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カテゴリ:BLACKLIGHT 再起
アロギラとの交渉は思うようにいかなかったが、
フューリッドが先頭に立って着手するとなれば、協力は厭わないという。 「フューリッドにとっても悪く無い話であろう。 完成すれば、皆が喜び、感謝するに違いない」 港町に戻ったヨーディは、結果を聞いてため息を漏らす皆に言う。 「だが、今度はフューリッドに頼んでみる。それまで待っていてほしい」 これで一旦、任務を終え戻ることにする。 四人で戻り報告を終えると、「そうか、わかった。戻っていいぞ」 ヨーディはまだ言っていないことがあると言うと、相手は渋い顔をする。 それでも強く願い、頼み込むと、時間はかかったがレイトとの面会が許される。 川を利用して水路を造り、物資の流れを早くして経済を回していく。 「よく考えてきた話だとは思うが、根本的なところが見えているのか?」 やはり問題となるのは金銭面である。不確定要素が多いと指摘される。 費用に比べてどのくらい効果が生まれるのか、 目算よりも余計に費用も時間もかかるに違いない。 「それでもやるべきだと、俺は思う」 ヨーディが心情に訴えれば訴えるほど、レイトは冷静に見つめていく。 「お前はその町に行ったから、気持ちがうつってるだけだ。 他の町に行っていたら、そこの町にいる人の気持ちに引っ張られる」 さらにレイトは疑問点を浮かび上がらせる。 「それに港町はそこだけじゃない。当然、他のところにもある。 その町に水路を造るなら、他の町のことも考えてしかるべきである」 レイトの正論によって、部屋中に沈黙が広がっていく。 このまま話は終わってしまうのかとヨーディの焦りは募るが、 何ひとつ方法が浮かんでこない。 しかし、退出を命じられることのないまま時間が過ぎ、 「そうは言っても、何もやらないままと言うわけにもいかないのも事実」 今まで黙っていたゲイドモールが口を開き、 「水路を造ることでいくつかの町は廃れるとみて間違いないでしょう。 それを見越して強制的に民に移動してもらう必要があります」 ゲイドモールはヨーディをじっくりと見つめ、 「それをエインテル、あなたにやってもらいます。できますか?」 ヨーディは気圧されながら、「やります」と言うしかない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/08/23 12:00:05 AM
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