カテゴリ:🔴 B 【本・読書・文学】【朗読】
【復刻】 西洋の没落」を英訳で読もう 2010.10.18 この本に関しては、下記に復刻した日記に、6年前に書いたのだが、この本は、その後、挫折して「積ん読」になってしまっている おまけに転居時に、上巻・下巻の内、上巻を紛失してしまった それで、今回あらためて、買い直したら、同じ訳者だ しかし、これ以上面白い本はないほど面白い本なのだが、 いかんせん、内容が難解すぎるのだ そこで、英訳本を2種類購入した 日本語でも難解なのになぜ英訳本なのだ?と言う疑問を抱かれる人が多いだろうが、日本語訳よりも英訳の方が楽に読めるという本が、実は多いのだ というのも、原本から英訳する(rewriteする)過程で かならず、そうとう易しくなっている 英語の本というものは、英語という言語は、そんなものだ 例えば、トーマス・マンの【魔の山】や、ヘルマン・ヘッセのドイツ語原本の英訳 これらの resrite version は、これで本当に名作なのか?と言うほど(笑)易しくなっている これは、英単語(アングロサクソン語)の単純さ、わかりやすさと ドイツ語(ゲルマン語)の語彙の堅さ・難易性、それに文法が原因している 日本の小説だって、俳句だって、英訳してみると 味気ないほど、あっけないほど、シンプルで、分かりやすくて、簡単なのだ そのかわり、奥深さ、余韻などは全くない まして、幽玄などはない(笑) 極めてプラクティカルな感じになる やはり、英語の根底の old English の 北欧語独特の原始的(笑)シンプルさが残存しているのだ 例えば芭蕉の名句 古池や 蛙飛び込む 水の音 いろいろな英訳があるが、例えば "An old pond ― A frog leaping in ― The sound of water." どうしても、「それがどうしたの??」以外の感慨は湧き起らない 英訳で読む限り、芭蕉の名作も、幼稚園児の作品か? あるいは、ただの駄作としか、感じられない 極論すれば、英語という言語は、文学的な言語では無くて 「マニュアル=取扱説明書」や哲学書を書くのに適した言語である(笑) ・・・と断言してしまってもいい 私の独断と、偏見である 英詩なども、私は、感銘を受けない マザーグースなどは、単純だからいいが つまり英語は、陰影や複雑性や不規則性や豊潤さに欠けている 逆に言えばアルゴリズム的な構造的な実用性かある ただ、印欧語の中にも、詩歌・文芸に適した言語もある(らしい) 例えば、フランス語など、わからないなりにその美しさは 少なくともその響きの美しさはわかる 「ミラボー橋」や「枯れ葉」なんて、いいじゃない? スラブ語もいいらしい、いや、いい ロシア語も独特の重い、木訥な響きがある 語学的には、格などが、とんでもなく難解で、とんでもない言語らしいが それが、文芸や詩などに適しているというのだ (誰が言うのだ?と突っ込まないで欲しい)(笑) ポーランド語となると、その性悪の(笑)ロシア語より さらに格などが複雑になるのだから・・・ 「怒るで~! ほんまに~」 (急に、横山やすしになって、どうするねん?) 文法的に、例外・不規則性が多すぎるのだ 私は、ポーランドに滞在していたころ ワルシャワ大学の外国人向けの夏季講座に参加したことがあるのだが (偶然だが、この講座が開かれた建物は ショパンが子供の時代に家族で住んでいたという) 授業中には、外国人の生徒達が 「こんなに不規則な法則?だらけの言語は、規則正しく作り直すべきだ!」 と、理不尽な事を言い出して(しかし、私も大いに同意した) 色の白い、とても美人でシャイな、若い、美人の(もういい?) ポーランド人の先生を困らせていた この先生は美人で(笑)、ポーランドの京都というべきクラコフにある 世界で三番目だか?に古い、コペルニクスも卒業生という クラコフ大学の日本語学科を出た美人の(笑)女性だったが 愛国心も強く 「いいえ そこにポーランド語の美しさがあるんです」と 懸命に頑張っていたが 今になって考えてみると、彼女が正しい (この夏季講座については、別に書こう) ポーランド語という言語無しに、ミツケビッチという ノーベル賞を受賞した大詩人も生まれなかっただろう ただ、文法の恐ろしいまでの不規則性、そこに、ポーランド人の 複雑で気まぐれな個性・陰影が出ていて それが、文学・詩歌に適しているのだ 英語は、印欧語の中では、まるで人工言語のエスペラント語のように 文法も整理されすぎて、ほとんど無いに等しい スベスベでシンプル