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「富士山噴火」は必ずやってくる… 知らないと命にかかわる「やってはいけない」意外な行動 『週刊現代』2021年12月11・18日号より 山梨と和歌山で同じ日に震度5弱の地震があった。トカラ列島近海では群発地震が続いている。遠くインドネシアでは火山が噴火した。 いつか必ず来るといわれる富士山噴火への備えはできているか。 2時間で灰が押し寄せる 1707年12月16日、富士山が噴火した。世にいう「宝永噴火」である。約2週間にわたって噴煙は続き、江戸の町全域に約2cmもの火山灰を降らせた。以来、300年以上、富士山は沈黙を守り、マグマのエネルギーを溜め続けている。 ところが、その富士山に異変の兆しが見え始めた。 火山学者で、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏がこう指摘する。 「12月3日早朝に山梨県東部・富士五湖を震源とする地震が発生しました。 これが富士山のマグマの流動に応じて起こった地震であれば、噴火が近づいているとも考えられるわけです」 日本では現在、各地で地震活動が盛んになっている。もしも富士山が本当に噴火したら、その時、私たちはどうしたらいいのか。「そんなバカな」と油断していたら、逃げ遅れることになる。 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が話す。 「富士山は最も観測体制が整っている火山で、噴火の数週間から1ヵ月前には、その予兆が捉えられるでしょう。噴火の直前には火山性微動が多発し、気象庁から『噴火警報』が発令されます」 ただし、噴火がどの程度の規模であるのかわかるまで、実際に噴火してから30分〜1時間はかかる。その間、テレビやスマホのニュースで続報を待つなど愚の骨頂だ。 とにかく逃げろ。 なぜなら噴火から2時間もすれば、火山灰が上空の偏西風に吹かれて東側に広がり、東京に押し寄せるからだ。 「記録によると、『宝永噴火』でも噴火から2時間で江戸に火山灰が降りました。 首都圏で生活する人たちはこの影響を考えておく必要があります。 首都圏にわずか0・5mmでも火山灰が降り積もれば、電車は動かなくなる。道路の白線が埋もれてしまうと、歩道と車道の区別もわからなくなり、車もまともに通行できなくなります」(島村氏) 外出先で富士山噴火を察知したら、すぐに帰宅するのが正解だ。 しかし、夜間の噴火の場合は、下手に動くと帰宅難民になる可能性が高い。その場合は、職場などで一夜を明かし、状況を把握してから帰宅の準備をしたほうがいい。 家族と別々にいる場合は、すぐに連絡を取り、現在いる場所と落ち合う地点を共有しておこう。 「東日本大震災でも見られたように、通信量が急増すると電話もつながりにくい状態になります。火山灰がひどくなると、ネットなどの通信網もダメージを受けるので、スマホが機能するとは限りません。そうなる前の噴火直後に電話やメール、災害用伝言板、SNSなど様々な手段を通じて家族に連絡しましょう」(前出・和田氏) 富士山噴火の時に旅行や出張で飛行機を利用していたらどうなるか。 災害リスクマネジメントの専門家で、立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が解説する。 「富士山で大規模な噴火が起こると、噴煙は1万m以上、上空に押し上げられます。ちょうどその高度を飛んでいるのが、飛行機です。火山灰はガラスのような性質を持ち、熱で溶け、冷めればすぐに固まります。 ジェットエンジンが火山灰を吸い込むと、火山灰が溶けて固まり、深刻なトラブルを引き起こす。エンジンがストップして、墜落する可能性もあります。多くの飛行機は火山灰の風下にある空港を避けようとするでしょう」 火山灰が東京で降り始めるまでの2時間の行動が明暗を分ける。 そうはいっても、すぐに動けない事情があったりして、火山灰の中を動かなければいけないこともあるだろう。そんな時、なにに気をつければよいのか、 その詳細は後編の「備えがなければ、死に至る「富士山大噴火」…ライフラインが止まり、食料も手に入らない」でお伝えしよう。
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最終更新日
2022.01.29 22:26:56
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