カテゴリ:V 【過去ログ 迫田さおり選手 その1】
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2018/06/22 16:00 コロンビアのビルドアップは立ち位置をほとんど動かさない。いわゆるポジショナル・プレーは使っておらず、4-2-3-1(10人になってからは4-4-1)の立ち位置のままボールを動かす。そのため、左サイドバック(ホアン・モヒカ)が保持したときの次のパスはタッチライン際にいる左サイドハーフ(ホセ・イスキエルド)か中央のMF(ジェフェルソン・レルマまたはフアン・キンテーロ)になるのだが、日本に素早くそこを抑えられてパスの出しどころを失っている。 とくに原口元気の「二度追い」は強烈で、モヒカとイスキエルドの左の縦ラインは、原口、酒井宏樹、柴崎岳、香川真司の4人によって封鎖されてしまっていた。それ以外にも日本のプレスバックにボールを失うケースが続出していて、これは退場者が出なくてもそれほど変わらなかったと思われる。 15分、香川が1人抜いて右から中央へ切り込み乾貴士にパス、乾のシュートは外れたが、この日本の攻撃はホセ・ペケルマン監督にショックを与えたに違いない。10人になったことでトップ下からボランチへポジションを下げていたキンテーロがボールを奪われたところから日本の攻撃は始まっていた。 決定的なパスを出す能力において、ハメス・ロドリゲス以上の能力を持つキンテーロだが、香川と柴崎に挟まれてのボールロストは彼をこのポジションに置くリスクを想起させただろう。また、香川のパスをボックス内で受けた乾はフリーだった。対面のフアン・クアドラードのマークは完全に遅れていた。 キンテーロの中央でのボールロストと、クアドラードの走り負け。ペケルマン監督はこのシーンを見た約15分後に守備の強いウィルマル・バリオスを投入し、キンテーロを右サイドへ、クアドラードを引っ込めた。クアドラードのスピードと突破力は日本にとって脅威になりそうだったが、18分には長友佑都が1対1で止めている。ドリブルを阻止されれば、そのまま裏返しにされてしまう。10人になったので、まず守備を安定させるためのバリオス投入は定石どおりだが、クアドラードかキンテーロかの選択で、よりリスクのないキンテーロを選んだわけだ。
日本はセカンドボールへのプレスが非常に速いため、コロンビアは自陣から出られない状況に陥った。日本のポゼッションに完全に足を奪われた格好である。ファルカオは単騎速攻で生きるタイプではなく、日本の後方でのパス回しに制限をかけられる運動量もない。 事態を悪化させたのはその後の2つの交代である。キンテーロからハメスへの交代は同タイプの交換ではあるが、合理的な説明はつきにくい。ポジションを逸脱するハメスは守備面で、よりリスクが大きくなるうえ、そもそも先発できなかったのだからコンディションも良くない。 さらにイスキエルドからカルロス・バッカへの交代はほとんどギャンブルでしかない。まったく機能しなかったイスキエルドを諦める理由は十分だが、バッカの投入は実質的に4-4-1から4-2-3への変更であり、ボールが日本にある以上、ほとんど意味のない交代策だった。 ペケルマン監督は事前に「日本を侮るな」と選手を引き締めていたという。4年前にサブ組中心で4-1と大勝している相手なので当然の措置だ。油断は何よりの敵だからだ。しかし、明らかに形勢不利にもかかわらず一発逆転に賭けた采配には、日本を相手にドローはありえないと監督自身が考えていたことが表れていた。( お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.06.22 17:22:18
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