カテゴリ:アレルギーっ子の入園・入学
1ヶ月ぶりの更新です。卒園・入学、体調不良など色々あり、やっと上昇できた気分です。
上の子も無事に入学式(6日)を終えました。今日から給食開始で、区内の小学校の基本方針である「除去のみ」の対応ですが、私が考えていた除去対応よりはるかにしっかりと除去を行ってくれ、さらに、栄養士の先生や養護の先生がアレルギーに対する理解も深く、対応もきっちりしていることがわかり、安心して任せられそうです。 学校側が最も心配してるのが、運動誘発性アナフィラキシーでした。食後の体育など、実際にその場になってみないとわからないのが現状です。給食の誤食をはじめ、これらの症状の誘発のために、緊急薬(抗アレルギー剤と内服ステロイドの混合薬)も処方され、学校側に預かってもらうことになりました。 学校側から求められた書類は、「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校マニュアル(小学校・中学校編)」にある調査票でした。私もこの資料を持っていたので、この調査票に近い内容を自作し、あらかじめ提出して、春休み中に読んでいただいていました。入学式の日にこの調査票と医師の指示書(診断書)を添付して、再度提出したので、昨日の食物アレルギーの給食・個別相談会(2回目)はスムーズに進みました。通常の連絡帳以外に、給食連絡帳を作り、毎日担任の先生と事前打ち合わせも含めて確認しながら、当日の除去の確認と体調などの確認をすることになりました。今日はクラスの子ども達全員にアレルギーがあることを話してもらえ、その後は状況に応じて説明してくれるそうです。 給食内容はゴマ・ゴマ油、ナッツ(ナッツは今後経口負荷試験予定)が完全除去で、非完全除去が卵(魚卵含む)、乳、甲殻類で、他に症状が出るものもありますが、給食には出ない食品だそうです。参考までに、ゴマは血液検査RAST2、皮膚検査陽性で、皮膚検査では1週間接種部位が腫れました。さらに、皮膚検査翌日には、お腹一面に蕁麻疹ができて、完治に7~10日かかりました。他は血液検査陰性で症状が出るので、食物アレルギーではなく、食物過敏症と診断されています。 ゴマ・ゴマ油は1ヶ月の給食の約2/3に使われていますが、調理の最後に混ぜるものが多いので、今月に関しては、すべて除去対応してもらえることになりました。ゴマ油を使用したドレッシングに関しては、代替のドレッシングを持参することになりました。牛乳・乳製品は料理の加熱したものを食べることになりましたが、食べる量が多いと症状が出るので、牛乳パック(200ml)はお茶パックを代替持参することになりました。マヨネーズは2月頃に蕁麻疹が出たので、加熱した卵以外は除去継続です。ただ、加熱した卵や牛乳・乳製品であっても、体調などによって症状が出ることもあり、その日の体調と献立で除去の程度を変更することになっています。甲殻類はエビが少量食べられるのですが、連続負荷はしないように指導されているので、その対応もしてもらえることになりました。今日、明日は給食の練習段階で、すべてのメニューが出ませんが、牛乳以外は、今日は除去なしの日、明日は除去ありの日ですが、これからしばらく肌の状況から目を離せません。入学と同時に、毎日朝夕と肌をじっくりと眺めている私です。 ところで、アレルギーっ子の入園・入学に関しては、不安が多大につきまといますが、そのサポートをしてくれる本が出版されました。 アレルギーっ子の入園・入学安心マニュアル この著書は先月末(2007年3月30日)発行の新刊で、本日届きました。前半は入園・入学マニュアルで、後半は食物アレルギーの基礎知識です。後半はアトピー増やしていこう「食べてもいいもの」の著書の抜粋+最近の考え方を掲載しています。巻末には、緊急時の覚書、連絡表、食物日誌、役に立つウェブサイト(ネットショップ、情報サイトなど)、入園・入学チェックリストがあります。 前半の入園・入学マニュアルでは、園や学校との対応の仕方、具体的なスケジュール、準備する資料の例、緊急時の対応や事前準備などを実際の事例を紹介しながら書いているので、わかりやすいです。給食問題が中心ですが、運動・遊び、薬の扱い方、プール、掃除や動物との触れ合いなどの注意点など、集団生活では欠かせない内容も含まれています。アナフィラキシーについては、説明・対処法などを含めて20ページにわたって書かれており、保護者や教育現場、保育現場に携わる方にぜひ読んで欲しいなと思います。 