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今の現代日本社会事情
「かんべえの不規則発言」より <11月6日>(土) (alex99) 一ヶ月ほど前の stale 気味な記事なのだが引用してみる というのも、今回の記事は、実に鋭い示唆が横溢して素晴らしい と最高級の評価をしたいからである なお、かんべえさんの不規則発言は日誌的であり特に表題は無いのだが 今回は私が上記の表題を勝手につけてみた ―――― 記事 ―――― ○今回の総選挙における自民党勝利は、若年層の投票行動によるもの、というのが当不規則発言の仮説である。 これはまあ、状況証拠みたいなもので、確かな証拠があるわけではない。 今の社会の意識変化調査みたいなものがどこかにないかなあ、と思ったら、三浦展さんから『大下流社会』(光文社新書)を頂戴していたことを思い出した。2005年の『下流社会』の大ヒットから幾星霜、とうとう日本全体が下流になってしまった、という実も蓋もない(それこそが三浦流なのだが)ことを書いた本である。 ○三浦さんのことを、パルコの『アクロス』編集長時代(80年代)から知っている者としては、本書におけるあいかわらずの三浦節がなんとも心地よい。いや、ところどころ「ここは学術的にいかがなものか」とか、「それは偏見が過ぎますよ」などと突っ込みたいところも出てくるのであるが、それ以上に得るところが大きいと感じる本である。 ○まずいろんな意識調査を比較検討していくと、「中流という概念がもう古くなっている」。若い世代に階層意識を聞いても「わからない」と答える人が増えている。強いて言えば、中流らしさの条件とは、大学を出ている、正社員である、30代で結婚している、といった辺りが中流の条件なのだろう。そして上流は上流のままだが、中流は下流化している。もしくは「デフレ中流」「ニセ中流」となっている。 ○それから生き方の問題として、 ・ 「快志向」(毎日楽しく)、 ・ 「愛志向」(なごやかに)、 ・ 「利志向」(豊かな生活を)、 ・ 「正志向」(世の中をよくする) と言った分類をすると、 「正志向」がなんと3%しかない。 もともと低かったのだが、特に中高年で「 世の中をよくしたい」という気持ちが低下している。 これはまあ、なんとなくわかる。 地球環境問題に関して、グレタ・トゥーンベリさんのような 日本人はあまり出てきそうにない。 (alex99) 「正志向」が、わずかに3% これは、言い換えれば、今の日本人には 「志」というものが欠落、もしくは、著しく減衰している そういう事だと判断してもいいと思う 国民としての「正志向」とは、国防意識だと私は思うのだが ○若い世代は自民支持・安倍政権支持といわれているが、 かならずしもそうではない。 評価する人は他の世代と大差ないが、 評価しない人が少ないから、 結果的に支持が多いように見える。 以下、 ・ 「高年収の若い男性は安倍評価が高い」 ・ 「高学歴女性は安倍評価が低い」 ・ 「男性一人暮らしでは評価が高いが、シングルマザーでは低い」 ・ 「相続する資産が多い人は評価が高い」 など、いかにも、といった結果が続く。 ○ここの部分の指摘が面白かったが、 「若い人たちは批判ばっかりする奴はウザい」と感じている、 というか、批判すること自体が嫌いである。 「コミュ障と呼ばれないためには、 野党的なふるまいをしないように気をつけねばならない」 のだそうだ。 確かに野党や一部メディアの「モリカケ桜攻撃」に対して、 いい加減にせえや、と感じている人は少なくないように思える。 ○安倍政権を支持する人は「利志向」が強く、 評価しない人は「正志向」が強いのだそうだ。 それもさもありなんで、 安倍首相の虚偽答弁を野党がいくら攻撃しても、 さほど打撃にならなかった。 そもそも日本全体で「正志向」が低いのだから仕方がない。 (alex99) 私が、安倍元首相の安全保障分野における偉大な業績にもかかわらず 彼に失望した原因も、彼の臆面もない幾多の虚偽答弁である ○ただし安倍支持者の中でも、 ・ 上中流(エリート層)は愛国的・復古的・排外的ではない (ここで三浦氏は胸をなでおろす)。 これに対し、愛国主義的(いわゆるネトウヨ的)な言辞を吐く コメンテーターたちは、 いわば下流の安倍支持者御用達ということにな。・・・・・ (alex99) 私も「愛国的・復古的・敗退的」では決してない つまり、エリート層なのか?(笑) 一方、楽天の議論ブログなどには、ネトウヨが…(以下自粛) では、彼らは、下流なのか(以下自粛) だからと言って、ここに『ゴーマニズム宣言』の影響がある、 というのは、いささか小林よしのり氏への 買いかぶりが過ぎるのではないですか、三浦さん。 ○こうして浮かび上がってくる現代社会像は、 醜悪なものにも思えるが、 一方で愛すべきわれらが日本社会、 やっぱこうだよね、という気もする。 今回の選挙についていえば、たぶん若い世代は「野党嫌い」である。 もっと言えば、他人の「正志向」をうさんくさいと感じている。 (alex99) なるほど 立命・枝野「元」党首の国会における「罵倒攻撃」が 功を奏さないはずでR(笑) その点、自民党はもともとが堂々たる「利志向」であり、 「快志向」である。 いわば日本人のホンネを直視して、 有権者に実利を与えることを優先してきた政党である。 だからこそ、長らく与党であり続けることができたのだろう。 ○この構図は、たぶんにアメリカ政治においても 「共和党の利志向」「民主党の正志向」という形で当てはまると思う。 日本の場合、正志向自体が低いので、政治はどうしても保守が強くなる。 ジェンダーなどの問題が遅れているのも、たぶんにそこに原因があるのだろう。 逆にアメリカは、マイノリティが様々な形で「正義」を叫ばなければならない社会である。 井上達夫教授が言う通り、「リベラルとは正義のこと」なのである。 ○ということで、本書「大下流社会」からは、 今回の総選挙の謎解きとまではいかないまでも、 傍証のようなものが得られたような気がしております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.11.22 14:45:31
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