2012年01月の記事一覧 | Welcome to Alleluja's Blog

【パロディ】Spiel mir das Lied und du bist tot

ドイツのTVムービーで面白いものを見つけました。タイトルは"Spiel mir das Lied und du bist tot"(俺のために曲を弾け、そしてお前は死ぬ)というタイトルなのですが、タイトルからして、レオーネの「ウエスタン」のドイツタイトル"Spiel mir das Lied vom Tod" (死の曲を弾け)のパロディになっています。オープニングは「ウエスタン」のオープニングのパロディから始まります。家族構成は「風来坊」のようだったり、「続・夕陽のガンマン」等のパロディが散りばめられています。音楽も「星空の用心棒」「必殺の用心棒」「J&S　さすらいの逃亡者」等、マカロニのテーマ曲がふんだんに使われています。この作品の監督　エリック・ハフナーはよっぽどマカロニが好きなのではないかと思うのですが、実は弱冠35歳の若い監督なので、ビックリ。主役は二人の兄弟で、ボビー・ジョン・ジョー・セントジョン役のニルス・ブルーノ・シュミットと、ビリー・ボブ・アール・セントジョン役のジーグフリート・テルポールテンの二人です。ジーグフリート・テルポールテンは「荒野のマニト」(2001)にも出ているようです。そして、存在感バツグンの豪快なお母ちゃんを演じるのは、歌手・兼女優のカティ・カレンバウアーです。風貌が何となく元女子プロレスラー　北○ 晶に似ている気がします。【追記】そうそう、大事なことを忘れていましたが、正直知らない俳優ばかりの作品なのですが、酒場の親爺役でダン・ヴァン・フッセン氏が出演しています。ストーリーは以下のような感じです。ビリー・ボブ・アールとボビー・ジョン・ジョーのセントジョン兄弟は、人里離れた農場に住んでいる。何者かが彼らの農場を襲撃してきたのだが、彼らを撃退したときに、行方不明だった父　ジェリー・リー・ラリーが突然帰ってくる。しかし、本物のアウトローになっていた父　ジェリー・リー・ラリーに対し、追っ手を差し向けてくる白尽くめの保安官たちに立ち向かうことを二人の兄弟は決意する。ドイツではDVDが出ていますが、以下の動画サイトで全編見ることができます。Spiel Mir Das Lied Und Du Bist Tot 1/8 - MyVideo

【番外編】　ブラックソーン－ブッチ・キャシディ最期の決闘

masa&haruさんのサイト「ぽたじぇ」の業務連絡コーナーで、CDが紹介されていますが、スペイン・アメリカ・ボリビア・フランス合作の原題"Blackthorn"のBlu-ray、DVDが昨年12月にアメリカ他で発売されています。実はこの作品、日本でも既に昨年11月に「ブラックソーン－ブッチ・キャシディ最期の決闘」というタイトルで限定公開されているのです。「ブラックソーン－ブッチ・キャシディ最期の決闘」(2011)監督：マテオ・ヒル　スペインの監督で、トム・クルーズ主演の「バニラ・スカイ」(2001)の原案にクレジットされています。音楽：ルシオ・ゴドイ　アルゼンチン出身出演：サム・シェパード　「天国の日々 (1978)」「ライトスタッフ (1983)」「ジェシー・ジェームズの暗殺 (2007)」エドゥアルド・ノリエガ　スペイン俳優スティーヴン・レイ　　　　アイルランド出身昨年11月19日（土）～27日（日）に開催された、歴史をテーマにした国際映画祭『京都HISTORICA(ヒストリカ)国際映画祭』において、ジャパン・プレミア上映されているのです。(見に行きたかったのですが、さすがに京都まで足を運べませんでした。)一般劇場での公開や国内盤DVDの発売を期待しているのですが、噂も聞こえてこないので、アメリカ版を入手しました。あらすじとしては、「明日に向って撃て!」では、1908年にボリビアで死んだと描かれている、実在の銀行強盗ブッチ・キャシディが実はジェームズ・ブラックソーンの偽名を使い、ボリビアで生きていたという設定。相棒のサンダンス・キッドの恋人　エッタ・プレイスの死を知り、アメリカに帰国する途中に、スペイン人の若い男に出会い、彼を助けたことから事件に巻き込まれるといったストーリーです。見渡す限り真っ白なウユニ塩原を始め、美しいボリビアの景色をバックに繰り広げられる追跡劇は見ものです。ところで、音楽の方ですが、主演のサム・シェパードの渋い声の歌が劇中歌も含め、全編にわたって多く流れます。予告編もワクワクさせられます。

