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小島よしおに聞く、小4女子のギモン「オンライン授業も選べるのに何のために学校に行くの?」〈dot.〉 10/8(金) 16:00配信 AERA dot. コロナ禍で、小学校によってはオンラインで授業を行うところも出てきました。自宅でのオンライン授業か学校での対面授業かを選べる学校に通う小学4年生の女の子は、「疲れるから家でオンライン授業を受けていたい。何のために学校に行くの?」と不満げ。数多くの子ども向けライブを開催し、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」も大人気の小島よしおさんが子どもの悩みや疑問に答える新連載。小島さんが大人になって気づいた小学校のおもしろさとは。 * * * 【相談1】 何のために学校に行かないといけないのですか。いまコロナで、オンライン授業か通学かどちらかを選べるのですが、わたしは親に言われて学校に行っています。学校で友だちに会えるのはうれしいけど、学校に行くのは疲れるので、家でオンライン授業を受けていいと言われている子がうらやましいです。(小学4年生・女子) 【よしおの答え】 こりゃこりゃほんと、今ふうな悩みだね。自宅でオンライン授業を受けられるようになるなんて、僕が小学生のときには想像もつかなかった。今はお仕事の打ち合わせや取材だって、オンラインでできちゃう。君のお父さんやお母さんも、“リモートワーク”をしていたりするのかな? 確かに雨の日や暑い日・寒い日に学校に行くのは大変だから、家で授業が受けられるのがうらやましいっていう気持ちはわかるなぁ。 僕もコロナの流行が始まってから、それまでたくさんの人の前でやっていたお笑いライブをオンラインで開催するようになった。YouTubeで「おっぱっぴー小学校」というチャンネルをつくって、いろんな勉強について発信することも始めたんだ。 人前でライブができなくなったのは残念だったけど、オンラインで発信を始めたら、今までにない“横のつながり”が生まれた。ライブでは隣に座った人と話すってことあんまりないと思うし、いちばん前の席の人といちばん後ろの席の人がかかわりを持つなんてことはほとんどない。でも、YouTubeやオンライン配信では、コメント機能を使ってお客さん同士がコミュニケーションをとっていたんだ。お客さんがコメントで僕に話しかけてくれて、それに答えることができる、っていう新しい発見もあったかな。 だからもちろん、オンライン授業にもいい面があると思うよ。リラックスした環境で勉強ができるし、友だちの前では恥ずかしくて質問しづらい子も、オンラインなら先生に聞けるかもしれない。使い方によっては対面授業よりいいこともあるから、もしおうちにいたいならオンライン授業も工夫しながら受けられたらいいよね。 でも、やっぱり僕はお客さんの前で直接ライブがしたい、って思う。お客さんの笑い声や歓声をダイレクトに味わえるのがライブのおもしろさだと思うから。 もしかしたら学校の先生たちも、君の反応を楽しみに授業をしているかもよ。家でオンライン授業を受けている友だちも、本当は「学校に行ってみんなに会いたい」って思っているかもしれない。おうちでお仕事しているお母さんやお父さんだって、会社に行きたいと思っているかも! ■「ちょっと苦手」な友だちと一緒にいることも大事 君は学校で友だちに会えるのがうれしいんだね。すごく素敵なことだ! もしかしたら、なかには好きな友だちもいれば苦手だと思う友だちもいるかもしれないね。オンラインで人に会わない状況になると、連絡をとるのは仲のいい友だちだけになるかもしれない。でも僕は、自分が「ちょっと苦手だな」と思う友だちとも一緒にいることが大事だと思うんだよね。 そんなこと言って、実は小学生のころの僕は友だちとの関係で悩んだことはなかったんだけどね(苦笑)。でも、大人になってそう思うようになったのには理由がある。芸人という仕事を始めてから、苦手な人とも絡まないといけない機会が出てきたんだ。 仕事柄、いきなり一発ギャグや芸の披露を求められる“むちゃぶり”はたくさんあるし、「お前おもしろくないな」って先輩芸人から言われたこともあった。「わ~、いやだな~」と思うこともたくさんあったけど、「この状況をなんとかしよう」っていう気持ちからギャグが生まれたり、周りとのコミュニケーションを工夫したりした。 苦手な人や苦手なことって、時には自分の思わぬ部分を引き出してくれたりもするんだよね。苦手な友だちに限らず、いろんな人がいる場所は感情を動かしてくれる。それが、まだ知らない自分に出会えるきっかけになるかもしれないしね。 僕は小学校を卒業して30年くらい経つけど、小学校って本当におもしろい場所だと思う。塾は「勉強をする」「成績を上げる」「志望校に合格する」とか通う人たちには明確な目的があって、その目的はみんな似ているよね。高校や大学でも、おおよそ似たような偏差値や価値観を持った人たちが集まるし、会社に入っても、大きな目的はだいたい一緒。 でも、小学校ってどうだろう。特別な場合をのぞいて、集まってくるのは本当にいろんな人じゃないかな。家庭環境、将来の夢や目指す場所、得意なことも苦手なこともバラバラな人たちがいる。そんな環境で過ごすことって、大人になってからはあんまり経験できない。今まさに小学校に通っている君には当たり前で退屈に思えるかもしれないけど、小学校ってかなりおもしろい場所だよ。 大人の社会って、人とのかかわりが欠かせないんだ。大人になればなるほど、そう思うことが増えたよ。人に会わなくてもできる仕事が増えて、コンビニやスーパーもお会計は機械がやってくれるようになったよね。だからこそ、これからは人間にしかできないことがより大切になってくると思うんだ。 いくらAI(人工知能)が発達しても喜怒哀楽は人間だけが持っている感情で、それは人とのかかわりから生まれる。学校は、悲しい気持ちになったとき、怒りたい気持ちになったとき、その気持ちをどうコントロールすればいいのかを考える場所でもあると思うんだ。 ここまでいろいろ考えてみたけど、やっぱり僕が思う一番の「学校に行く理由」は「人に会うため」。いろんな人と話したり、一緒に何かを作ったり、運動したり……。人と何かをするってことは、大人になってもずっと続く。だから、今はそのための練習期間だと思って、学校に行ってみたらどうだろう。 ……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな? 【質問募集中!】 小島よしおさんに答えてほしい悩みや疑問を募集しております。 お気軽にお寄せください! https://dot.asahi.com/info/2021100800087.html 小島よしお(こじま・よしお)/1980年、沖縄生まれ千葉育ちのお笑い芸人。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「そんなの関係ねぇ!」でブレーク。2020年4月からYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で子どもの学習を支援する動画を公開。キッズコーディネーショントレーナーの資格を持ち、子ども向けのイベントを多数開催している。サブスク制チャンネル「小島よしおの『前向き道場』」もスタート。
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