パリのマダムとの想い出 PART ONE
昨日の復刻日記に続いて、怖い女性との体験の話を。こういう過激な(楽天ではね)、生々しい事を書いていいのか?と、ためらうところもあるが、アトムおじさんさんの応援(煽りかな? 尻押しかな?)もあるので、書いてみよう。アトムおじさんさん(ややこしいからこれからは、アトムおじさんと呼ぶぞ!)とは、これからも毎日、ここで、男の子同士の猥談(ワイダン)をしたいと思う。こういうフランクな人は今までいなかった。私は猥談が大好きですよ。だから開高健が好きと言ってもいい。だって、男からセックスへの興味と憧れと、見果てぬ夢を取り去ったら・・・、ミイラでしょうが??これから、私の日記は猥談日記としますから、読みたい人はそのつもりでね。男なら、飲み屋で必ず猥談をする。自分がインポになっても猥談は大好きだ。男性性器の海綿体の充血度が多少減衰しても、脳髄の中の、異性を征服したい、(人によっては異性に征服されたい ヤバイ!)という欲望は絶えることがない。まあ、こういう事を書く楽天日記は他に無いだろうと思うが、それでもいい(・・・かもしれない)。 ~~~~~~~~~さて、パリに行ったことがある人も多いと思うけれど、パリにはいろんな印象を持つと思う。芸術の都、ファッションの都、歴史の都・・・。私の場合、女の都だった・・・。(深く恥じ入る)と言うところで、私が、どういう知性と品位の持ち主か? がわかってしまうことになるのだが、この辺は事実だから、しょうがない。話がとつぜん飛ぶが、「女の都」という映画があった。フェリーニの映画で「女の都」(1980)出演/マルチェロ・マストロヤンニ アンナ・プリュクナル エットレ・マンニ バーニス・スティガースこのアンナ・プリュクナルはマストロヤンニの妻役。本業はシャンソン歌手。日本公演を聴きに行った時に、妻の紹介で握手をして少々話をしたことがある。私のセレブ体験リストに入れておこう。 ~~~~~~~~~では、私にとって、なぜ女の都なのか?ロワール河古城めぐりのツアーに乗って数日間、本来の私に帰って、歴史の世界に深い哲学的な想いをめぐらせたという唯一の例外はあるが、自慢ではないが、私はルーブルの美術館も、エッフェル塔にも行ったことがない。パリの誇る文化に一切触れていないのだ。他の都市なら、博物館や美術館に行くのだが、パリは私にそれを許してくれなかった(としておこう)。それにはそれなりの理由があるので、それをこれから書いてみようと思う。それに「死にかけた話・女性編」の新作として、書いてみよう。 ~~~~~~~~~l私がはじめてパリを訪問したのはずいぶん昔で、私もまだ若くて、独身で、結婚など考えもしない自由人だった。そんな私が、大型プラント・プロジェクトを狙って中東のある国に長期駐在していた時のことである。その頃のアラブ湾岸産油国には、発電所や飛行場や海水淡水化工場などの巨額プロジェクトがザクザクと転がっていて、私もその中で数件を受注した。(この中東プラント・ビジネスについては、いつかまとめて書いてみたいと思う)しかしこういう国で、長期出張しているとビザを更新しなければいけない。ビザの延長も、初めはその国の内務省に申請すればよかったが、そのうちに一度国外に出て、その国の在外大使館で新規のビザを取得してから再入国しなければならなくなった。ビザがないと、こういう国では生命の危険がある。(これについても、そのうちに書いてみたい) ~~~~~~~~~私が中東某国の飛行場の出発ラウンジにいると、真っ白い胴体のしゃれたエア・フランス機がふんわりと着陸した。エア・フランスだと、着陸さえ優雅な気がする。いよいよ、このエア・フランスにのって、禁酒と禁女性と(両方ともけしからん)、恐怖の国から数ヶ月ぶりに脱出して、明日は花の都パリに生涯初の訪問を果たすのだ! 芸術と文化を思い切り吸収しよう!・・・と、私の知的な心はおどった。===(途中省略)===いよいよ花の都(・・・くどいかな?)、パリに到着。パリという街は、慣れたロンドンに比較すると、街全体が厚化粧の銀座の女のような感じがした。花粉ならぬ脂粉飛び交う街。ここでもう、女の都の予感がして、パリ空港からタクシーでパリの中心街に近づいたとたん、私は発情してしまったようだ。長い中東での禁欲の中の激務、ご苦労さん!そういう風に、自分で自分をほめながら、パリ支店を訪問、私の本部担当の駐在員がちょうどその日、アパート(パリだからアパルトマンと呼ばなきゃ!)に泥棒に入られたと大騒ぎをしていたので、我々への接待どころではないらしい。これ幸いと?あいさつもそこそこに、ジョルジュ・サンクという最高級ホテルの一室にある某国のパスポート・セクションで新規ビザを申請する。さて、これでこっちのものだ!(何が?)ビザのできあがりは数日後だから、その間、私は完全にフリー。といっても、私は私の部下と一緒だった。私の部の中東のプラント・ビジネスは、それまでほとんど何から何まで私一人でやって来たのだが、もう大プロジェクトを何件も成約して、そのおかげで傾きかけた部の成績も立ち直ったのだから、そろそろ後継者を養成して、私としては、後は出世街道をまっしぐらに?ばく進しようと思い、同じ課の後輩をトレーニングのために中東に呼び寄せていたので、こんどのビザ取得も彼と同行になっている。