硝煙の7時間(1965年　西・伊・西独)　未公開

大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。ブログの更新ができなかった理由の一番は、恐れていた通り、パッタリとマカロニDVDが発売されず、紹介する材料がなかったことです。それと最近ある筋から、未見のマカロニ作品を大量に入手したため、それを見るのに精一杯という状況だったので。これらの作品は追々紹介させていただきます。さて、今回は"Sette ore di fuoco" (硝煙の7時間)を紹介します。この作品は2007年にドイツ版DVDが出ていたので、その後(2009年)に発売されたスペイン版は見送っていました。しかし、どこかのサイトで画面キャプチャが載っていたのですが、かなり画質が良さそうなので、購入してみました。"Sette ore di fuoco" (硝煙の7時間)監督：ホアキン・ルイス・ロメロ・マルチェント出演：リック・ヴァン・ナッター、アドリアン・ホーフェン、グロリア・ミランド音楽：アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ　左がスペイン版、右がドイツ版。数年前にドイツ版を見た際には、正直、言葉も問題もあって、何かよくわからない作品という印象を持っていました。しかし、今回のスペイン版でその理由がわかりました。細かくは検証できていないのですが、ドイツ版は原型は留めているものの、大幅に編集されていて、別の作品と言ってもいいぐらいの代物だったのです。左がスペイン版、右がドイツ版ですが、このシーンは"Alla conquista dell'Arkansas" (アーカンサスの征服者)からの流用です。どういう理由かはわかりませんが、ドイツ版は舞台設定をゴールドラッシュ以降の1878年のケンタッキーにしています。その移民の移動風景として(アーカンサスの征服者)から転用しているようです。これはエンディングにも使われています。それ以外にも後半のシーンを前半に持ってきたりして、無理があったのか、辻褄を合わせるため(？)のナレーションがやけに多く入っています。ちなみにこの作品では、バッファロー・ビル・コディー(リック・ヴァン・ナッター)やワイルド・ビル・ヒコック(アドリアン・ホーフェン)、カラミティー・ジェーン(グロリア・ミランド)といった歴史上の人物が主人公なのですが、1878年ではワイルド・ビル・ヒコックはもう既に死んでしまっているので、時代考証がおかしくなってしまっています。どうして、そこまでして設定を変えたのでしょうか？(当時の何かの事情なのでしょうか？) 左がバッファロー・ビル・コディーを演じるリック・ヴァン・ナッター、右がカラミティー・ジェーン演じるグロリア・ミランド。私には「墓標には墓標を」の気丈な母親役が印象的なので、カラミティー・ジェーン役はちょっと違和感がありました。ワイルド・ビル・ヒコックを演じているオーストリア俳優　アドリアン・ホーフェンはこの作品以外に「遺恨10年二代目ジェームス」(TV)"Solo contro tutti"にも出ているようです。この作品では、クライド・ロジャーズという変名を使っていますが、リック・ヴァン・ナッターと言えば、やはり『007 サンダーボール作戦』のCIA局員　フェリックス・ライター役が有名ですね。『007 サンダーボール作戦』公開時は、リック・フォン・ナッターという表記でしたが．．．私も知りませんでしたが、リック・ヴァン・ナッターは純粋なアメリカ人男優ですが、1963年～1975年の間、アニタ・エクバーグと結婚していたようです。少し脱線しますが、今更ながら気が付いたのですが、『007 サンダーボール作戦』にはイタリア俳優(アドルフォ・チェリ、ルチアナ・パルッツィ)やイタリアにゆかりのある俳優(リック・ヴァン・ナッターや「群盗荒野を裂く」のマルティーヌ・ベズウィック)が多く出ているんですよね。さて、肝心なあらすじですが、ポニー･エクスプレスで有名だったバッファロー・ビル・コディーが成長し、移民キャラバンのガイド役となる。福音を説こうとする聖職者とその美しい姪　エセルたちの一団の目的地であるカスターの町では、先住民たちに武器を密売する業者がはびこっていた。バッファロー・ビル・コディーは、ワイルド・ビル・ヒコック、カラミティー・ジェーンの協力を得て、カスターの町で、武器密輸業者と戦い、さらにはスー族の襲撃を迎え撃つ、といった感じで、非常にハリウッド西部劇の影響を強く受けている、典型的な初期マカロニ作品です。音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノによるものですが、ドイツ版ではJohn Cashell名義(ラヴァニーノの変名？)になっています。