オーストラリア盤(3) キトッシュ、北から来た男
今回はオーストラリア盤 第三弾(最終回)として、これまた世界初のリリースとなる、"Kitosch, l'uomo che veniva dal nord" (キトッシュ、北から来た男) を紹介します。本編は間違いなく、「キトッシュ、北から来た男」なのですが、ジャケットはいい加減です。表は「真昼の用心棒」、裏の小さな画像はもう一つのキトッシュ作品 「拳銃無宿のバラード」 "Il tempo degli avvoltoi"のものです。これまたフルスクリーンで、昔TV放映時にあったように、真ん中しか映っていないので、誰が映っているのかわからないシーンとかも数多くありました。(オープニングだけは左右を縮めて、画面に収めています。下の写真は縦横比は補正していません。)アメリカ西部劇ではいくつかの作品があるようですが、マカロニでカナダの騎馬警官隊が登場するのは、ジョージ・マーティン主演の"I tre del Colorado" (コロラドから来た三人)ぐらいでしょうか?冒頭、アライグマ(?)の毛皮でできたクロケット帽子をかぶって現れたデイヴィッド・キトッシュ演じるジョージ・ヒルトンは倒した悪党の着ていた服(右下の写真)を奪って着たりとコスチュームを変えますが...最後には、ベイカー少佐(本物はピエロ・ルッリ)に成りすまして、緋色のコートに身を包んでいます。ストーリーとしては、 風来坊のキトッシュは、一旦は断った金塊の護送を結果的にベイカー少佐として、引き受けることになるが、届けたヒギンス砦は子供や女性までも皆殺しにされていた。金塊を狙って追って来た、(多くの先住民を味方につけた)盗賊の裏をかこうとするが、裏切り者の手引きで砦を取り囲まれ、激しい銃撃戦となる、といった感じです。いくつか気になるところがあったのですが、襲って来た盗賊たちに対し、ダイナマイトの罠を仕掛けるのですが、まんまとそれに相手がかかると女性までが大笑い(左下の写真) 。さらには、砦の襲撃シーンとか、マカロニとは思えないぐらいの、大勢のエキストラが登場します。本当にこの作品用に集めて撮影したと思われるシーンもありますが、一説には他の作品(アメリカ西部劇?)の映像を流用という話もあるようですが、どの作品なのかは確認できずじまいでした。ただ、明らかに画質が変わるところがあるので、流用は間違いないと思います。その流用と思われるシーンに、援軍として登場する騎馬警官隊なのか、イギリス軍なのかわかりませんが、スコットランド人のようにスカートをはいた人々が出てきます。(右下写真) アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノの音楽は口笛がフューチャーされ、軽快というか、非常ににぎやかで、耳に残るメロディーです。(しかし、imdbではフランスのジョゼフ・コズマの名前も載っていますが...)もしかしたらモノラル設定に変更すれば直るのかもしれませんが、このDVDは音声がエコーして聞こえてしまうのが、残念でした。 YouTubeでドイツ(ビデオ?)版のオープニングを見つけましたので、ご覧下さい。