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処刑されたサウジアラビアの恋する王女 ≪復刻日記≫ サウジアラビアの王女が男装しての恋の逃避行に失敗、 処刑された広場を見下ろすホテルに宿泊したこと 1977年、サウジアラビアのある王女が処刑された。 彼女は既婚者である上に平民の男と恋に落ち、男装して海外に逃亡しようとしたが発覚して処刑された。 罪名は姦通罪だったと思う。 なんでも処刑場に連れ出された二人はすでに鎮静剤を大量に打たれて意識朦朧としていたという。 王女は銃殺、男は斬首された。 通常、アラブでの姦通罪での処刑は石打刑である。 息が絶えるまで民衆に投石されるのだが、一方の罪人が王女だから、温情の特別処置だと思う。 ーーーー 私はこの王女が処刑された街、サウジアラビアの西海岸の商都・ジェッダに何度も長期出張していたが、タクシーなどで事務所から宿舎へ帰る途中に砂地の広場があってその広場を取り巻くようにカフェテラスが並んでいる。 この広場は首切り広場と呼ばれていて、処刑が行われる場所でもある。 中東では処刑も娯楽の一種である部分がある。 日本でも江戸時代の処刑場では、竹矢来の外は野次馬で一杯だったと言うことだ。 ーーーー ある出張でジェッダに入った時のことだが この時はまともなホテルに空き室がなかった。 仕方がないのでこの首切り広場に面したホテルに宿泊した。 ―――― ◇ ―――― もともと昔の中東はどの大都市でもヒルトンぐらいしか外国人が宿泊できるまともなホテルが無く、しかしそこはいつも満員でなかなか宿泊できなくて、大変な苦労をした。 その代わりいったん宿泊してしまえば、何しろヒルトンだからなんでも豪華版。 ただし、そういう booking も、数日分しか取れないで、また、すぐ、追い出されるのだが その後、少し時代が経って ヒルトン以外にシェラトン・インターコンチ・その他有名ホテルが増えたが、現地のホテルとはあまりにも格差があって、ビジネスマンはみな一流ホテルに宿泊していた。 おかげで私も一流ホテルの宿泊歴だけは、たいていの人よりは上だろうと思う。 ―――― ◇ ―――― この時、私が宿泊したホテル?は典型的なアラブの商人宿で、窓は小さいものが高い所にあるだけで、建物の外は強烈な陽光だが、ホテルの室内は薄暗い。 監獄といってもいいような室内である。 違いは出てゆく自由があることと、こちらが宿泊代を払うと言うことぐらい。 家具もベニヤ板の安っぽい洋服ダンスがあるだけ。 中には針金のハンガーが二・三個ぶら下がっている。 それに紅海沿岸は湿気もすごいから(湿度100%)、ひどくかび臭い上に、シャワーを浴びないアラブ人の、汗だらけのすえたような、苦いような強烈な体臭が鼻をつく。 しかし、こんなホテルには慣れている私だから、ベッドにドンと身体を投げ出したが、それでもおどろいた。 ベッドの底が抜けて、身体が沈み込んだ。 みなの汗がベッドのスプリングを錆びさせて、ついに底が抜けたらしい。 部屋の隅にもう一つある粗末なベッドで寝ることにした。 しばらくしてベランダに出てみたら首切り広場が真下に見える。 処刑は金曜日に行われると言うから今日は静かなようだ。 その内にはてな?と思った。 例の英国人ジャーナリストが盗撮したのはこの首切り広場廻りのホテルの一つのはずだが、ひょっとしたらこのホテルかも知れないと思った。 ーーーー このサウジアラビア王国のある王女が平民の男性と恋いにおちいった。 平民との恋愛・結婚はサウジでは御法度である。 二人は変装して国外に逃れようとした。 王女も男装した。 しかし、出国の際に見破られて逮捕された。 そうして、公開処刑された。 ふつう、イスラムでの姦通罪は、地面に埋められて、民衆から石を投げつけられて死ぬのだが、温情で首切りとなったようだ。 ーーーー ある英国のジャーナリストがこのサウジの王女の処刑の場面をたまたま宿泊先のホテルでバカチョン(今は差別語だが)カメラで撮影して、帰国した英国で雑誌で発表、英国とサウジが国交断絶寸前にまで至った事件がある。 ―――― ◇ ―――― もうひとつ王女の恋物語がある。 場所はサウジアラビアではなくて、対岸の小島のバハレーンである。 女性はバハレーンの首長の親戚の王女。 男性は米海兵隊員。 ショッピング・モールでお互いに一目惚れで恋愛関係に入ったと言うことだが、そんなことが果たしてあり得るのかな? 私は個人的には疑問なんだが。 バハレーンは小さな島国なのでバスに乗った経験はないが、サウジアラビアではバスの中が二つに区切られていて男女は七歳以下でも席を同じゅう出来ない。 だいたい女性は黒いベールで顔を隠していて、見せてもいけないし見てもいけない。 われわれはカラス天狗と呼んでいたが黒いマスクをかぶっている時もある。 ただ、サウジの美女を近くで拝める秘密の場所がある。 一流店の化粧品売り場だ。 そこでは上流階級のお嬢様・奥様達がベチャベチャ、ピーチクパーチクとおしゃべりし、化粧品を試し塗りしながら鏡をのぞき込んでいる。 日頃のたしなみの黒いベールで顔を隠すこともせずに・・・。 彼女たちはさすが美女を集めたハーレムのDNAが生きてて美女ぞろいだ。黒髪に黒い瞳だから、イタリアの清純な女優さんと言ったおもむきだ。 イタリアと言ってもゲルマンの血が混じる北イタリアではなくて、アラブの血が混じるいシチリア島で見た美女たちによく似ている。 バハレーンの海兵隊員もきっと化粧品売り場で彼女を見そめたのだろう。 イスラム法ではイスラムの女性と異教徒の男性の結婚は禁止されているから、私がイスラムに転向したら理論的にはこの美女達の一人との結婚も可能となる・・・。 チラッとこういう考えが頭に浮かんだこともあったが、イスラムに改宗するまえに首をちょん切られたかも知れない。 首まで地面に埋められて、石を投げられて惨死したかもしれない。 やはり私の人生はこれでよかったのだ・・・。
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