カテゴリ:食物アレルギー情報
先日参加した第48回日本小児アレルギー学会「市民公開講座」の覚書の続きです。
現在、食物アレルギーの診療の手引き2008や食物アレルギー経口負荷試験ガイドライン2009などが発刊され、それに基づいた標準治療をすすめている医療機関が増えてきています。今回、食物アレルギー診療ガイドライン2012が発刊されることになりましたが、食物アレルギー診療ガイドラインとしては、食物アレルギー診療ガイドライン2005以来の改定ではないかと思います。 【送料無料】食物アレルギ-経口負荷試験ガイドライン(2009) 【送料無料】食物アレルギ-診療ガイドライン(2005) 今回の講演によると、そのホットな食物アレルギー診療ガイドライン2012は、3日前に発刊されたそうで、そのガイドラインからは、食物アレルギーの症状、自宅や園・学校でアレルギー症状が出たときの対応法の表が、配布資料内に引用されていました。後者は症状の程度によって、医療機関の受診の目安と対応についても具体的に書かれていました。この点は今までは講演会で説明を聴いた程度だったように思うので、よりわかりやすくなったのかなと思いました。 個人的には、新しい食物アレルギー診療ガイドライン2012についてのお話がもう少し聴けることを期待して、今回の市民公開講座に参加したのですが、やはり、隣の会場で行われている日本小児アレルギー学会に出ないと、ホットなお話を味わうのは難しいのですが、昨日、日本小児アレルギー学会はホームページにて、「食物アレルギー診療ガイドライン2012」、「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012」の発刊が発表されました。 http://www.iscb.net/JSPACI/oshirase/111101.html まだ楽天やアマゾンに掲載や入荷されてはいないのですが、近日中に掲載があるだろうと楽しみにしています。 それでは、今回の市民公開講座で、特に印象に残った部分の覚書を、下記にまとめておきます。 食物アレルギー(あいち小児保健医療総合センター 伊藤先生) 食物アレルギーの基礎知識、食物経口負荷試験、アナフィラキシー、小麦加水分解物含有石鹸「茶のしずく」による発症、アレルギー症状への対応、エピペン、学校や園の給食対応、「ヒヤリ・ハット」事例、災害に備えてのお話でした。いずれの項目もわかりやすくお話をしてくれました。 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 中高生で6000人にひとりくらいだそうですが、最近解除をすすめたり、免疫療法で積極的に食べている時に、激しく運動をすると、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの症状が出ることもあるらしく、注意する必要があると言われていました。 小麦加水分解産物含有石鹸「茶のしずく」による小麦アレルギー発症の件 *小麦アレルギーに関する情報センター(リウマチ・アレルギーセンターの情報センター) http://www.allergy.go.jp/allergy/flour/index.html 個人的に思うのは、小麦加水分解産物を利用した商品は、この石けん以外にも化粧品にもいくつかあります。いくつかのアレルギー講演会のお話を聴いていると、アレルギーの原因の1つとして、経皮感作が大きく取り上げられるようになった今、こちらに書いてあるように、この石けん以外で発症報告がないとしても、お肌の調子が悪い時などは使用を控えるなど、体調に応じて、注意した方がいいのかなと改めて思いました。 エピペン エピペンの薬価収載により、平成23年9月22日から保健適応が開始されたこと、新しい形のエピペンになること(平成23年11月頃から発売開始、写真付)、エピペンの効果や持つことについて話がありました。 学校・園での生活 *学校給食のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン http://www.gakkohoken.jp/book/bo0001.html *保育所におけるアレルギー対応ガイドライン http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf *保育園におけるアレルギー対応の手引き http://www.nhhk.net/publish/index.html ヒヤリ・ハット事例 誤食事故は、意外と大胆な間違いで起こることが多いそうです。講演の資料集では数例の紹介にとどめていましたが、実際の事例集は先生が理事をされているアレルギー支援ネットワークからダウンロードできるので、事前に誤食事故を防ぐために役立つと思います。 *アレルギー支援ネットワークで紹介されている事例 http://www.alle-net.com/taisaku/indexn.html 災害に備える 今年3月の東日本大震災、過去では阪神淡路大震災など、いくつかの大きな震災がありました。これからの災害に備えてお話がありました。備蓄用食料では、日頃食べている商品または確実に大丈夫とわかっている商品(例えば、アンパンマンカレー、アルファー化米など)を少し多めに準備して、日々の生活で使用したら、次を補充するような方法が紹介されました。これについては、以前さくらんぼの会で話し合った内容とほぼ同じだったので、改めて意識して生活したいと思います。 また、日本小児アレルギー学会で、災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレットをまとめています。 *日本語版 http://www.iscb.net/JSPACI/oshirase/110517.html *英語版 http://www.iscb.net/JSPACI/oshirase/110905.html 3月の東日本大震災での経験をもとにした特別プログラムも各地の学会や講演会で開催されています。今回の日本小児アレルギー学会だけではなく、来年2月開催の食物アレルギー研究会でも特別プログラムが組まれていますし、今回支援に携わった団体の活動報告などを参考に、これからも日々の防災について考えていきたいと思います。 ※第48回日本小児アレルギー学会「市民公開講座」に参加した覚書 (1)アトピー性皮膚炎について (3)>小児ぜん息について お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 2, 2011 11:40:03 AM
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