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カテゴリ:BLACKLIGHT 再起
ゲイドモールはイグリス王に手紙を綴っている。 ゲイドモールたちは自身が人質となって迷惑をかけることを望んではいない。 「国の足を引っ張るわけにはいきません。そうなるくらいなら死にます」 「その気持ちはわかる。ウェントソンもそう思っているからな」 やはりこの状況でウェントソンを交渉材料にするのは難しいようだ。が、 「同盟関係を築くにあたり、すぐにでも援軍要請をさせてもらいます」 それは当然のことだとレイトも考えている。 「返事が来る前に出陣していただき、我々も参陣させてもらいます。 その代わりウェントソン氏の帰還を上申します」 この戦争が終わるまではイグリス側につくよう、最大限の条件にも思える。 それでも、イグリス王が首を縦に振らない可能性もある。 「可能性は低いですが、そうなったら我々の首でも取ってみますか?」 ゲイドモールたちが参陣するということは、 万が一のときは二人に逃げ道もないということを意味している。 手紙を読み終えたイグリス王は、少しずつ呼吸を取り戻していく。 「まったく、一番いやな場面をついてくるな。ずっと狙ってたのか」 イグリス王は内容を話してから、どうすべきか考える。 「いずれはゼリクトアも反旗を翻してくるだろうな・・・」 不安要素を抱えたまま、時を無駄にするよりは方針を変えたほうがいいかもしれない。 いっそのこと強固な同盟を築くべきだろうか。そもそも強固な同盟など築けるのか。 いや、こういう時こそ冷静に考えなければならない。 こんな状況にならなければ、強気な態度には出られない。 基本的な国力は完全に差がついているわけで、 ひっくり返そうとするなら、他と手を組むのが必須条件である。 バフタールとフューリッドが組んだとしても負けるわけではなく、 ゼリクトアを奪われなければ優勢を保てる。 逆に言えば、ゼリクトアを味方につけたほうが優位に立てる。 不確かなフューリッドにこだわる前にゼリクトアを抑えておけば、 フューリッドはこちら側に来るしかない。 「返答内容は決まった。ゼリクトアには早急に同盟を要請してくれ」 そして、ウェントソンが呼び出される。 「急なお呼び出しですが、なにがあったのでしょうか?」 畏まるウェントソンにイグリス王はゆったりとした口調で、 「長きにわたる任務、ご苦労でございました。 最後にこの手紙を持ち帰る任務を請け負っていただけますか?」 「最後?それは私に帰れと申されているのですか?」
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Last updated
2020/10/18 12:00:12 AM
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