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渋野日向子のスィング・フォームについての考察 ーーー その1 ーーー インパクトが1年前と全然違う! 渋野日向子のスウィングを変えた、青木翔コーチの「頭に手をポン練習」ってなんだ!? 2019-08-06 週刊ゴルフダイジェスト LESSON渋野日向子青木翔週刊GD 「AIG全英女子オープン」で歴史的勝利を挙げた渋野日向子のキャディも務めた青木翔コーチ。約2年前から渋野を指導している青木コーチの渋野へのレッスンの一端が週刊ゴルフダイジェスト6/18号に掲載されていた。「頭に手をポン練習」っていったいなに? 考えさせて継続をうながすコーチの元で開花した ――ともにアスリートの両親から受け継いだ才能だけを頼りにゴルフをしていた渋野だったが、約2年前から青木翔プロに指導を受け、ゴルフが一気に飛躍したという。どんな練習をしているのか、同行させてもらった。 海外女子メジャー「AIG全英女子オープン」を制した渋野日向子(写真は2019年のニッポンハムレディス 撮影/岡沢裕行) 週刊ゴルフダイジェスト(以下GD):青木プロに、何を一番よく言われますか。 渋野日向子プロ(以下渋野):“振れ”って言われます(笑)。ザックリとしたイメージ的な話が多いですかね。 青木翔コーチ(以下青木):細い体の動きをどうこうするって、頭ではわかっていても、人間はロボットじゃないので、できないじゃないですか。ボクはなるべく難しく考えさせずに感覚的にわかるように指導しています。 GD:今は弾道測定器とか数値化してレッスンするコーチが多いなか、ある意味めずらしいですよね。 青木:そうかもしれませんが、ボクも元々はプレーヤーだったんで、選手たちの気持ちがわかるんですよ。頭ではわかっていても、できることとできないことがあるってことを。 ボクのレッスンのモットーは「1言って10できる選手」を育てることです。だから、あれこれ言わず、まずはひとつのことを徹底的にやって自問自答させる。これが、選手が成長するコーチングだと思ってるんです。 渋野:習いはじめから、頭を抑えるだけですもんね(笑)。 ツアーの練習場でも青木コーチに頭に手をポンと置いてもらいながらスウィングをチェック 青木:それは渋野がインパクトで伸び上がってたから。現にフックの度合いが減ってきただろ? 渋野:そうですね(笑)。 青木:もちろん、感覚を養うヒントやドリルもさせますけど、やるのは選手。ボクの操り人形では自立できません。継続を支えるコーチでありたいんです。 前傾角が保てるようになった ――青木プロに師事してからずっと頭に手を置かれてショット練習を続けた渋野。すると驚くほどインパクトの形に違いが現れた。 GD:一年前のインパクトと今をくらべると別人ですね! 渋野:ですよね! 私もそう思います(笑)。 1年前のインパクト(右)では体が伸び上がり力が上に逃げてしまっているが、今のインパクト(左)では前傾が崩れずボールをしっかり押し込めている 青木:以前は上体が伸び上がっていたので、クラブがインサイドから入りすぎて、フックの度合いが大きかったんです。今は、体の右サイドでボールを押し込めているので、球質が強く、距離も出るようになりました。 GD:頭に手を置くレッスン、あなどれないですね。 渋野:始めた当初はダフッてばかりでした。昔は感覚的に、ダフらないように伸び上がって調整していたんですね。 上体が浮き上がっていたときは、体重が上に逃げて手打ちになっていた。右わきで押し込む意識を持つようになってから前傾角が変わらず飛距離も伸びた 青木:以前の彼女は、上体を起こしてヘッドの通り道を作っていたんですけど、前傾の意識を持つようになってダウンでヘッドをリリースするタイミングを覚えました。いままでは、腕力や筋力に頼って打っていましたが、効率よくパワーが出せる体の使い方を覚えたことで、方向性も飛距離も身につけたんです。でも、まだ発展途上ですけどね。 渋野:明らかに球筋が変わったから、「頭に手をポン練習」の成果があったんですね(笑)。 