空手、拳と豆の物語
何かと忙しくて更新が遅くなってしまいました。今回は、 「空手、拳と豆の物語」 "Storia di karatè, pugni e fagioli"を紹介します。数年前にスウェーデンの知り合いから送ってもらったスウェーデンのビデオ版(英語音声)もまぁまぁ画質は良かったのですが、今回発売されたドイツ版DVDは非常に画質が良いです。ただ、残念なのは後半10分のシーンが突然画質が落ちます。おそらく原版が無かったので、ドイツ版のビデオから起こしたものと思われます。また、 スウェーデン版が完全版という訳でもないですが、ドイツ版もカットされたシーンが少なくないようです。(細かく検証ができていません。)作品的には70年代の典型的なコメディ・マカロニウエスタンですが、なかなか細部にこだわっていて、楽しめました。主演はディーン・リードとクリス・ヒュエルタなのですが、謎の日本人 モイカコ・フジバシを演じるヨシオカ・イワオ氏(正確な漢字名がわからなかったので、カタカナ表記にさせていただきました。)に完全に食われています。 モイカコの謎の日本人ぶりは、以下の通り。フジバシはわかるけど、「モイカコ」ってどういう漢字を書くの?手刀でパンは切るわ、立ち木を倒すわ、石とこすり合わせて火を起こすわ、ライフルを足で破壊するわ、超人的です。自分の料理には強いこだわりを持っていて、何とかクリス・ヒュエルタ演じるピッコロに食べさせようとするが、拒否される。ピッコロに拒否されたり、丼をはね飛ばされたりしても気にしないのに、フェルナンド・サンチョ演じる エスパルテロに容赦しない。ディーン・リード演じるサムやピッコロたちがエスパルテロに捕らわれた時も、彼らを救出しにきたのではなく、ピッコロに食べさせようとして持って来たフィッシャー・ライス(魚の丼?)がはね飛ばされたことがきっかけにエスパルテロたちを倒す。後半ではフィッシャー・ライスを作るが、その前は雇われていた中華料理店で犬を料理してしまったり、偶然手に入れた鴨で北京ダックならぬ“東京ダック”といった珍料理を出す。(絞首刑になりそうになる理由も、犬料理を出したことでなく、保安官の飼い犬を料理してしまったことによる。)意味無く浴衣を着ているしかし、当のヨシオカ・イワオ氏は怪しい日本人ではなく、空手を普及させるためにイタリアに招聘された本物の空手家です。1946年(昭和21年)9月18日生まれ、出身地:熊本。15年前に家業を継ぐために日本に戻って来られているそうです。この作品以外にも、以下の作品に出演。ジョージ・ヒルトン主演 「陰謀と抗争の町・殺し屋(TV)」 原題:"Sette ore di violenza per una soluzione imprevista"本作品の姉妹編みたいな、アラン・スティール主演のロビン・フッドもの "Storia di arcieri, pugni e occhi neri" (アーチェリー、拳と黒い瞳の男の物語)アガタ・フローリ出演コメディ "Pasqualino Cammarata... capitano di fregata" (フリゲート艦艦長 パスクァリーノ・カンマラータ)音楽はJuniper(Jupiter表記も有?)名義だが、グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスの作品らしい。 http://alleluja.web.fc2.com/fagioli.htmhttp://alleluja.web.fc2.com/fagioli2.htm