくらいの勇気が必要です。 ◇旅行・帰省予定があるときは開始をしないこと 数日後に、旅行や帰省が迫っているから、急遽離乳を早めたり、帰省先などで開始をする方がいますが、これは絶対にやらないこと。アレルギーは環境が変化したことや移動疲れなどにより、目に見えない体の負担が赤ちゃんの体にかかっている場合が多くなります。そのため、腸の未熟な赤ちゃんは消化がますます不十分になり、消化不十分もしくは未消化のまま、体内に取り込まれ、発症しやすくなるそうです。だから、この場合は、月齢が多少遅くなっても、旅行や帰省後1~2週間して、普段の生活環境に戻って(慣れて)からはじめると良いそうです。大人でも旅行や帰省後、体にどっと疲れを感じますよね。それを赤ちゃんも感じていることを忘れないで下さい。これは新しい素材を与えるときも同様です。旅行先や帰省先で、新しい素材を与えて、発症をしても、かかりつけがすぐにあるわけではないので、とまどうばかりです。1~2ヶ月もの長期滞在などにならない限り、短期滞在では絶対にやめることをおすすめします。旅先でおいしいものがあったから、ほんの少しくらいと思って与えたら、アナフィラキシーを起こした例も少なくありません。フルーツ類・卵や乳製品の加工品などに多いようです。 ◇離乳を開始して、嘔吐を繰り返す、下痢が繰り返す場合は、一度中止をする勇気をもつこと 嘔吐に関しては、食べてすぐの場合は、アレルギー?と疑う場合が多いのですが、例えば、食べて数時間後の場合は、こんな遅く出るはずがないと考える人が多いようです。しかし、遅発・遅延型の場合は、食べて数時間後から半日、または夜中ということも珍しくありません。これは嘔吐や下痢のみならず、湿疹なども同様です。そのため、食物アレルギーと思われる典型的な皮膚症状やかゆみ、下痢、呼吸器系症状は出ていないが、夜泣きがひどい、ぐずりが多い、機嫌が悪いなどの、ごく普通の赤ちゃんでも起こりうる症状が普段より増えたら、要注意です。食事と関連して、腹痛や違和感を感じている場合があります(参考)。 ◇離乳期は食事から栄養を充分に摂取できる時期ではないので、母乳やミルクが主体で、離乳は補助的に考えること 通常とは逆の考え方ですが、私は「食材選び」を重視していますので、「何を食べることができて、何を食べることができないかを見極める重要な期間のひとつ」だと思っています。だから、食べる量が少なくても、その食材を食べてもOKであることがわかるだけで充分だと思っています。それをきちんと知る上でも、毎日同じものを食べない「回転食」が重要です。また、味気なくなる、栄養がなくなるという方も多いですが、二度ゆでなどの調理の手間を惜しまないことが重要です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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