給食で問題になる点、先生のタイプで気をつける点など、色々納得できる内容がありました。保育現場の先生方に対しては、保護者が最も言われて欲しくない言葉リスト(暴言集)と、それに関する対応のお願いがありました。食事療法をしていく上で、親も悩みながら、子ども達に症状が出ないように工夫をしながら、日々暮らしています。「加熱したら食べられるはずだ」、「薬で抑えておけばいい」、「食べて慣れさせろ」、「お母さんの思い過ごし」、「食べられないとかわいそうだから、食べさせてみて」など… このような傷つく言葉の代表例20個があり、もし、この本を読まれたら、注意するように意識して欲しいなと思いました。 クラスのお友達や保護者へ、食物アレルギーの理解を求めるお手紙の例もあり、今度の保護者会などでお願いするときの参考にしようかなと思いました。口頭でお願いするときの参考にもなるので… また、アレルギーとなる食品を見せると、「食べられないのに、かわいそうだから」と思い、実物を見せない方もいるかもしれませんが、それが逆効果になる例も紹介されていました。子どもに牛乳が飲めないことを教えて、子どもが理解していても、実際に間違えて配られた場合、牛乳を見たことがないので、口にしてしまうお子さんがいるそうです。それでアナフィラキシーを含む重篤な症状を起こした例を、この本以外でも読んだ記憶があります。あとで質問すると、「牛乳は飲んでいないけど、白いジュースは飲んだ」と言うそうです。私は子どもに食べられないものをできるだけ見せるようにしてきましたが、それも間違ってなかったのだなと思いました。 後半は食物アレルギーの基礎知識ですが、ここ4~5年で、食物アレルギーの原因は複雑化してきているので、血液検査の結果だけで判断せず、実際に反応したかどうかを見ることが重要であることも例をまじえて書いていました。実際に症状が出ているのに、「数値が低いから食べてもいいよ」という指導を安易に鵜呑みすることにはとても注意が必要で、そういう実例がとても多いと書かれていました。また、症状の出方には、即時型(食べてすぐに症状が出て、血液検査に反映されやすいアレルギー)、隠れ型(食べて数時間後の発症で、血液検査に反映されにくいもの)があり、実際は隠れ型の方が即時型より多く、これらの2つが混ざり合って出ていることも多いので、血液検査の結果より、食物日誌の記録が重要とありました。 うちの子も隠れ型が多く、血液検査で反映されるものが少ないし、多くの方のお話を聞いても、最近は隠れ型がとても多いなと実感しています(特に、穀物)。そのために、食物日誌や問診で状況を把握して、血液検査、除去試験、経口負荷試験を繰り返しながら、実際に症状を発現させるアレルゲンを見つけていくことが重要だそうです。 食物アレルギーの指導は個人差が大きく、同じアレルゲンでも、ひとりひとり症状やその程度が違うので、この著書では受身の受診ではなく、医師と一緒に考え、解決方法を模索するのが重要と書いています。親も主治医の1人であることを意味しているのだと思うし、アレルギーをはじめ、多くの疾患でも同じことだと思います。日々、子どもの様子を見ている私たちも、多くの情報から取捨選択しながら、色々と勉強していかなくてはいけないなと思いました。そのためには、医師選びも重要だと書かれていて、食物アレルギーをきちんと診てくれる医師や病院の条件なども書いてありました。もちろん、住んでいる地区によっては、難しい条件もあるかもしれませんが、アレルギー専門医という資格にとらわれず、親の話をきちんと聴いて、子どもの症状をきちんと受け止めてくれる医師と出会えることが重要なのだと思います。もちろん、アレルギーとは長い付き合いになるので、親と医師の相性も重要だと思いますが… 入園・入学に関する対策の本としては、上記は医師側からでしたが、親側から書かれたものが、アレルギーっ子の暮らし応援bookで、以前、こちらで紹介したものです。 入園・入学で多くの壁にぶつかることも多いですが、アレルギーっ子が増えている現状、アレルギーに対する理解が社会に少しずつ広まり、子ども達が少しでも安心して、通園・通学できて、楽しく生活できるようになるといいなと思います。そういう意味でも、これらの本を保護者や現場の方など、多くの方に読んでもらいたいなと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アレルギーっ子の入園・入学] カテゴリの最新記事
|
|