カテゴリ:E【英語】英単語 英語表現
引用記事の第三弾、最終回
私の感想は、コメント欄に書きます ―――― 記事 ―――― 英語の壁」を超える人、超えない人 イェール大学流、最強の英語勉強法(3) 斉藤 淳 :J Prep斉藤塾代表 2014年05月09日 斉藤淳氏(J Prep斉藤塾代表、元イェール大学助教授)へのインタビュー連載も第3回となった。今回は、斉藤氏と年代的にも近く、同じような時期にアメリカの大学から日本に戻ってきた経営学者の入山章栄氏(早稲田大学ビジネススクール准教授、元ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授)との対談をお送りする。 ベストセラーとなった入山氏の『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)は、書籍帯のキャッチコピー「ドラッカーなんて誰も読まない!?」に象徴されるように、日本では知られていなかった「世界の経営学の『常識』」を示して大きな反響を呼んだ。これは、現在、好調な売れ行きを見せている斉藤氏の『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA 中経出版)が、日本のガラパゴス化した英語教育に対して、世界の標準的な語学学習法を突き付けたのと似ていると言えるかもしれない。 『世界の非ネイティブエリート…』の内容にも触れながら、日本人の英語力やアカデミズムをめぐる諸問題について、自由に語っていただいた。 (聞き手:東洋経済オンライン編集部/撮影:野村光) ■第1回「なぜ日本のインテリは語学オンチなのか?」 ■第2回「日本人よ、「語学マゾ」は、もうやめよう」 ―――― ◇ ―――― 入山:新刊、非常に売れているようで、おめでとうございます! 斉藤:ありがとうございます。 入山:お世辞でもなんでもなく、本当に面白かったです。私は斉藤さんとけっこう似たようなパスを通っているところがあって、いわゆるドメスティックな日本人で、帰国子女ではありません。 英語が全然できない状態でアメリカに行ったのですが、斉藤さんも本の中で書かれていたとおり、向こうの大学院生はPh.D.(博士号)を取るときに授業を担当しないといけないんですよね。そのあたりで「もう本当にこれはやばい!」と思って、必死になって英語を身に付けました。 だから一応、仕事ができるぐらいの英語はできるのですけど、これも斉藤さんが書かれていたのと同じで、いまだに「自分はものすごく英語が下手だ」と思っているのです。 ○ 「教える立場」になると、英語が急成長した 斉藤:入山さんはどんな英語学習歴をお持ちですか? ご出身は東京でしょうか? 入山:出身は東京の練馬で、一応、進学校と言われるところにいたので、いわゆる受験英語はある程度できたのです。もともと海外志向みたいなものがあったわけではないのですが、大学3年生ぐらいから急に目覚めて、いろんなところに行って、ブロークンイングリッシュで何かしゃべるというぐらいはしていました。 三菱総研に入って海外出張するようになったのですが、それでもやっぱり全然しゃべれないんですよ。だから、本当に英語の問題にさらされたのは、まさにPh.D.コースに入って、生徒を教える立場になってからなのです。もう1年目のときは本当にひどくて……。 斉藤:死にますよね、あれ。 入山:死にます(笑)。TOEFLで何点取っていようが、まったく通用しないんですよ。パーティとかに行っても全然通じないし。しかもどちらかというと人見知りなので、隅っこのほうでひたすらワイン飲んでました。 斉藤:いわゆる「壁の花」ですね(笑)。 入山:斉藤さんの本のご主張とも関係するのですが、たぶん自分の英語がいちばん伸びたのは、ティーチングを始めたときなのですよ。教壇に立つと自分の意見をはっきり伝えないといけない。しかも90分ずっとしゃべっている。学生からの質疑にも答えなきゃいけない。そこですごく鍛えられたという思いがあります。 ○ 英語を学ぶと、「国語」の点数が上がる!? 入山:斉藤さんの本、すごく面白かったです。3つくらいポイントがありまして……。 ひとつは、まず「やっぱりイェール、すごいな」というのがありましたね。発音矯正の専門トレーナーがいて、発音の舌のたたき方を直したりするというのは、さすがイェールだなと思いました。私が行ったピッツバーグ大学のようなおカネのない公立大学では、そこまでやるのは無理ですね。 2つめに、終盤に書かれていた英語のライティングの部分です。ものすごく共感したのが、斉藤さんの塾では英語を教えているのに、生徒さんの「国語」の成績がまず伸びたという部分。 私が『世界の経営学者はいま何を考えているのか』を出したとき、おかげさまでいろんな人から「読みやすい」とおっしゃっていただいてありがたかったのですけど、それってあとから考えると、自分は英語で考えて原稿を書くクセがついていたからなのだなと思いました。 まずトピックセンテンスがあって、主題があって、オピニオンがあって……と裾を順番に広げていく頭の使い方は、英語で論文を書いたり意見を出したりしていくと培われていく部分があって、そうやって書かれた文章は、実は日本語にしても読みやすい。 最後に、ここがいちばん面白かったのですが、私が10年くらいアメリカでもまれて、なんとなく感覚的にわかっていることというのは、確かにあるのです。