カテゴリ:IH【健康・医学情報】
精神安定剤のような効果も? 「読書」で心が健康になる理由を医師が解説
「○○の秋」といわれるように、秋にはさまざまな名が付くことがあります。夏の暑さもようやく和らぎ、冬の寒さが訪れるまでの季節はさまざまな活動に適しています。 今回はこの○○に「読書」を入れ、その意外な効能、特にメンタル面での効果を詳しく解説します。 ■読書は人にとって最高レベルの「知的活動」 近年ではスマホなどの新しい情報端末により多くの時間が費やされていますが、読書など従来型のものにかけられる時間は一般に減少傾向です。本の読み方自体も変わってきており、電子書籍をデバイスで読まれる方も少なくないかと思います。単行本を手に取り、じっくり本を読むという行為は少しレトロな雰囲気も出てきているほどです。 しかし、読書は古くから一般的な余暇の過ごし方のひとつ。本の中に描かれた世界に接することは、人の知的活動のジャンルとしては最高レベルでしょう。実際に読書をする際、集中力・記憶力・思考力そして言語能力など、認知機能の大部分が動員されます。 認知機能は筋肉と同じく、長い間使わないでいると機能が低下してきます。また、加齢によっても徐々に低下していく傾向があります。その備えとして、「日々の鍛練のある・なし」はかなりの差を生み出すでしょう。 読書は認知機能をほぼ全般に動員するという面からも、知的鍛錬の手段としては理想的です。実際に、読書を習慣化している方の間では認知症の発症率が低くなっているという研究報告もあります。日々の知的鍛錬の一手段という面から、読書をみるのも良いことかもしれません。 ■読書をすると気持ちが楽になるのはなぜ? 目的はさまざまでしょうが、なかには本を読むと気持ちが少し楽になる……と、読書を一種の精神安定剤にしている方もいらっしゃるかもしれません。そのメカニズムを精神医学的に考察してみましょう。 精神安定剤のような効果も? 「読書」で心が健康になる理由を医師が解説: 「読書」がメンタル面に及ぼす良い効果とは? 「読書」がメンタル面に及ぼす良い効果とは? 人はさまざまな要因で気持ちが落ち込みます。思いがけず嫌なことが起きることもあれば、人によっては不安定な天気が冴えない気分につながることもあるかもしれません。 その気分がさらに増幅するか否かには、そのときその人の思考状態がかなり影響します。もし誰かの自分に対するネガティブなコメントがぐるぐると頭を回っていたら……? 冴えない気分はさらに増幅してしまうかもしれません。 気分を元に戻すには、ネガティブな思考にいかにストップをかけるかがカギになります。これは精神療法のひとつである認知行動療法でうつ病を治療する際、活用される心理的要素です。うつ病を増悪させやすいネガティブな思考パターンにストップがかかれば、症状の改善につながります。 日常の冴えない気分に対しても、そういった思考にストップをかけることを意識していきたいものです。その手段として、読書がいかに私たちの認知機能を動員するかに注目しましょう。本に書かれた内容を頭に入れていくと、ネガティブ思考も含め、他のことを考える余裕があまり無くなってくるはずです。 本の内容がすいすい頭に入り始め、冴えない気分が楽になるような感覚がある場合、このメカニズムが作動しているのだと意識してみてください。 ■「心の健康維持」のための読書を意識してみましょう ここまでの内容をもとに、読書の心の健康への効果をまとめます。 ● 気持ちに悪影響を与えやすいネガティブな思考があれば、読書に集中することでそれにストップをかけることができる ・加齢などの影響から認知機能を維持していくうえで、理想的なトレーニングになる ・模範的な日本語に接することで、語彙が豊かになるなど、言語能力が向上する ● 本の内容に感動する……など、感情が刺激されることはそれ自体ポジティブなうえ、他人への共感を高めることにもつながる ・ネガティブな衝動、例えば、後で後悔するような「衝動買い」をしたくなったとき、その衝動をそらすための手段となる 今回は読書のメンタル面への効果を詳しく解説しましたが、読書の目的としては、単に楽しみのひとつ、あるいは新しい知識を得るなど実用面に重点を置かれる方も多いかと思います。この秋は、読書の内面にもたらす効果にも注目することで、これまでとは違う新しい「読書の秋」にしてみてください。 【メンタルヘルスガイド:中嶋 泰憲】 ―――― 私の感想 ―――― 期待したが 密度の薄い内容だった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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