カテゴリ:A 【米国】
【米国株式相場】
【かんべえの不規則発言】より <1月31日>(日) 〇ニューヨークダウが3万ドル割れ。いや、面白い。今の相場がバブルっぽいことは間違いないんだが、何がきっかけて崩れるのか、そのロジックがわからないと思っていたのだが、ロビンフッドねえ。そこでしたか。 〇だいたい自分のことを「ロビンフッド」などと名乗る輩を信用するものではありませぬ。貧しい人からは手数料は取りません、などと言いつつ、彼らは顧客情報をヘッジファンドに売り飛ばして収入を得ていた。ヘッジファンドはこれを高速トレードにかけて、ごく少額ながら鞘を抜く。こういうのをフロントランニングというのだそうで、顧客から見れば手数料を取られているのと同じことになる。 〇まあ、あれですわ。スーパーなんぞで「当店のカードをお持ちでしょうか?すぐに作れますし、割引になりますよ」とか言われて、ほんの数円の値引きと引き換えに、自分の顧客データを売り渡すのと似たような行為である。向こうはちゃんと儲けるすべがあるから値引きしてくれるわけで、タダより高いものはない、ということであります。 〇アメリカでは昨年から、コロナ対策の定額給付金を原資に小口の投資をする人が急増した。それが株高の一員になっていて、特に若者の投資が「ロビンフッダー」となって相場の一翼を担ってきた。それがヘッジファンドによる「ゲームストップ」株の空売りに立ち向かった、というからますますロビンフッド的になる。天下のヘッジファンドがショートスクイーズに遭って大損を出す、というとまるでアリの群れが巨象を倒すような胸ときめくドラマである。金融当局としても、SNSや匿名掲示板を使って相場操縦が行われていた場合、どうやって取り締まるかは悩ましいところであろう。 〇ここでロビンフッド・マーケッツが1月28日、急きょ取引制限を行った、というからドラマのようによくできている。彼らにとっては個人投資家はユーザーに過ぎず、真のクライアントはヘッジファンドであったのだ。つまりロビンフッドは巨悪とつるんでいたのではないか。ロビンフッドは「いえいえ、これは取引が急増して預託金が足りなくなっただけです。借り入れも増資もしましたから、もう大丈夫です」と言うけれども、それならそれでただの間抜けだったということになる。 〇さらに面白いのは、AOCなど民主党左派の政治家たちがロビンフッド批判を展開していることだ。彼らもまた「弱者の味方がしたい人」たちなので、あんまり信用すべきではないでしょう。少なくとも庶民を儲けさせてくれる人たちではありますまい。一部で待望論がありましたけど、エリザベス・ウォーレンが財務長官であったら、果たしてどんな恐ろしいことになっていたでしょうか。 〇仮に今、ツィッターのアカウントが健在であれば、トランプさんはこの株価下落を見て「だから言っただろう!民主党の奴らに任せておくからこんなことになる」と怪気炎を上げていることでしょう。2月9日になって弾劾裁判が始まれば、またいろいろ世間を騒がすことでしょう。その時の株価はどうなっているでしょうか。 〇まあ、だからと言ってここで、本格的にこれが「ゲームストップ」になって、相場が腰折れになるかはなんともビミョーなところです。相場格言では「節分天井、彼岸底」などといいます。後から考えると、ここが絶好の買い場だった!てなことになるのかもしれません。当溜池通信としては、こういうときの決め台詞であるところの「投資は自己責任でお願いします」を持ち出して、お茶を濁すこととなります。
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最終更新日
2021.02.01 09:39:12
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