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記事 米中制裁関税発動でも冷静な米国株、警戒感続く [サンフランシスコ 6日 ロイター]
- 米中両国が相互に340億ドル相当の輸入品に関税を課す措置を発動した6日、 米国株は織り込み済みと受け止めて、S&P総合500種は1%近く上昇した。 ただ投資家の間では、貿易摩擦が今後一層激化する事態に警戒感がくすぶり続けている。 トランプ米大統領は5日、関税対象の中国製品を最終的に5000億ドル強まで拡大する可能性があると警告したが、これは昨年の米国の中国からの輸入総額にほぼ匹敵する。 そうした制裁関税が広範囲に適用されることになれば、 これまで影響が大きいとみなされたいくつかのセクターの売りがきつくなっていた米国株は、相場全体が崩れかねない。 スパルタン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ市場エコノミスト、ピーター・カーディロ氏は「真の問題は『貿易戦争』がどのぐらい長く続くかにある。(エスカレーションにつながる)地点に達してしまえば、強気相場の持続は全てご破算になる」と述べた。 S&P総合500種は年初からなお3%上昇しており、ナスダック総合は11%高で最高値近辺にある。強気相場はもう10年近く続き、足元では税制改革による企業利益押し上げ効果に株価が支えられてきた。 それでも投資家は、今後数週間で企業が発表する第2・四半期決算で、 先行きの業績に制裁関税が打撃を受けるとの見方が出てくるのではないかとみている。 グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トム・マーティン氏は 「制裁関税が発動されていなかった第2・四半期(の業績)にさえ悪影響を及ぼすかもしれない。なぜなら関税発動を見越して人々の行動が変化しているからだ。それがこの先の状況を占う材料になるだろう」と指摘した。 投資家は既に制裁関税の痛手が大きくなりそうなセクターの売りに動いてきた。 例えばトランプ氏が鉄鋼・アルミニウムの関税導入方針を示した3月1日以降、S&P500種の工業株は4%、S&P1500種の鉄鋼株は7%それぞれ値下がりしている。 個別銘柄では単独企業として対中輸出額が最大に上るボーイング<BA.N>は3月上旬から株価が4%下落。同じく中国向け輸出額が大きいキャタピラー<CAT.N>も年初来の下落率が14%に達した。 中小型株で構成するラッセル2000指数は、大手企業に比べて国際貿易情勢の変化に対する感応度が小さいとみなされ、今年に入って20%、6日までの週だけでも3%上昇した。もっとも同指数は今年、何度か最高値を更新しており、一部の投資家は上値余地が限られているのではないかと考えている。 プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「中小型株は安全な投資先と言えるだろうが、いつかは過大評価されることになる」とくぎを刺した。 (Noel Randewich記者) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.07.11 19:50:53
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