復刻版日記 ヴィエトナム編 PART 5
復刻版日記 ヴィエトナム編 PART 5見たこともないほどの、ものすごい美人がそこに立っていたのだ。-----------------私が赴任して一週間が経過した。そのちょうど日曜日に、中国系のメイドが私を呼びに来た。「シーサン お客ですよ」シーサンというのは広東語で「先生」。「ミスター」とか「旦那さん」とか言う意味だ。赴任したばかりの私にお客とは不思議だったが出てみて驚いた。見たこともないほどの、ものすごい美人がそこに立っていたのだ。----------------ヴィエトナム女性は平均して容貌が非常にかわいい。かならずしも「美人」ではなくて、まずほとんどの女性がかわいい。性格も明るくて、とても愛嬌がある。それにアオザイが似合うほどだからホッソリとした柳腰。竹久夢二が泣いて喜ぶ・・・?タイプが多い。(母の日には母の好きな竹久夢二のアルバムを2冊も「見せる」という親孝行をした。(気前よくあげてしまわずに、見せるだけにして回収したところが私らしい)ヴィエトナムに来た日本人の男性はかならずヴィエトナムの女性が気に入る。仏領だったインドシナ三国というのがある。仏印という呼び方もあった。ヴィエトナムにカンボジア、それにラオスの三ヶ国だ。私の見るところでは、ヴィエトナムと他の2ヶ国は人種的に異なる。ヴィエトナム人は非常に小柄な民族で、骨格はきゃしゃだ。みなさんがご存じのヴィエトナム女性の民族衣装でアオザイというのがある。あんな身体にピッタリの衣装が似合う・・・と言うより着用できるのはきゃしゃでほっそりしたヴィエトナム女性ぐらいだろうと思う。これに対してカンボジア人は骨太でガッチリした骨格である。クメールというアンコールワット遺跡を作った民族がいるが、カンボジア人は明らかにクメール系だ。ラオスもそうらしい。それにその隣のタイ人もクメール系の血が濃いと思う。言語的にはラオス語はタイ語の田舎弁という程度の類似したグループに属するらしい。かわいいくてホッソリしたヴィエトナム女性が旧宗主国のフランス人と混血すると、アジア最強?の美人が出来る。フランスは世界各国の植民地でフランス式の瀟洒な並木道と売春宿を作ったと言われている。そのせいもあるのか?それともフランス人の男性がかわいいヴィエトナム女性と結婚したケースが多いのか?ヴィエトナムにはフランス人との混血が多い。さすがに地方にはあまり多くないようだが、サイゴンなどの都会には多い。----------------私を訪問?してきた女性はこのフランス+ヴィエトナム混血美人だった。恐る恐る彼女と話をしてみると、彼女は親しかった「トニー」を訪ねてきたと言うことだ。その「トニー」なるアメリカ人はジェット戦闘機のパイロットだという。「なるほど」と思った。私の宿舎は以前、米国の空軍将校の宿舎だったという話を聞いていたからだ。クローゼットを開けて私の衣類を詰め込もうとしたら、機関銃のものらしい弾丸がバラバラっと出てきたことがある。「トニーは今はここにはいない」と説明すると、「それならそれでいい。私はここのバーに働いているから遊びに来てくれ」と言って、あるバーのアドレスをくれた。とにかくこの彼女は、素晴らしい美人だった。ヴィエトナムよりフランスの血の方が強い西洋的な美人で、ほっそりとはしているが背が高くて、大きな瞳が牝鹿の様だった。その夜、私はすぐそのバーを訪問した。いままで外出の経験もないのにいきなり単独外出だ。~~~~~~~~~この続きはまた、復刻日記 ヴィエトナム編 PART 6 に続く。