週刊ゴルフダイジェスト2019年6月18日号より 撮影/大澤進二 ※一部改変 ーーー その2 ーーー 黄金世代のツートップが国内メジャーで激突! 畑岡奈紗と渋野日向子のスウィングをプロが比較分析した プロゴルファー中村修 9/11(水) 20:31配信 畑岡と渋野、両者とも米女子ツアーで結果を出した注目選手だ(撮影/岡沢裕行、大澤進二) 現在の日本人世界ランク上位2名といえば畑岡奈紗(9位)と渋野日向子(13位)の黄金世代2人だが、この二人が今週「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」にエントリー。注目を集める二人のスウィングをプロゴルファー・中村修が注目した。 並べて比較! 畑岡奈紗と渋野日向子のドライバー連続写真 フェースを返す畑岡奈紗と、返さない渋野日向子 畑岡奈紗選手は今季優勝1回、トップ10は5回。7月から予選落ちが3度続きましたがその後は5位タイ、4位タイと調子を上げて「日本女子プロ」に乗り込んで来ました。米ツアーを拠点に戦い、世界ランク9位という成績が示す通り、結果を出し続けるポテンシャルはズバ抜けています。 そして今季飛躍を遂げた渋野日向子選手は、全英女子オープンの後も上位争いを続け、獲得賞金1億円突破は目前。連続オーバーパーなしのラウンド記録も継続しています。世界ランクは13位で、この二人が来年の東京オリンピック日本代表の最有力候補といっていいと思います。 さて、黄金世代というくくりを超え、日本の女子ゴルフ界をリードする二人のスウィングを見比べてみると、それぞれタイプが異なることがわかります。畑岡選手はフェースローテーションを使い、地面反力も多く使って打つのに対し、渋野選手はフェースローテーションは少なめで、回転力を多く使って打つタイプと言えるんです。 フェースを返していく畑岡はわずかに手の甲側に手首を折っているのに対し、返さない渋野は手のひら側に手首を折っている(撮影/姉崎正、中野義晶) 両者の違いがもっとも顕著に見られるポジションはダウンスウィング。そこでの左手首の角度に注目です。フェースローテーションを使う畑岡選手は左手の甲が真っすぐかやや手首側に折れていて、フェース向きもややオープン。それに対してフェースローテーションが少ない渋野選手は左手甲を手のひら側に折るように使い、フェースはボールを向くように閉じ気味に使っています。 インパクト~フォロー時の手元を正面から見ると畑岡は左手が見えているのに対し、渋野は左手が右手に重なりほぼ見えない。フェースローテーションの度合いで形はこれだけ変わる(撮影/姉崎正、中野義晶) インパクト後の手首の角度に注目して見ると、しっかりとフェースをターンさせる畑岡選手は正面から左手のグローブが見え、右手が上、左手が下になるように使っています。一方の渋野選手は右手は下、左手は上になるように使っています。 フォローの形を後方から見てみると、畑岡選手は左手のかかとが地面から離れていて、地面を踏んでひざを伸ばすように縦の地面反力を多く使っていることがわかります。対して渋野選手は右の側屈(サイドベンド)が強く、縦に力を使うというよりは回転しながらボールをとらえていることがわかります。 どんなプレーヤーでも調子の波はあるものですが、その中で故障なく安定した成績を収めているのは、力の使い方が本人にとってナチュラルな動きで効率がいいということを表しています。スウィングタイプが違っていても二人とも再現性が高いスウィングをしていますね。 予選は同組にならなかったのでぜひ決勝ラウンドで直接対決を見たいところですが、この二人以外にも上位争いしそうな選手が若手、中堅、ベテランと数多く存在するのが現在の女子ツアーです。誰もが勝てる実力を持っているのでどんな戦いが繰り広げられるのか非常に楽しみな週末を迎えられそうです。
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最終更新日
2021.10.12 18:35:23
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