2009年05月の記事一覧 | Welcome to Alleluja's Blog

墓標には墓標を

リチャード・ハリソン作品　第3弾は、「墓標には墓標を」 "I tre spietati"です。初期(1963)の作品ながら、マカロニとしては傑作の一つに入ると思います。監督としては弟のラファエル・ロメロ・マルチェントの方が上だと思いますが、この作品はホアキン・ルイス・ロメロ・マルチェントの演出が冴えています。ロバート・ハンダー演じるクリスが、途中立ち寄ったメキシコ人の家で、妻と息子の目の前で父親を殺そうとするが、自分の境遇と重なって、思いとどまるシーンなんて最高ですね。しかし、マルチェント兄弟の作品は、(いい意味で)本当に“やりきれない”虚しさを感じる作品が多いような気がします。さらに何と言っても、カメラワークが本当に素晴らしいです。牧場を映すロングショットのシーンは目の前で起こっている惨劇を遠くから映すことによって、自分の手ではいかんともできない虚しさを見事に表現しています。撮影監督のラファエル・パチェコは有名なところで「さいはての用心棒」や「血斗のジャンゴ」も手がけています。リズ・オルトラーニの音楽はGarringoさんのブログにありますように、エルマー・バーンステインばりでまさに“勇壮”そのものです。フレディ・トウルの歌う挿入歌 "This Time of the Year"も曲調はカントリーっぽく軽快なのですが、ギター弾きの青年が死んだシーンで、こもった感じでかかるところは悲しさを盛り上げます。ジェフに憧れる二人の青年のうち、ギター弾きでない方(役名：ロック？)はマルチェント兄弟のカルロスですよね？主役のはずのリチャード・ハリソンが最終的には中途半端な役回りになっていることもあり、これまた、 Garringoさんのブログにありますように、ロバート・ハンダーがカッコいいですね。(私だけかもしれませんが、何となく最近お騒がせの草○剛に似ている気がします。)復讐を誓う母　ルイーズを演じるグロリア・ミランダは非常に魅力的なのに対し、もう一人のグロリアはやっぱり．．． http://alleluja.web.fc2.com/spietati.htm http://alleluja.web.fc2.com/spietati2.htm

【番外編】　ちょっとガッカリ　Sartana Saga

アメリカから"Sartana: The complete Saga"というサルタナ作品10本組みのDVDが発売された。当初のアナウンスでは、ジョージ・マーティンの"Sartana non perdona" (サルタナは許さない)やジェフ・キャメロンの"...e vennero in quattro per uccidere Sartana!" (サルタナを殺しに来た4人)が収録されているというアナウンスがあり、とても期待していたのですが、実際には本家サルタナ6作品(正統な4作品＋ヒルトン・サルタナ＋「砂塵に血を吐け」)＋海外で既発売のものばかり。前回同様、このシリーズは肩透かしを受けるのは覚悟の上でしたが．．．その大半のソース(映像源)は他社で発売されているDVDの○ピーと思われる。ちなみに収録作品は、以下の通り。・Blood at Sundown　「砂塵に血を吐け」(1967)・If You Meet Sartana Pray for Your Death(1968)・Have a Good Funeral, My Friend... Sartana Will Pay(1970)・Sartana: Angel of Death (1969)・Light the Fuse...Sartana is Coming　「サルタナがやって来る～虐殺の一匹狼」 (1971)・I am Sartana, Trade Your Guns for a Coffin　「サルタナがやって来た．．．貴様の拳銃と棺桶を交換だ(未)」 (1972)http://plaza.rakuten.co.jp/alleluja/diary/200809080000/・Price of Death　「死の商人(未)」 (1972)http://plaza.rakuten.co.jp/alleluja/diary/200703100000/・Sartana in the Valley of Death (1970)・Django and Sartana's Showdown in the West (1970)・Django vs. Sartana　「ジャンゴ対サルタナ」 (1970)http://plaza.rakuten.co.jp/alleluja/diary/200612090000/

復讐の長き追跡

いよいよ、リチャード・ハリソンのあの名作のDVDがスペインから出るようですね。発売は少し先のようですが、今からとても楽しみです。さて、今回はそんな(どんな？)期待も込めて、リチャード・ハリソン作品第二弾　「復讐の長き追跡」 "La Lunga cavalcata della vendetta"を紹介します。ピークを過ぎた70年代のこの作品、ガンアクションのカッコいいシーンもあり、カルロ・エスポジートの音楽もいいのですが、いやぁ~ツッコミどころ満載でした。ストーリーは、いたってシンプル。妹　デボラがレイプされた上殺され、牧場を売却した金を賊に奪われてしまう。その仇に兄　ジェフが一人ずつ復讐をしていくというもので、作品的には．．．。ツッコミどころは、こんな感じ。南北戦争から帰還して来た、ジェフは酔っ払って、ロバが引く荷車に乗って帰って来る。町の人々は、彼を”ハゲ”呼ばわりします。確かにそうだけど、それでいいの、ハリソンさん？「グラマー女優」とはよく言ったもので、巨○かもしれませんが、体形も○漢なので、セクシーさが感じられない、アニタ。あまり全盛期を知らない私にはただの○バさんに見えます。牧場の売却金20万ドルの内、どうして、15万ドルだけ銀行に預けられ、残りの5万ドルがキャッシュで渡されたのでしょうか？結局、その5万ドルをすぐにデボラは銀行に預けに行こうとして、途中に襲われてしまいます。まさに襲われるために、もらったとしか思えません。殺されたデボラに、使用人だったジェロームが自分のポンチョをかけます。って、自分の犯行だって、すぐにバレるでしょう。意味がわからないのが、酒場の酒を全部割ってその代金200ドルを払うジェフ。モンタナたちが来ることを知っていたのだったら、そんなくだらないことをする暇があったら、あっさりと捕まらずに、迎え撃つ準備でもしたら？おそらくDVDでカットされていただけだと思いますが、本編の27分近辺で、ジェフがモンタナの手下を殺したので、ジェフを捕らえに来るという件で、ジェフがモンタナの手下を殺したシーンがないので、とても唐突な感じがする。荒地のシーンで出てくるサボテン、とっても鮮やかな緑色で、いかにも作り物というのがバレバレ。一番気になったのは、凝った構造にしようとしてか、オープニングに持って来た「モンタナとの銃撃戦」。この作品の一番の見どころだと思うのですが、それがオープニングに来てしまったので、何とも盛り上がりに欠けるエンディングとなってしまっています。確かにジェロームは使用人として雇っていたにもかかわらず、裏切ってモンタナたちに強奪話を持ちかけた張本人で、一番の仇かもしれませんが、あまりにも弱くて、“復讐を遂げたんだ”という感じも無く、終わってしまっています。http://alleluja.web.fc2.com/cavalcata.htmhttp://alleluja.web.fc2.com/cavalcata2.htm

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