カテゴリ:食物アレルギー情報
食物アレルギー(アトピー性皮膚炎や小児喘息など他のアレルギー疾患も含む)において、食事&生活記録、発作記録、服薬などの治療内容を記録したもの(食物日誌)が、今後の診察を受けるときや、原因探求のために重要な役割を担う場合が多いと思います。
特に、うちの子たちのように隠れ型アレルゲンが多い場合は、この食物記録に助けられたことが多いのは言うまでもありません。しかし、記録をつけてすぐにアレルゲンが分かるわけではありませんでした。数日後の発症になると、数回発症を経験しないと駄目だし、また他のアレルゲンと読み間違えて、除去する食品を間違えたことも数知れず。今強いアレルゲンとなっているキビは母乳経由でしたが、遅延型で軽度で出ていたのに、それに気づかなかったたために、食べ重ねるたびに、症状の程度が徐々に強くなり、最終的には発症までに間隔が短くなり、最終的に強い症状が出て、はじめて気づくという有様でした。その原因のわからない症状が出はじめて、本当のアレルゲンと気づくまでに最低3~4ヶ月は要しています。もしかしたら、それ以前から症状が出ていた可能性も高いのですが、それ以前のことを思い出すのはやめています(笑)。後悔よりも、今後どのように付き合っていくかの方が重要だと思うので… 下記に食物記録をつける上でのポイントをまとめてみました。食物アレルギーであっても、そのアレルゲンだけが原因で発症するわけではなく、多くの要因が絡んできます。それは花粉、ハウスダストやダニなどの環境因子であったり、気候の変化や低気圧などの天候であったりします。もちろん、食材の組み合わせでの反応も充分ありうるので、原因追求はなかなか難しいので、数日間や数週間の記録で分からないことでも、数ヶ月、また季節的な変化であれば、1年以上記録をすることで、原因が分かる場合もあります。 1.食物日誌の記録内容 ◇食事記録 献立名とそれに使用した食物の両方の記録が必要で、これにはジュース類やおやつ類なども含む(麦類にアレルギーがある場合は、麦茶・はと麦茶などお茶類も)。 ◇生活記録 起床・就寝時間、食事時間、昼寝時間、遊び(簡単な内容があればなお良い) 特に、土いじり、動物とのふれあい、粘土などは記述をしておく お出かけの時間(お出かけ先も)、天候、おむつ交換または排便・排尿時間など ◇症状の記録 症状が起きた時間帯、症状の内容:皮膚(かゆみ・湿疹など)・呼吸器系(喘鳴・喘息・咳・鼻水・息苦しいなど)・消化器系(嘔吐・下痢・腹痛など)、寝つきが悪い、夜泣きをするなど ◇服薬記録 服薬している薬と服用した時間帯、服薬による症状の変化など 2.食物日誌の役割 ◇食事が原因でアレルギー症状が出る場合、原因となる食物と症状の関係を知ることができます。 即時型アレルギーの場合は、口にしてすぐに症状が出るので、原因はすぐにわかるのですが、遅延型アレルギーの場合は、半日後から数日後に症状が出ることがあります。そのため、原因判別が困難であったり、もしくは別のアレルゲンを考えて、原因とは異なる食物の除去をしかねないので、その判断材料の参考になります。 ◇食物アレルギーを含め、アレルギー体質やアトピー体質である場合、普段口にして症状が出ないものでも、生活環境の変化や季節変化(花粉時期・梅雨時期・冬など)・天候変化(雨天時・台風接近や寒波などの低気圧時)、体調の変化(風邪気味など)により、突然ある食物(アレルゲンでないもの)を食べたら、咳が出る、湿疹が出るなどの症状が出る場合があります。普段から日誌をつけることにより、どういう状態のときに症状が出やすいのかをあらかじめ知ることができるので、今後の対策を立てる判断材料となります。 →同じ食物を食べた場合でも、症状が一定せず、あるときは強く、あるときは症状が出ない場合に、環境因子など他の原因が関与している場合があります。例えば、きのこ類はカビの多い時期のみ症状が悪化するなどです。一般的に、冬の時期はどの食品でも症状が出やすくなります。 ◇普通はアレルゲンとなる食物素材のみが原因であると考えやすいのですが、実はその素材と調理に用いた油や砂糖などの調味料、食品添加物などとの組み合わせや料理法などが大きく関与している場合があります。例えば、ゆで卵は大丈夫でも、玉子焼きにすると症状が出る場合、油との組み合わせが悪いと判断がつくことなどです。加熱をした素材、加工品なら除去をしなくてもOKと言われた方や除去解除を開始された方で、どうしても症状が出る、改善傾向が認められない場合は、食物日誌を読み返し、素材との組み合わせを検討する判断材料となります。 →上記のことがないように、本来は素材単独、その後、調味料などとの組み合わせ、料理法などを検討する手段を徐々にとるのが理想的なのですが、実際は加工品から除去解除になる場合が多いため。 ◇今まで食べていた食物(特に、除去前)により、症状が慢性化してしまっている場合、新たな食品やアレルゲンとなる食品を口にしても、症状の出現に気づきにくい場合があります。これを覆面(隠れ)型アレルギーといいますが、皮膚検査や血液検査でも判断がしづらいため、食物日誌が有効となる場合があります。 ◇本来はアレルゲンとなる食物ではないと思われている野菜や果物などが、アレルゲンとなる場合もあります(いわゆる、仮性アレルゲン)。この場合、これらの食材がアレルゲンではないという思い込みがあるため、他の原因(肉類や魚類など)を考えがちですが、食物日誌を記入することにより判断できる場合が多いです。 ◇普段の食生活の見直しに有効です。除去した食品にかわり、日々多量に食べている同一食物があると、新たなアレルゲンを作る可能性が高いので、それを防止する判断材料となります。 除去食をしてもすぐに効果が認められないし、食物日誌を書き続けても、すぐに症状改善の判断材料とならないことが多く、記録が負担となったり、やめることが多くなります。しかし、上記に書いたように、万が一、普段と異なる症状が生じた場合、判断が材料となることが多いのも事実です。 記録をとるのが苦痛な方は気負いながら記入をする必要はありませんが、子供の成長記録(もしくは日記)をつけている感覚で、メモ程度でも良いので、簡単に書くことをおすすめします。きっと将来役に立つこともあるかも… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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