カテゴリ:V 【過去ログ 迫田さおり選手 その2】
コラム
浮上のきっかけを掴みたい全日本男子。新戦力、千々木駿介が起爆剤となれるか 2013年11月08日 今年最後の国際大会となるワールドグランドチャンピオンズカップ。11月19日の男子大会開幕が迫ってきたが、薩摩川内で合宿(10月15日~11月2日)を行っていた全日本の選手たちは、まだ不安と焦りの中にいた。 アメリカ人のゲーリー・サトウ監督を招聘した今年、新指揮官は、全日本にいくつもの新しいスタイルをもたらした。それは指揮官の言う“世界基準”だが、選手にとっては、一つのプレーに対する考え方やフォームを、根本から変えなくてはならないことも少なくなかった。 例えば、サーブレシーブでいうと、日本の選手の多くは、足を動かして素早くボールの正面に入るよう教えられてきたが、サトウジャパンでは、できるだけ足を動かさず、無駄な動きを減らして、腕だけを体から離してボールを取るよう求められる。海外勢の速いサーブに対しては、足を動かしていては間に合わないし、動きを減らした方が次の動作に速く移行できるからだという。 セッターは、できるだけ高い位置で素早くボールをさばくことや、ボールを見ながら相手ブロックを視野に入れ、トスを上げるギリギリまでブロッカーの動きを見て瞬時に判断することを求められる。当たり前のことのようだが、日本ではそこまで徹底されてはいないようだ。「相手ブロックを見るというのはずっとやってきたけど、今求められているのは、一段階も二段階もレベルが違う」と近藤茂(東レ)は言う。 クイックは、トスがネットに近いと、海外の高いブロックが覆いかぶさってきて打つコースが狭まってしまうので、ネットから離したトスを広角に打つよう言われている。ただ、ネットからトスを離すと、これまで鋭角に落として決まっていたスパイクがネットにかかってしまうというデメリットもある。松本慶彦(堺)は、「逆にコースの幅が狭くなってしまっていて、難しいですね」と苦心している。 ウイングスパイカーも、助走の歩数を増やしたり、レフトからのスパイクはサイドラインの外で踏み切っていたものを、一歩コートの中に入って踏み切ったりと、大改造だ。そうした方が、トスが短くなった時にも打てるコースの幅が広がったり、コートの外から打った時よりネット上のボールの通過点が高くなるからだという。 選手たちは、なぜそうするのかと、サトウ監督やデービッド・ハントコーチに理由を聞けば、その理論には一つ一つ納得でき、世界と戦うためには、そしてこれまで行けなかったところに到達するためには、それが必要なのだと理解する。しかし、長年やってきたことが体にも意識にも染みついていて、簡単には変えられない。試合中も、新しいプレーのことで頭がいっぱいだから余裕がない。主将の山村宏太(サントリー)は、「今はまだ、相手と戦っているというよりも、自分たちのプレーと戦っているという感じ」と表現した。それで試合で結果が出ないから、さらに迷いが生じるという悪循環に陥っている。 ベテランになればなるほど、これまでやってきた自分のスタイルがしみ込んでいるため、苦しんでいる。逆に、若い選手の方が順応しやすく、今後世界と戦う場に出ていく若手にとって大いに必要なことのはずだが、薩摩川内合宿に参加したメンバーはアジア選手権のメンバーとほとんど変わらず、学生は1人も参加していなかった。 グラチャンまでに残された時間は多くない。スタッフから、「チームのブースター(押し上げる)役を担ってほしい」と言われているという横田一義(堺)は、チームのムードを変えようと躍起だが、思うようにいかず、「グラチャンは強豪国ばかりだから、僕らが今までやってきたペースでやっていたら勝てない。爆発するような、ケミストリーを生まないと」と危機感を募らせる。 そのケミストリーを起こす起爆剤として期待されるのが、数少ない新戦力の活躍だ。その1人が、現在チーム最年少の24歳、千々木駿介(堺)である。 昨シーズンのV・プレミアリーグで新人賞を獲得し、全日本入り。今年のワールドリーグ韓国戦でデビューを果たした。9月の世界選手権アジア最終予選、第2戦のニュージーランド戦では初得点を記録。自身が一番の武器に挙げる伸びやかなパイプ攻撃(コート中央からのバックアタック)も決めて存在感を発揮したが、翌日の第3戦、韓国戦では、チームが劣勢に立たされ続けるのを、歯がゆい思いでアップゾーンから見つめていた。 「オリンピックを目指すなら、やっぱり、特にアジアのチームには負けちゃいけないので。それに、韓国は同世代の選手が多くて、ユニバーシアードとかで戦ったことがあったから、何をしてくるか、ちょっとはわかっていた分、早く出たかったんですけど…」 出番が来たのは第3セット、大差をつけられ大勢が決した後だった。それが今の実力、と千々木は受け止める。 「僕らの世代や、僕らより下の世代がどんどん出てこないといけないとは言われつつも、やっぱり、上の人たちに全然力が及んでいないのが現状です。そこは真摯に受け止めないと。(育てるために試合に)出してもらう、じゃダメだと思う。しっかり下積みをして、自分たちで(出番を)勝ち取るんだっていう気持ちでやらないといけない。だから、練習からもっとアピールしていきたいと思います」 今年はユニバーシアードや東アジア選手権に出場したため、シニア代表とユニバ世代を行ったり来たりだったが、サトウ監督の言う世界のスタンダードのプレーを理解し、ものにしようと腹をくくっている。 「日本人は世界と同じことをしても勝てないと言われますけど、逆に、世界と同じこともできなかったら、勝負にならないと思う。だから、時間がかかっても、やらないといけないのかなと思います。自分は、海外のチームの選手と比べたら若くないし、スタッフにも『若いと思うな』とは言われてるんですが、このチームの中では若手なので、今は数字とかを気にせず、新しい形を意識してやることを心がけています」 若い千々木が新しいスタイルをいちはやく吸収して新境地を開けば、先輩たちの不安を払しょくするモデルケースとなるだろう。 一方で、「これまではサトウジャパンの新しいスタイルをすべて受け入れていたけれど、これからは、元のやり方の方がいい部分は戻して、両者を融合させていく時期ではないか」という意見も選手の中から出てきている。練習方法にしても技術面にしても、日本人や個々に合ったやり方があるのではないかという考え方だ。 グラチャンまで時間がない中で、チームとしての方向性をどう定めて大会に臨むのか。サトウ監督の、リーダーとしての手腕が問われる時でもある。 著者プロフィール 米虫 紀子(よねむし のりこ) 大阪府生まれ。大学卒業後、広告会社にコピーライターとして勤務したのち、フリーのスポーツライターに。バレーボール、野球を中心に活動中。『Number』(文藝春秋)、『月刊バレーボール』(日本文化出版)、『プロ野球ai』(日刊スポーツ出版社)などに執筆。著書に『ブラジルバレーを最強にした「人」と「システム」』(東邦出版)。 ―――― ◇ ―――― だいぶ、古い記事だが、参考になるかと思って、掲載した サトウ監督の off the net ネットからある程度離して打つ は、今の、東レにひつようなんではなかろうか? ミチさんの近くて低いトスでは、リオには、打ち切れない この 米虫 紀子(よねむし のりこ)さん 言い記事を書くな あの、 バレーボールなんか、わかってもいないのに 感動秘話が得意な女性週刊誌調のコラム?を書く田中夕子とは、大違い 日本バレーボール協会は、このサトウ監督を、早々にクビにしたが 私なら、東レの監督にしてみたい 今の東レの首脳陣 どうも、能力が無い感じがしてならない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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