2009年01月の記事一覧 | Welcome to Alleluja's Blog

ときとして、人生はつらくないかいプロヴィデンサ？

今回は、「ときとして、人生はつらくないかいプロヴィデンサ？」 "La vita, a volte, è molto dura, vero Provvidenza?"を紹介します。この作品との出会いは、かの「マカロニウエスタンのすべて」に載っていた、チャップリンそっくりのとぼけたキャラクターを演じるトーマス･ミリアンのモノクロ写真でした。その写真を見た時、「何じゃ、こりゃ？」と思っただけでしたが、その後購入したDRGのコンピレーションCDで音楽を聴いたら、そのノリのいい音楽がとっても気に入り、今ではお気に入りの音楽の一つになりました。是非、見てみたいということでイタリアのビデオを購入、モリコーネの曲には再度酔いしれる一方、「んな、アホな」と突っ込みたくなるようなギャグ満載の作品自体もお気に入りになりました。続編の方は、さらに輪をかけて、奇想天外な“愛すべき”くだらない作品に仕上がっています。くだらないギャグはもちろんのこと、この作品の見どころは何と言っても、 (大げさに言うと)007のアストン･マーチン並の仕掛け満載のプロヴィデンサの乗る馬車です。未見の方には申し訳ないのですが、その仕掛けの数々を紹介したく、下記の作品紹介ページで多めに画像をupしています。さて、他のキャストについて簡単に紹介しますと、ハリケーン・キッド演じるグレッグ・パーマーは、多くのTVの西部劇シリーズ(「ボナンザ」「ガン・スモーク」)に出演した後、ジョン・ウェイン一家として、「大いなる男たち」「チザム」「リオ・ロボ」等に出演しています。80歳を過ぎても、健在のようです。哀れなヒロインを演じるジャネット・アグレンはスウェーデン生まれでモデル出身の女優さんのようです。この作品ではあまり魅力を感じなかったのですが、↓の写真はグッと来ます。http://i45.tinypic.com/16gj14k.jpg公開作品では「さらば夏の日」等に出演しているようです。その他、モーリス・ポリやケン・ウッド、ホルスト・ヤンソンも出ています。 http://alleluja.web.fc2.com/prov.htm http://alleluja.web.fc2.com/prov2.htm

【番外編】　SPAGHETTI-HEROES

昨年の5月に500冊限定で発売されたハードカバーの書籍　SPAGHETTI-HEROESは、「情無用のガンファイター」と"Joko invoca Dio... e muori"(ジョコが神に祈ると、お前は死ぬ)のDVDが付いているのは知っていたのですが、値段が高いのと作品的には"再発モノ"だったので、見送っていました。ところが何と！！！日本のamazonで売っているではありませんか！！！それもほぼ現地と同じの価格で！！！ http://www.amazon.co.jp/Spaghetti-Heroes-Jasper-P-Morgan/dp/3931608867/ 結局、他に欲しいドイツ版DVDがあったので、amazon.deで購入しましたが、本日到着。どっしりとした重い本には、256ページの内、ほとんどがカラーページでポスター等の画像が満載！！！サブタイトルである、Django、Sartana、Ringoの各キャラクターの紹介と、各キャラクターの名前がタイトルに付いた作品が約200本も紹介されています。ドイツの本ながら、ドイツ語と英語の両方で書かれています。また、作品のおススメ度が銃弾の数で表現されていたりして、 "Angels of the West" という女優紹介のページもあります。表紙は4種類あるのですが、amazonではCover Cしか選べない模様。(本当はCover Dが欲しかったのですが．．．) 　　　　　　　　　　Cover A　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Cover B 　　　　　　　　　　Cover C　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Cover D

【謹賀新年】　「荒野の墓標」

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。大変永らくお待たせしましたが、今回は、「荒野の墓標」 "Dove si spara di più"を紹介します。日本のTV放映版のみだったという、世界的にも珍しい「死神がエンディングが出てくる」という幻のバージョンがようやくドイツからリリースされました。しかし、若干カットされているようで、細かく検証をしていませんが、オープニングのナレーション・シーンがカットされ、音楽が切れているのが非常に残念です。（吹替版では、「拳銃のバラード」の曲のオープニングの後に、ナレーションが流れます。）あらためてじっくり見てみると、マカロニ的には屈指の名作に入ると思います。マウンターズ、カンポス両家の破滅的な争いが、非常に激しい銃撃戦で描かれています。争い、戦いの虚しさを描こうとしたジャンニ・プッチーニの演出が非常に冴えています。こんなに激しく、破滅的な銃撃戦が繰り広げられる作品は、見たことが無いかも知れません。その上、特典のインタビューでも語られているように、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」をベースにしながら、ロドリーゴとクーパー保安官の義兄弟がゲイのようにも取られたり、保安官が判事を脅す際のネタにする、"ナニ"を切られた話とか、反宗教的な設定も当時としてはとても斬新だったと思います。作品の中では、案外さらりと流されていますが、レフティーがジョニーに銃を手ほどきをするシーンで、「怒りの荒野」のように、ガンマンとして必要な7つの教訓も盛り込まれています。（吹替版でも4つぐらいしか、出てきませんが．．．）１．先に撃て！２．そして殺せ！３．息の根が止まったことを確認できるまで、死人から目を離すな！４．スペアの銃に気を付けろ！５．決してもう一つの銃に背を向けるな！６．健康に長生きしたければ、目を見張り、どっしり構えろ！７．常に、借りを返せ！手ほどきと言えば、"恋の"手ほどきをしてくれたロセリン（ロザリンド）も、銃の手ほどきをしてくれたレフティーもジョニーのために命を落としてしまうという展開もやり切れなさを助長しています。ロセリン（ロザリンド）を演じるマリア・クアドラもとても魅力的ですね。酒場で歌っているスペイン語の歌は本人の歌らしいです。そのロセリンが、ロドリーゴに二人のことをバラす際、「シェークスピアを読んだことがある？」というのは、ある意味すごいセリフです。ベースにしている「ロミオとジュリエット」の話を劇中にするとは。脇役もマカロニ的にはお馴染みが多いです。ルイス･インダニを始め、マクレガー・シリーズのパオロ・マガロッティやアンナ・マリア・ノエ。酒場の腕相撲で負ける方を演じているのは、後に狼男やドラキュラ伯爵、ミイラ男で一世を風靡するポール･ナッシーです。しかし、なんと言ってもその後に結婚をするピーター・リー・ローレンス（本名：カール・ハインバッハ　本編では変名　アーサー・グラント）、クリスティーナ・ガルボ（本名：クリスティーナ・ガルボ・サンチェス　マドリッド生まれ）ですね。当時、ピーター・リー・ローレンス22歳、クリスティーナ・ガルボは何と、17歳！！！その二人は二年後の1969年に24歳と19歳で結婚。しかし、たった4年後の1973年にピーター・リー・ローレンスの自殺で、その結婚は終焉を迎える。クリスティーナ・ガルボはその後、「象牙色のアイドル」「悪魔の墓場」等、ホラー・スリラー作品等でヌードになったりもしたが、1980年代に引退。現在はフランメンコ・ダンサーとして、世界各国を回り、カリフォルニアの大学でフランメンコの講師を務めていたりするという。最後に音楽についてですが、ジーノ・ペグリの手によるものですが、コーラス部分がちょっと呑気そうで、作品とちょっとマッチしてないようにも感じました。マリア・クアドラの歌はいい感じですが．．．http://alleluja.web.fc2.com/dove.htmhttp://alleluja.web.fc2.com/dove2.htm