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[Financial Times]Q&A:ロシアをSWIFTから排除できるのか 2022年1月31日 15:38 By Sam Fleming, Martin Arnold & David Sheppard (2022年1月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/) (alex99) 私は、二・三日前のウクライナ情勢記事で 「私はロシアがウクライナ攻撃に踏み切ると思う」 と、書いてしまった しかし、その後、second thought. 下記の FTの記事にあるように、欧米が制裁の一環として、ロシアを SWIFT NETWORK からの排除を考慮中と言われており、そうなると、ロシアは国際間の銀行取引ができなくなる コロナ禍などの影響でロシアの唯一の輸出商品「天然ガス」の価格が上昇しているとはいえ、このような重大な被害を被ってまで、敢えて、ウクライナを掌中に入れようとするか? 犠牲があまりにも大きいでは無いか? そう思ってのだが ちょうど、FTが、その問題について記事を書いているので読んでみよう ―――― FT記事 ―――― 米欧の同盟国はいま、ロシアのプーチン大統領がウクライナ攻撃を命じた場合、SWIFTのネットワークからロシアの銀行を排除すべきかどうか検討している。 Financial Times ロシアがウクライナを侵攻した場合、ロシアに発動する制裁を巡る議論で、地味ながら世界の金融システムで極めて重要な役割を果たしてきた(銀行間の国際的な決済ネットワークである)国際銀行間通信協会(SWIFT)が注目を集めている。 SWIFTはベルギーに本部がある非営利団体だ。 数兆ドル(数百兆円)にのぼる世界の銀行間の送金、決済に関するメッセージのやり取りを担っている。 これまでも国際危機が起きるたびに何度となく脚光を浴びてきた。なかでもイランの核開発計画に関して緊張が高まった際には、2012年と18年の2度、SWIFTは制裁対象となったイランの銀行からのアクセスを遮断した。 米欧の同盟国はいま、ロシアのプーチン大統領がウクライナ攻撃を命じた場合、SWIFTのネットワークからロシアの銀行を排除すべきかどうか検討している。 だが、それがロシアに圧力をかける最も有効な方法にはならないと指摘する当局者や専門家は多い。 SWIFTはなぜ重要なのか? SWIFTは世界の銀行にメッセージ通信システムを提供している。支払請求を伝達し、その記録を欧州と米国にあるサーバーに保管している。SWIFTは2000を超える銀行やほかの金融機関が共同で保有し、1日4200万件のメッセージを扱っている。 国際決済システムはほかにもあるが、SWIFTの役割は飛び抜けている。 12年にイランの銀行のいくつかを締め出すと、(原油取引に伴う国際決済に支障が出て)11年に日量300万バレルを超えていた同国の石油輸出が数年で同100万バレル程度に落ち込む一因になった。 14年にロシアがウクライナ南部のクリミア半島の併合を宣言したとき、最終的に見送られたが、米国の複数の政治家はロシアをSWIFTから排除するよう求めた。その際、ロシアのクドリン元財務相は、そうなるとロシアの国内総生産(GDP)が最大で5%縮小する可能性があると指摘した。 ロシアは20年、SWIFTを通じた全取引の1.5%を占めていた。同国は国内決済の約2割を扱うSPFSという独自のメッセージ通信システムを構築したが、能力と規模のいずれもSWIFTには及ばない。 実際にロシアをSWIFTから外せるのか? ロシア軍はウクライナとの国境付近に兵力を積み上げるなか、ロシアへの制裁を巡る欧米の同盟国の議論でSWIFTは焦点の一つになっている。 欧州連合(EU)と米英は、ロシアのウクライナ攻撃の規模に応じて制裁の強さを変える基本パッケージの一部として、金融制裁を採用することで合意済みだ。 EU当局者らは「すべての選択肢がテーブルの上にある」と強調するが、SWIFTからのロシアの締め出しは基本パッケージのなかで最も可能性の高い措置だとは考えられていない。 SWIFT側にいわせれば、その立場は「中立」で、「国家や機関などによる制裁に関するいかなる決定はすべて、その能力を持つ政府機関と該当する立法機関に委ねられる」。 SWIFTの最高経営責任者(CEO)を経験したゴットフリード・レイブラント氏は21年にフィナンシャル・タイムズ(FT)が開いたフォーラムで、SWIFTは独立した組織ではあるが、取り扱う金融取引の4割超が米ドル建てなので、実際には米政府が制裁に関する権限を握っている、と述べた。 SWIFTからの排除よりも可能性が高いのは、ロシアの銀行と、同国の銀行が手がける通貨ルーブルの国際通貨への交換に照準を合わせた制裁だ。 