花の都のパリで、先ずは花より団子、きれいなレストランで食事をして、・・・フランスパンは本当に美味だった。パンだけでもOKなぐらいだった。(それだけかい?)それからは芸術と文化の吸収の予定だったのだが、不思議なことに?イザとなると、「酒だ!女だ!」という気持ちになった。なにしろ東京では毎日のように飲んでいたのに、砂漠の某国では一滴の酒も飲めない。といっても、密輸の酒のルートがあるので支店長が密かに受け取りに行って、夜、密かに、みなで、ジョニー・ウォーカーの赤ラベルをすする。不思議なことに酒はかならずジョニ赤。一度だけギリシャのウーゾが混じっていたことがあるが。この飲酒厳禁の国に密輸ルートがあるのは不思議だが、噂では王子の一人の秘密のビジネスなのだという。王子の方はそれでいいだろうが、私達外国人が飲酒や酒の携帯を見つけられると牢屋入りとなる。だから、気持ちとしては命がけでジョニ赤をすするのだ。たまに使用人の友人が使用人を訪ねてきて、社宅のベルを押す。「警察か?!!!」と驚愕しながら、ウィスキーを隠したりすることもある。「それほどまでに飲みたいか?」と言う声もあるだろうが、人間というものは禁じられるとますます欲しくなるようなものだ。美人の人妻のようなものだ。(あ 私の人格・品格を疑われるような冗談はやめよう)そういうわけで「酒の一滴は血の一滴」だったのだ。軍国日本では、「油(石油)の一滴は血の一滴」と叫んで、石油の大切さを説いた。米国に石油を禁輸されて、備蓄石油は二年しかもたない。それで日本は、南洋の石油資源を求めて開戦、真珠湾攻撃に踏み切ったわけだが・・・。 ~~~~~~~~~lということで、我々はルーブル訪問の予定を急遽変更して(?)(初めから予定はなかったのだが)、モンマルトルはピガールへ向かった。ピガールと言うところは、バーやキャバレーなどがギッシリのパリで一番いかがわしい歓楽の街だが、日本で言えば新宿歌舞伎町か?一面、いかにもパリと言うところでもある。ムーラン・ルージュという赤い風車で有名なキャバレーがある。あとキャバレーで有名なのは、「カジノ・ド・パリ」やシャンゼリゼーにある「リド」が有名だ。試しにバーに入ってみたら、雰囲気があの懐かしいサイゴンのバーとそっくりだ。考えてみたら、それもそのはず。ヴェイトナムは昔、フランスの植民地で、植民地には街路樹と娼館を必ず作ったというフランス人達がバーをはじめたのだから、そっくりなのも当たり前、本家なのだ。大きなカウンターがあって、テーブルセットが数組あって、きれいなセクシーな女性がずらりと並んで、丸い椅子に座っていて(中にはずらりでもないバーもあったが)、彼女たちに酒をおごって話をする。これは刺激が強い。砂漠の某国では、女性の顔を見つめてもいけなかった。女性の方も黒いマントに全身を包み、目だけ出していたり、顔面にカラス天狗のようなマスクをかぶっていたリなのに、ここではまぶしいほどの肉体に、ミニスカートからフィギュア・スケートの安藤美姫ちゃんのような艶やかな太股が・・・。私はサイゴンの時もそうだったが、ハシゴをするクセがあって、女性との知的な会話はそこそこに、いろんなバーやクラブを廻った。目移りがする性格なのだ。 ~~~~~~~~~そのうちに、あるバーに入った。バーにはキンキラで照明が明るくて、フランス独特の壁面をガラス張りにする(そうすると奥行きが広い錯覚が生まれる)と言う店もあるし、反対に、やや薄暗い中に誘蛾灯のような照明といういかにもバーという店もある。その店は、後者の方で、かなり大きな店。居心地が良さそうだなと思って飲んでいると、やはり女性達がよってきて、飲み物をおごってくれと言う。この飲み物の代金の一部(多分半分?)が彼女たちの取り分になるわけで、お話をするためには飲み物をおごって上げないといけない。それはサイゴンでの深いノウハウを持つ私の強みだ。だれを相手に選ぼうかな?と考えていると、カウンターに立っているブロンドの中年女性に、私の目が行った。 ~~~~~~~~~なぜか私は一瞬でその女性にひきつけられた。彼女は、どうもこの店のマダム(ママ)らしい。話しかける女性には上の空で、その女性をチラチラ見ていたが、彼女は客には無関心で何か考え事をしている。私はまとわりつく女性達を振り切って(というのはおおげさ)、カウンターに近づいて彼女に、「何か飲みませんか?」と、たずねた。彼女は私をチラと見て、「私はいいから、だれか女性を選んだら?」と答える。彼女は背が高く、ブロンドの髪を引き詰めにしたキリッとした顔立ち。強いて言えば、昔の俳優のアラン・ドロンの妻だったナタリー・ドロンのような、ニヒルな虚無的な、それでいて口許や目つきに淫らなところのある顔立ちで、態度も高ピーで、ちょっと投げやり。私は、デボラ・カーのような高貴な修道尼のような聖的なタイプの女性に弱いが、下品で淫らな女性にも、・・・弱い。弱いだらけで申し訳ないが、・・・ これはだれでもいい、と言うことではないと言うことを、強く言っておきたい!どれだけ説得力があるか?は、自信がないが、ここが極めて微妙なところなのだ。淫らな女性は、とても魅力的なのだ。私の鋭い知性も冷たい理性も(初めからあるかどうか?と言う疑問もあるが)、一瞬にして吹き飛んでしまう時がある。そういうものが、文学なんだな~。(勝手に言ってろ?)