カテゴリ:🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】
記事 <大阪市長提案>「学テ結果で教員評価」波紋 撤回求め署名 8/17(金) 12:41配信 毎日新聞 ーーー 私の意見 ーーー 教育って、勉強 全国学力テストの結果を、教員の手当や人事評価に反映させるとした大阪市の吉村洋文市長の提案が波紋を広げている。 平均正答率が20政令市中で最下位に低迷、「結果に対し、責任を負う制度にすべきだ」と訴えるが、専門家や市民は「あまりに短絡的」と猛反発。 撤回を求める電子署名には、約1万5300筆(17日現在)が集まった。 学テの結果に応じて教員の手当や、学校に配分する予算を増減させる提案があったのは今月2日。 林芳正文部科学相は翌3日の記者会見で「学テで把握できるのは学力や教育活動の一側面。適切に検討を」と慎重な対応を求め、 私のこの林文科相を非常に評価していたのだが、ネット上でも即座に議論が巻き起こった。 吉村市長は16日の会見で「自治体の裁量だ」と反論。来年、最下位を脱せなければ、自身の来夏のボーナスを返上すると述べたが、議論は続く。 「学校は人を育てるところ。点数を稼ぐところではない」。教育コーディネーターの武田緑さん(32)=大阪市=が3日からネット上で署名活動を始めると、市民らから怒りや悲しみのコメントが寄せられた。武田さんは「今の学校文化には、変えなければいけない点もある」と指摘するが、提案は、武田さんが目指す「主体的に学び、対話のある民主的な学校」とはかけ離れていた。 「夜回り先生」で知られる水谷修・花園大客員教授は「大阪の子の学力の背景に家庭や貧困の問題があるのは明白だ。十分な対策を講じてきたと言うなら、その成果が上がっていないということだ」と怒りをあらわにし、市長との公開討論も求める。 ここ数年、大阪の教育現場は矢継ぎ早に打ち出される首長の政治方針や改革の波に翻弄(ほんろう)されてきた。「子どもの学力や人間力は、点数のように見える形で表れる成果より、見えない力の方がずっと大きい。成績を上げたい市長のメンツなのか」。ある市立小校長はそう話し、教員採用試験への影響も案じた。 懐疑的な見方は、市長の身内にも広がっている。民間から採用され、市立小校長を務めた山口照美・生野区長はインスタグラムで、 「学力を上げるのに、金銭的なインセンティブで動く校長や教員はいません。教え子が問題に取りかかる自信をつけるには何を積み上げればいいか。学び合う時間と余力をあげたい」と記した。 市長与党の大阪維新の会市議団は、7日の会議でこの問題を議論した。幹部によると、メンバーからは市長の方向性を支持する声があった一方、教師のモチベーション向上にはつながらないといった否定的見解も多く聞かれたという。 中3と小6の娘がいる東住吉区の会社役員、高井隆光さん(43)は「学校には学力を上げてもらいたいのが本音。ただ、先生の評価には、子どもとの信頼関係や学力向上のプロセスも含め総合的に判断してほしい」と注文を付けた。 9月中旬にも首長と教育委員で構成する総合教育会議で制度の詳細について議論が始まる見通しだ。【林由紀子、岡村崇】 ◇経済力、正答率と相関 学力と家庭の経済力との相関関係は以前から指摘され、大阪市も意識して取り組んでいる。貧困世帯に教材費などを支給する市の就学援助の割合は、全国平均15.4%(2015年度)に対し、25.7%(16年度)。市が昨年公表した子どもの貧困実態調査では、平均的な所得の半分を下回る家庭で暮らす相対的貧困率は15.2%だった。学テに関する文科省の委託研究(昨年度)でも家庭の経済力が高い児童・生徒の方が平均正答率が高いことが明らかになっている。市は中学生の塾代を月1万円助成▽学テの成績下位校に退職校長を派遣し個別指導などを支援▽専任チームが定期的に授業力向上を指導--などを実施。生活面でも約120校に支援員を配置している。
【林由紀子】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.08.20 14:32:09
コメント(0) | コメントを書く
[🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】] カテゴリの最新記事
|
|