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NHKという鏡 「字幕なしの英語聴き取り応援団」より 2018年06月05日 昔NHKのモスクワ支局に小林和男さんという方がいました。ロシア語に堪能な方だったようです。当時、国連では、常任理事国の一つロシアの言葉は、国連の公用語の一つで、実際に東欧圏から東では圧倒的に強い言語でした。(ロシアとソ連を区別しておりません。悪しからず。)このような方をNHKモスクワ支局に置くということは良い/良かった、と私は思います。 ですが、日本の企業の価値観からすると、専門家はつぶしが利かないとも解釈され、一般に出世の道は企業内「ジェネラリスト」ほどには広くないようです。おそらく、専門家を重用しないという文化は日本だけの企業文化ではないでしょうか。そして、ついでに申しますと、日本の会社の人事部は実に強力ですね。こんな国は他に見ませんね。採用、昇進、給料、配置転換を決定する。採用でも、平気で自分達の決めたはずのルール(就職協定)を破って、未経験者を大量に採用する。倫理観がなっていない割りに、権限、機能が集中しすぎている、採用では「原石」の価値が重要で、入社後「原石」を磨く行為は個人的努力に委ねて、ほとんど関与しない、できない、というのが、internationalな視点で見た日本の企業の人事部ですね。 さて、その昔私はNHKのワシントンかニューヨークで、いわゆるアルバイトで、アシスタントとして働いた現地の人の書いた本を読んだことがあります。日本語訳でした。細かなことは忘れましたが、現地スタッフとNHKの特派員とがどのような関係かを、現地スタッフの人の視点で書いたものです。その人は日本語がある程度できたようです。細かな内容は忘れましたが、 まあ、一言でいうと、NHKの支局を異動する人々はほとんど英語ができない、常識がない、ということでした。 現地の有力新聞の内容、意味、解釈を現地スタッフにたずねるし、自分で取材をしないまま、現地の新聞を読んで、自社のカメラの前でコメントをする。 ほとんど「おぼっちゃま」状態の人、ほとんど英語を話せないまま、配置転換があって次の支局に異動する、また金太郎飴のような日本人が来る、ということでした。 こんな人物による現地レポートを、本国の日本人は信じているのだろうか、という指摘でした。 (alex99) 私の海外経験から言えば これはNHKだけの話では無い 日本の新聞社も同じである 自分自身が英語ないしは現地語を駆使して直接取材する そういう新聞社の記者は少ない 現地人の助手を雇用して、彼らが取材したものを編集して本国に送る それが日本のやり方である だから、物事の核心を突いた報道などあまり期待できない 私が戦時下のベトナムに駐在していたころは特にそれを感じた 自らベトコンや北ベトナムに潜入して取材していたのは、 後に左翼の大御所となる本多勝一朝日新聞記者のみであった 本多氏と潜入取材に同行したカメラマンの人の講演を聞いたことがある また、有力者とのインタビューをセットアップしても、聞くことは辺り障りのないことだけ。カメラの前で、相手のなにかをえぐり出そうという気持ちはまったくなく、波風の立たない質問ばかりをしている・・・というような内容でした。しかし、時差のために、夜中でも日本時間に合わせて、勤務せねばならず、妻は大変であるとも。 こういうことを、私は若い頃知りましたので、それ以来あまりNHKの海外情報というのを信じなくなりました。 (alex99) 現在は、まだNHKはいいほうなのではないか? ひどいのは新聞社の方である 日本の新聞社の海外報道は、ほとんど、通信社の記事を買っているだけのもの 日本には悪名高い記者クラブというのがあります。 (alex99) 要するに互助会である 互助会であるから本当の競争は無い 競争の無いジャーナリズムは腐る それに入れない外国通信社、新聞社などの報道は、日本ではそれに反して、異常にステータスが高いですね。最近の、日大アメフト部の選手のプレスインタビューで使われたのが、有楽町にある海外特派員クラブです。 最近は、日本語をたくみに話す記者が増えました。 同じ位の英語、フランス語、ドイツ語を話す記者がNHKにどれ位いるのでしょうか。 まあ、時には、単に目立ちたがり屋的だけの記事だと思われる、東京発の記事がエコーバックして日本に伝えられることもありますが、NHKの海外支局よりは数段マシなのではないでしょうか。 英語は、今は、できて当たり前の言語です。 (alex99) 日本のブログ界にも同じことが言える 日本のブロッガーで、英語が喋れる人はまれなのではないだろうか? 「世界語」である英語さえほとんど理解しないまま 英語情報を読まないまま 世界情勢を語るとおかしなことになる 例えば、日本人であれ、非日本人であれ、たとえば南アメリカの研究者、例えば政治の研究者という人はスペイン語に堪能であるはずです。ですが、これだけでは、不十分で、同じ位、英語が堪能でないと論文の読み書きもままなりませんね。 しかも、欧米では、外国語ができることは、ほとんど評価されません。 なぜでしょうか。 それは英語ができる人は英語で読み書きができるので、 英語の本、雑誌を読むのが当たり前です。 できない人は読みません。 ですので、翻訳本は少しおかしな立ち位置になります。 本来売れないものを無理して売ろうとしている、というような感じでしょうか。 フランス語を読み書きできない人はフランスに関心をほとんど持たないものです。でも日本人は異常に好奇心が強いので、読み書きできないまま大学を出て、翻訳本を渡り歩くことになります。 それにしても、と強く思うのは、NHKの語学番組の多さ、ですよねぇ。 NHKの特派員の語学力の無さと、NHKの語学番組の多さというのは、 もしかすると同じコインの裏表なのだ、と言えるのでしょうか。 しかもそれが、ほとんど身につかずに、 しかし学習者は何年も忍耐強く、何年も続ける、という不思議。 NHKは本当に日本を映す鏡なのですね。 (alex99) 私はこの頃、ほとんどテレビを見ない その代わり、NHK第一放送をつけっぱなしにしていることが多い 民放ラジオはレベルが低いので聞かない たまにNHK第二放送にダイヤルを合わせてみると 殆んどの番組が語学学習番組である こんな国も珍しと思うが、 こんな状況でも日本人の語学力は世界最低(笑) 以前、ある時、知り合いの女性と町の中で出合った 彼女は近所の英会話学校に通っている もう、かれこれ10年も通い続けているとのこと しかし、彼女の英語力は見事なほどにプアーである(笑) 自分でも「英会話歴を聞かれると恥ずかしい」と恥じていた(笑) もう一つ、日本のラジオでの英会話番組での特徴は 全ての英語学習番組がアメリカ英語である事である 日本人は知らないようだが(笑) 世界の英語は英語と米語に二分されている状況で アフリカとか中東などでは、英語の方が一般的だったりするのだが 日本は見事にアメリカ英語、オンリーである NHK第二放送にダイヤルを回すと 不自然なほどに元気でノー天気なアメリカン米語が流れて来る 私は英語は東京弁、米語は大阪弁、と考えている 誤解を恐れずに言うと(笑)、米語と大阪弁は品がかなり低位である 日本の状況では米語に流れる風潮は仕方が無いが 言葉は人格である 格調と品位の英語も意識した方がいいと思うのだが まあ、英国本国では英語もいろいろなのだが 私がここで言っている英語はいわゆるRPイングリッシュである そんなこんなで、私はいつも、たかが英語と思っております-----皆様も、たかが英語が少々できるくらいで優越的地位に安住できると思ってはなりません。たかが英語くらいに大金を使うのは馬鹿げています。英語は指標ではなく、道具なのです。それにしては、嘆息が出るくらい日本人は外国語が下手ですけどね・・・
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