ロシアの金融取引がSWIFTの外側に流れる形での制裁逃れが起きないように、EUはスイスなどEU非加盟国との調整も始めている。 制裁に絡む役割で、SWIFTは過大に評価されていると指摘する専門家も少なくない。欧州のシンクタンク、ブリューゲルのニコラス・ベロン氏は、SWIFTから締め出された場合、ロシアの銀行には「活動するうえでかなりの問題」が生じるものの、それだけで米国や欧州の銀行と取引ができなくなるわけではないと指摘する。 米欧の同盟国に代替策はあるか? ロシアの銀行をSWIFTから締め出すよりも、同国の主要な銀行を直接、制裁で狙い撃ちする方が打撃は大きくなるかもしれない。 ズベルバンク、VTBといったロシアの大手銀行が米国のブラックリストに載れば、実質的に国際金融システムから切り離される。世界の銀行が、ブラックリストの銀行と取引すれば、米当局を敵に回すことになりかねないからだ。 米シンクタンク、新アメリカ安全保障センターのエドワード・フィッシュマン非常勤研究員によれば、制裁対象になったロシアの銀行は軒並み、「重大な流動性の問題」と「劇的な信用の低下」に直面し、同国政府に救済を強いる可能性がある。それに比べ、SWIFTから切り離すだけでは、ロシアの銀行にとって存続に関わる危機でなく、「頭痛」のタネになるくらいのことだという。 フィッシュマン氏は、ロシアの銀行と同国の石油輸出に打撃を与える制裁が最も効果的だと主張する。 オランダの金融大手、INGのロシア担当チーフエコノミスト、ドミトリー・ドルギン氏は「SWIFTからの締め出しは国際取引ができなくなることと同じ意味ではない」と話す。 外国為替業務の軸のズベルバンク、VTB、ガスプロムバンクというロシアの三大国営銀行に対し、米国が強力な制裁を発動することが「(ロシアにとって)最も厳しいシナリオ」になるという。 ドルギン氏は、14年にバンクロシアが政府の支援で生き残ったように、ロシアの下位銀行でも米国の制裁に耐えられるかもしれないと付け加えた。バンクロシアはロシア政府の後ろ盾を得て、併合を宣言されたクリミア関連と、ロシアの卸売電力市場向けの業務で最大手の銀行になった。 欧州はSWIFTを経ずにロシアにガス輸入の代金を払えるか? それはいまよりも困難になる。ロシアの複数の政治家は、代金が支払われなければ同国からのガスと石油の供給はすぐに止まると警告している。欧州で供給されるガスの4割がロシア産だ。欧州は足元で、ガスの記録的な価格高騰と供給不足に直面している。原油価格も1バレル90ドルを超え、14年以来の高値になった。 ロシア上院のズラブレフ副議長は「ロシアがSWIFTから切り離されれば、私たちは(外貨を)受け取れなくなるが、買い手もロシアで産出する石油、ガス、鉱物を手に入れることができなくなる」と指摘する。 欧州の銀行幹部の一人は、SWIFTからのロシア排除が現実になった場合、欧州側がガス代金の支払いを継続するため、ロシアの供給元のため欧州の銀行に第三者預託口座を開設し、そこにユーロ建てで入金して、制裁解除後に引き出してもらうことはできると指摘する。だが、代金が多額であることと、供給元側が抱えるリスクが大きいことを考慮すれば、現実的ではない。 制裁を管理する米財務省外国資産管理局(OFAC)に勤めた経験があり、現在は経営コンサルティング会社オリバー・ワイマンで制裁担当責任者を務めるダニエル・タネンバウム氏は、米国とEUは、もっぱら(欧州への)ガス供給に混乱が生じる事態を恐れ、慎重に検討せざるを得なくなるに違いないと解説する。ロシアの銀行をSWIFTから切り離すのは「ライフル銃で済むのに、代わりにバズーカ砲を使うようなものだ」と話す。 「ロシアの主要な金融機関を実質、グローバル経済から切り離すような形で、制裁対象に指定する方が(ロシアをSWIFTから切り離すよりも)効果的だと言って差し支えないだろう」とタネンバウム氏は話す。「そのうえで、エネルギー輸出をはじめとする商業取引をロシアに禁止せず、こうした貿易に絡む金融を手がけることができるようロシアの下位の金融機関を制裁対象から外しておけば、(米欧の同盟国は)制裁の副作用として被る経済面での打撃を和らげることができる」 ―――― 私の感想 ――――
ガス供給の4割をロシアに頼る欧州は、米国と違って 首根っこを押さえられているようなものだ ロシアのガス供給がドイツなどは人、たちまちエネルギー危機である 停止した原発も再起動しなければならない 太陽光発電などではベース電源になりえないのである 元KGBプーチンがそれを見逃すはずが無い 制裁は、米国主体となりそうである お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.02.05 08:23:18
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