カテゴリ:アレルギー・アトピー関連本
心配しないで!食物アレルギー この書物は、食物アレルギーの子を持つ親の会代表の武内さんが娘さんの食物アレルギーの子育てに取り組んだ約20年間をまとめたものです。「乳幼児期、幼稚園時代、小学校時代、中学・高校時代、大学入学と今」という、これから私達の子どもが辿る道のりでの親の思い、子の思いを綴りながら、その場の対応策などをまとめた1冊です。 これは医療者側が治療法や対応策をまとめたものではなく、私達と同じ食物アレルギーの子を持つ親がまとめたものなので、自分の願いや不安などの思いを重ねながら読むことができるのと同時に、入園・入学後に起こりうる食が絡んだ諸問題への対策(園・学校選び、弁当・給食問題、調理実習や修学旅行・体験学習などへの参加、外食や旅行など)はとても参考になる内容でした。また、その時々での娘さんからの記憶も綴られていて、子ども達の気持ちを垣間見るような思いでした。もちろん、子どもの性格は個々で異なるので、ここに綴られていることと、まったく逆の思いもあるかもしれませんが、子どもは子どもなりに楽しめる方法を成長とともに習得していくのではないかなと思えるようになりました。 たとえ、重篤であっても、一部食べられないものが残ったとしても、徐々に食べられる種類が増えるし、その中で、子ども達が友人達と外食や旅行を楽しみ、普通のお子さんと同じように、これからの人生を楽しんでいける希望をもたせてくれた1冊でした。この本を1冊読み終えた私の心は今までの気負いが、ほんの少しだけ解放された気分です。もちろん、不安は多大です。今はマイナスに考えることも多いし、イライラする毎日も多く、私のような親でなければ…と思うことも多いです。でも、この本を読んで、子どもが自分自身で人生を楽しめるコツを学んだり、発掘でき、そして、自立できるまでの介助でいいんだと思え、子どもの辛さを一生背負わなければいけない気分になっていた自分にようやく気づいたように思えました。 また、この本で、自分の選んでいる治療方針は間違っていないとも再確認できたように思います。もちろん、治療法は無数にあるので、どれが正解か分かりません。たぶん、正解はないのだと思いますが、あくまで、我が家の治療法です。その一部の紹介。 私は「除去食」という言葉があまり好きではないので、アレルゲンとなるものは食べられなくても、普段の食生活ではあまり食べない食材や代替食品などを使って、からだに合うものを安心して食べることができる生活を目標とした食生活ということで、「素材選び・食材選び」と呼ぶことにしていますが、この著者も「食べられるものを探す」ということで、「アレルゲンは除去するけど、栄養は除去しない」と述べ、食材の選び方の工夫を書いています。このブログでも、食材選び・調理の工夫にまとめていますので、参考にして下さい。他にも新たなアレルギー予防と除去解除後の再発予防のために、「回転食の重要性」についても述べられていました。 「食物アレルギーがあっても、それぞれのからだにあう食べ物、あわない食べ物が特定できれば、食事のコントロールができて、快適な生活が送れるようになり、アレルギーとともに暮らすことは決して不幸なことではない」という言葉には、本当に心が救われた思いで一杯です。他にも、思春期や反抗期など、色々乗り越えるべき注意点などもわかりました。 私と同じで、これからの子どもの人生に不安を感じる方も多いと思いますが、これからの生活を少しシュミレーションもできると思うので、一読してみる価値はあるかなと思います。そのことで、今後の生活での注意点などが見えてくるかもしれません。 この本と同様、食物アレルギーっ子を育てたママが書いた本は、実生活を重ね合わせることができるので、とても参考になります。この3人の著者が書かれてる内容で共通しているのは、「悩んでいるのは、自分ひとりではないということ」で、「理解しあえる仲間がいること」です。お近くの親の会に入れば、そういう仲間作りもできるでしょうが、そうでなくても、ブログやサイトなどを通して知り合った仲間はもちろんのこと、近所に住んでいたり、同じ病院に通っていることなどで知り合った仲間が身近にいることも、とても幸せなのだと思います。ネット時代の今だからこそ、アレルギーっ子育児もできているけど、そうでなかったら、到底無理だっただろうなとつくづく思います。ひとりでもがき苦しんでいたと思います。もちろん、私が食物アレルギーっ子育児をはじめた5年前は、ネットがようやくISDNに移行しはじめた時期で、上の子が落ち着く2歳頃までは、実はひとりでもがき苦しんでました。それが本格的にネットをはじめようと思ったきっかけです。きっと同じような仲間がいるはずなので、情報交換ができたらなと… その頃にも探せば、食物アレルギーのサイトはあったのですが、そこまで探すだけの心の余裕がなかったことも悔やまれますし、今ほどネットを使いこなすという知恵もありませんでした。もっと早く、そういう知識があれば、あの2年はもう少し楽ではなかったかなと今でもふと思うことはあります。でも、その2年のおかげで、今は多くのすばらしい仲間と出会えたことがとても幸せです。これからも、こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします♪ 最後に、心配しないで!食物アレルギーの巻末には、私達が頭を抱える食品表示について詳しく書かれていますので、とても役に立つと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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