しょせん、プリミティヴな、ザッハリッヒなスカンジナビア語群の言葉だから (ノルマン・フレンチも混入いるが) 基本的に詩的ではないのだ ―――― ◇ ―――― 「西洋の没落」の英訳本を2種類、購入したと書いたが、これは下記である (1) THE DECLINE OF THE WEST オックスフォード・ペイパーバックス オックスフォード大学出版 これは要約版である 私の母校の出版である これは、もちろん、大ウソである ペイパーバックスだから、一冊である (2)THE DECLINE OF THE WEST (VOLUME 1) THE DECLINE OF THE WEST (VOLUME 2) GENERAL BOOKS出版 こちらは、割に厚い二冊で、どうやら完訳版らしい そう願っている 実際には、和訳と英訳を比較対照しながら チビチビと読んで行くことになると思う それに、いまはやりの「自炊」をして(業者に依頼するつもりである) 電子書籍にしてしまってて アマゾンの kindle の最新版でも買って読もうと思う iPadは液晶だから、その画面はギラギラしていて (仙石幹事長みたい)(笑)読書には適しない 漫画にはいいかもしれないが、私は、漫画は読まないから、キンドルなのだ キンドルや iPad は、知らない単語にカーソルを重ねると、訳が出るそうだ と言っても、英英辞書の訳だろうけれど しつこいが(笑)こんなに、生涯の友という本は、他にないだろうと思う トインビーの本もちょっとかじってみたが シュペングラーとは深さ・博学の度合いが比較にならない おまけとして(と言うなよ!)(笑)松岡正剛氏の「千夜千冊」での批評をリンクしておきます ―――― 復刻日記 2004年―――― この頃は、日記のコメントでいろいろ楽しませてもらったけれど 日記を始めた頃の読書日記という目標が全然達成出来ていない。 その一方で、私の部屋は古本で(新本もあるが)、ますます溢れて行く。 ご馳走を食べる時に、自分の好きなものを最初にパッと食べる人と それを残しておいて最後に味わって食べる人がいる。 私は、読書に於いてはいままで、どうやら前者のタイプだった。 取っつきやすい、読んだら捨ててもいい本を優先して読んでしまっていたような気がする。 ところが、この本(第一部と第二部の全二巻だが)の、極一部を昨日読んでみて 本の読み方・優先順位を変えなければいけないと思った。 「西洋の没落」 ご存じ、シュペングラーの古典的名作。 西洋はすでに繁栄のピークにあり、21世紀には没落するという理論だ。 もっとも「西洋 THE WEST」というのは一種の誤訳で 本当は、ドイツ語の原題を英語に直訳すると 「オキシデント OXIDENT」になるらしい オリエント ORIENT の対照となる言葉だ 西洋という範ちゅうとは少し違うらしい。 そういえば「オリエンタリズム」という本も、積ん読で読んでいない この本を、ガチガチの面白味のない理論書だろうと 私にあっているなと(笑) ちょっと読んでみたら・・・。 驚いた。 歴史・哲学・芸術・神話・・・・、ありとあらゆる分野の究極の博学を 自分でも楽しみながら、るる話はじめているのだ。 こんな楽しい本は無い・・・。 こんなに深い本は少ないな~。 ちりばめてある、ちょっとした一片のエピソードが とてつもない深い知識に裏打ちされているので 私には、とても彼の言いたいことの一割も読みとれない。 歯がゆい。 しかし、その歯がゆさが、こんなに素晴らしい世界がまだ残されているのだ! という思いにさせる。 これからは、定評のある古典を次から次へと征服しよう! 女性より古典! (こういうことを冗談で言うので、私は誤解される) 探検好きな私にとって、この地球上にもうそれほどの秘境は残されていない。 女性という秘境はもうあきらめたし (こういうことを冗談で言うので、私は誤解される) これほど残念なことは無いが、知の世界にはまだまだ フロンティア・秘境が残されているのだ。 しかし、その秘境に乗り込むには、自分自身が 最低限の学識・知識という装備を持つ必要がある。 今日は好きなインド料理をこれから食べに行きたいので これを書いていても、気もそぞろ。 お粗末ですが、これぐらいにして外出としたい。 「辛いものはお好き?」 Some Like It Hot
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.05.20 20:53:27
コメント(0) | コメントを書く
[🔴 B 【本・読書・文学】【朗読】] カテゴリの最新記事
|
|