でも、斉藤さんはそれを私よりもはるかに深く考えられていて、「それはこういうことなんだよ」とうまく言語化されているんですよ。今だからこそ「ああ、そうだったんだ!」と、すごく勉強になることがたくさんありました。 さらにすごいのが、これから英語をもっと勉強したい方々にも、「ちょうどいいツボ」を押さえているところです。私のように英語圏で10年もがいた人間から見ても面白いし、これからもっと一生懸命やりたいという人にとっても、わかりやすいようにポイントを突かれているので、これは反響があって当然だよねという印象でした。 ○ なぜ日本の院生は「ググればわかること」を聞くのか? 入山:ティーチングの話にちょっと戻りますが、私のやっている経営学も、斉藤さんのやっていた政治学も、授業などではディスカッションをけっこうガチでやらないといけないですよね。そのあたりは、板書をしていればとりあえずなんとかなる学問分野などとは、ちょっと違います。アメリカの大学に行ったとき、そのあたりについてはどうお感じでしたか? 斉藤:そこは大学の教育のあり方全部にかかわってくると思うんですけど、日本の大学院生、大学生、中高生、小学生、みんな「問いかけ」を発するのが下手ですよね。 実は、僕が日本の大学に戻らなかった理由のひとつもそこにあります。日本の学会の年次大会とかで研究報告をしても、ググれば一発で解決するような質問をする院生ばかりだという印象がありました。 入山:それって、学者としてはいちばん大事なことですよね。そう考えると、英語教育だけじゃなくて、日本人の根本的な「ものの考え方」みたいなところから変える必要があるということでしょうか。 ---- 入山 章栄(いりやま あきえ) 早稲田大学ビジネススクール准教授(専門は経営戦略論および国際経営論)。1996年、慶應義塾大学経済学部卒業。1998年、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2003年に同社を退社し、米ピッツバーグ大学経営大学院博士課程に進学。 ---- 斉藤:僕自身、自分の中高生時代を振り返ってみても、あまりいい教育を受けたような気がしないんですよ。大学生の頃にカリフォルニア大学サンディエゴ校に留学して、初めて、「ああ、これが学びの場か」と思うような経験をしました。 一時期、議員として政治の場にいたこともあるのですが、そのときやりたかったのも教育と農業とインフラ政策でした。政治からのアプローチではいったん挫折した人間ですので(笑)、今度はマーケットからちょっと攻めてみたいなという思いがあったのです。 ○ アニメオタクはなぜ語学習得で有利なのか? 入山:そういう意味で言うと、本の最後のほうで、「今度、統計学を塾で教えたい」というようなこともおっしゃっていましたね。それ、すごく面白いなと思います。 斉藤:TPR(Total Physical Response)という教授法があります。低年齢の子ども向けに語学を教えるときに、「Jump!」と先生が言ったら子どもがみんな一斉に跳ねるとか、「Throw a ball!」と言ったらボールを投げるとか。そういう身体動作を通じて学ぶと、語学が身に付きやすいというのは一般的に言われていることです。 それで、ある程度、学年が進んで分析力が育ちつつある高校生なんかは、むしろ英語で数学を学んだりしたほうが、英語が身に付きやすいんじゃないかと思っています。someとかanyの概念なんて、数学の全称記号とか存在記号とセットで学んだほうが、ずっと理解しやすいですよね。それ以外にも、ロジックの立て方とか、データの整理の仕方も含めて、英語で統計学を学ぶとか。 入山:なるほど、それが本の中にもあった「外国人力士はなぜ日本語がすぐ身に付くのか」という話とつながるわけですね。 斉藤:われわれがティーチングする立場になったときに、英語力がぐっと伸びたというのは、まさにTotal Physical Responseというか、相撲部屋に飛び込んだような状況ということですよね。 入山:あと、「動画とセットで学ぶといい」というのも、すごくよくわかります。アメリカに行ったとき、たまに日本人の女の子とかで急にすごく英語ができるようになる子がいたりしたのですが、そういう子ってだいたい2パターンでした。ひとつはアメリカ人の彼氏ができた。そうでなかったら、とにかくひたすらドラマを見ているのです。もう部屋でずっと『フレンズ』とか『セックス・アンド・ザ・シティ』を見ている。 斉藤:逆もありますよね。日本語がうまいアメリカ人って、けっこうみんなアニメオタクですよ。逆に、「三島由紀夫から日本語に入りました」という外国人で日本語がうまい人はちょっと見たことないですね。活字から入った人たちって、必ずしも会話はうまくない。どんな言語でも、動画から入らないとなかなか難しいのではないかなと思います。 ---- 斉藤淳氏の最新刊『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA中経出版)が発売中。 使える英語を「最短ルート」で身に付けるための効率的な勉強法を紹介。 alex99注 私も、この本を購入してみたが、未読 読了したら感想を書いてみたいが 私は原則、すべて積ん読なので(笑) いつのことになるか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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