【My favourite】
Old Polish tango in Polish and Hebrew: Graj skrzypku, graj! https://www.youtube.com/watch?v=wEL0RL_bBkw 1930年代のポーランドで最も人気のあったタンゴ曲だそうである 可憐で美しい しかし、どこかに深い悲しみを秘めたような 一度聴くと、耳から離れないメロディーでる 私は昔、東欧各国に滞在していたことがあり そのなかでもポーランドが一番長かった 私の主戦場は中東であり 発電所や海水淡水化工場の受注と契約に奔走 大いに戦果を上げてはいたのだが 時々東欧からもプラントの話が入ってきて どうせ困窮した東欧では、金満の中東のような スケールの大きなビジネスにはなりそうも無いのだが 東欧自体に興味もあったし 例え小さくとも可能性を捨て置くのももったいないと 中東ビジネスの合間に、かなり頻繁に出張した 主にポーランドとチェコ ルーマニアにも この映像の冒頭に出てくる大通りもよく知っている これはポーランドの首都ワルシャワの中心を通っている この大通りを進むと、旧市街、さらには王宮に至る たしか「王宮への道」と呼ばれる街路である この映像は、私が滞在した頃の まだベルリンの壁が崩壊する以前のものと思われる 一番の繁華街と言っていい立派な造りの大通りで 市電も通る石畳の boulevard では有るのだが 人通りもまばら、なんともうらびれた光景である 商店が並んではいても、シャビーな商品ばかりである しかし、これが当時の実情 目抜きといえども街灯はわずか 薄暗い夜の巷である ポーランドがソ連の衛星国として、ソ連からの厳しい締め付けの下 またその末期において、経済政策の失敗などによって、一時は、世界最貧レベルの経済危機に見舞われた頃である ~~~~~ とはいえ 戦前のポーランドは違っていた 古くはソ連の一部も領土であり連合王国リトアニアを含めると 欧州一の大国であった その後は勢力が衰えたが それでも首都ワルシャワは「東のパリ」と呼ばれ 商才に長けたユダヤ人の自由な移住を許してからは経済的に繁栄 特にユダヤ商人がポーランド人を差し置いて その繁栄・享楽・奢侈を謳歌し それが後々、反ユダヤの空気を醸成する原因になったのだが 昔、アンジェイ・ヴァイダ(ワイダ)の映画 約束の土地 Ziemia obiecana (1975年) を見たことがあるが その中で印象的な場面があった 華美と豪奢に奢ったユダヤの豪商達の放埒な姿を ヴァイダはやや人種差別では無いかと思えるほど ハイライトさせていた 歴史としてはその繁栄もまもなくナチスドイツの電撃作戦 壊滅され このワルシャワのユダヤ社会の繁栄 それは VIENNA JEW と呼ばれた文化経済の中心に成り上がった ウィーンのユダヤ人の復権が各国に拡散し 富裕なウィーンのユダヤ商人の中には爵位を授かるものも出てきた その代表格がロスチャイルド、フランスではロチルドである ユダヤ人の歴史上希な繁栄と自由はまもなく壊滅し ホロコーストによる民族浄化にまで至るのだが 神ならぬ身の彼らにはそんな恐ろしい未来はまだ見えていない そんな富裕なユダヤ社会はワルシャワにおいても花咲いたが そんなユダヤ人の幸福感とほのかに感じる不安 過去の悲惨な民族の記憶は 今の間違いない悦楽の中にあったも 濃い影となりなんとは無い不安は消え去らない だからこそ、さらなる悦楽を求め酒をあおる そんな世紀末のDESPARATE とも言えるユダヤワルシャワの繁栄と陰影 この曲は「POLISH TANGO」と名付けられははいても 明らかに当時のワルシャワの繁栄の中心ユダヤ人の音楽であり JEWISH POLISH TANGO とでも言おうか かすかにユダヤの香りが漂う旋律であり 上に述べたさまざまなものの象徴のように思われる 古い写真の中の人々は、みな当時の上流富裕層のユダヤ人 西スラブのポーランド人の容貌とは明らかに違う この曲の歌詞も、ポーランド語の後にイディッシュ(ユダヤ人が使ったヘブライ訛りのドイツ語)である 恐らくこの画面に出てきた人々 この曲に携わったひとびと 彼ら全員が各地の強制収容所で果てたである そいいう感慨で私はこの曲を聴く 何度も聴いている Composer: Lidauer, Lyrics: Zdrojewski/Biderman One of the most popular Polish tangos in late 30s. It was written by Władysław Lidauer, who died in Warsaw ghetto. Adam Aston under the name of Ben Lewi recorded it in Hebrew for Syrena-Electro already in 30s. The translation was made by Biderman. During the II world war, this record found it's way to Tel Aviv. Maybe it was brought there by Adam Aston himself, who came to Palestine with General Anders Polish Army. Vocal: Olga Mieleszczuk, Piano: Hadrian Tabęcki, Violin: Grzegorz Lalek, Contrabass: Wojciech Pulcyn, video: Amir Nezer お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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