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カテゴリ:BLACKLIGHT 再起
重苦しい空気が漂い始めたそのとき、
「働ける者はこの国のために尽くさねばならぬ、 この町に縛り付けておくのはもったいないこと、そうは思わぬか?」 長老の一言で意見はまとまっていく。 「移動を希望する者は名乗り出てくれ。現時点での人数を確認したい。 条件があるなら、それも教えてくれ」 各町への説得も順調に進み、受け入れるための住居が急いで建てられる。 それが終われば、民の移動が始まり、本格的な計画が遂行される。 ここまでくればヨーディたちの任務は完了、戻って報告する。 「よくやった。そもそも失敗すると思って行かせてはなかったけど」 二人だけの時以外で砕けた言い方をしてしまうほど、レイトも喜んでいる。 ヨーディはついに、エインテルとして堂々と認められることになる。 それは、レイトの傍で日々を過ごす、ということを意味している。 「お前にとっては、ヒマな時間が増えるかもな」 「謹んでお受けいたします」ヨーディはあくまで丁寧に頭を下げる。 そうは言ったものの、やはり今後のことも気にはなる。 「ですが、最後まで見届けさせてもらえないでしょうか?」 手に汗を握りながら、ヨーディは希望を出してみる。 「やっぱりそうなるよな。最後までやってこい」 ヨーディは三度、北上していく。 フューリッドでは水路計画が着々と進んでいく一方で、 バフタールでも、とある計画について話し合いが行われている。 「もうそろそろ出来上がる頃だと思うが、うしろについてはどうするべきか?」 うしろとは、フューリッドのことを示している。 以前、レイトへの手紙を送ったものの、これといった動きはない。 「あてにならないものをあてにしても意味はないでしょう」 「そうは言うが、挟まれることになれば、さすがにきついぞ」 「ということは、動かなければいい、というわけですか」 条件を付けて引き入れようとすれば、余計な出費もかさむ。 その資金を足掛かりに、繁栄されるのもまた困ったものでもある。 「イグリスからの要請があったら、動かざるを得ないのでは?」 「そうなる前に戦功をあげる。向こうに状況が伝わるのは、 南側で遠回りするしかなく、どんなに早くても三日はかかる」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/09/13 12:00:08 AM
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